つみきのいえのレビュー・感想・評価
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自分にもおなじような人生の経験がいろいろあったなあ。 この映画を見て妻のことをさらに愛おしく感じた。
動画配信で映画「つみきのいえ」を見た。
2008年製作/12分/日本
劇場公開日:2009年3月7日
監督
加藤久仁生
ナレーション
長澤まさみ
おじいさんは背中が曲がっている。
おじさんは一人暮らしだ。
テレビを見ながら、
ワインを飲み、
食事をする。
就寝した。
翌朝、おじいさんが目を覚ますと、
家が浸水している。
おじいさんは煉瓦と漆喰を注文すると、
家を増築しはじめた。
誤ってパイプを水中に落としてしまった。
パイプを拾うためにおじいさんは潜水服を着た。
潜って行ってパイプを拾った。
パイプを拾ったときに妻のことを想いだした。
妻はもういない。
おじいさんはさらに深く潜って行く。
妻が寝ていたベッドを見つける。
さらに深く潜る。
娘夫婦と孫と記念写真を撮ったリビングルームがある。
さらに深く潜る。
ひとり娘が娘婿を連れてきたときの情景。
娘が家から巣立った日のこと。
妻と二人で娘を育てたあの日々のこと。
ついにおじさんは海底に降り立った。
そして幼いころに妻となる女性と出会ったことも蘇ってくる。
青年になり、妻にプロポーズし、そして夫婦になった。
妻と二人で、煉瓦と漆喰で小さい家を建てた。
その家でワインを片手に妻と食事をする。
懐かしい思い出がよみがえる。
我に返ったおじいさんは転がっていたワイングラスを拾った。
住居スペースに戻ったおじいさんは自分のワイングラスと、
妻のワイングラスの両方にワインを注いだ。
自分にもおなじような人生の経験がいろいろあったなあ。
この映画を見て妻のことをさらに愛おしく感じた。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
せめて記憶を守るために
忘れない為にレビュー
積み重ねるのは思い出
♪二酸化炭素を吐き出して
フォロワー様のレビューで何件か見かけたので観てみたら良い映画だった♪わぁい。
紫煙、ためいき。♪二酸化炭素を吐き出して
日に日に上昇する水位、増幅するさみしさ。
写真を飾るのも、
煙草を吸うのも、
欲を欠いた産業活動を止められないのも、
忘却の底に沈みたくないのも、
さみしさ逸らし。
そうまとめているみたい。なるほど。
沈んだ家の住人は、どこかに旅立ったか、なかで眠っているのか。
忘れた。忘れられた。
落としたパイプを拾いに潜って、
忘れかけていた自分の物語に出会う。
悲しい思い出から逆行して、楽しい思い出に到達する。
やさしい設定。時が解決するって、そういうことだね。
近寄りたくもないドアとか、あってもよかったのにな(黒)。
レクター博士の"記憶の宮殿"にもあったし、あるでしょ誰にでも。
ちいさい読者さまに指図する本なんか絵本ではない恥を知れと考える私にとっては、
静かに佇むこの短編映画は、わきまえてる良い絵本。
泣かせ誘導が少々鼻につくのでw、星は3つ。
大人はずるいね(^w^)。
普遍的ドラマが貯蔵された、集合的無意識へのいざない。
映画は潜航装置。
静かな部屋をひととき満たす、赤いワインとグラスの音で小気味良く終劇。
うん!良いもの観たな♪
無音鑑賞で充分
12分のショートアニメ
U-NEXTで鑑賞
長澤まさみがナレーションを担当してるらしいがU-NEXTはナレーション無しバージョン
長澤まさみがどんなナレーションしてるのか気になるがなくても特に問題は感じない
どんどん水位が上昇する世界
妻に先立たれ一人暮らしの老人
どうやらこの集落は彼1人らしい
他の元住人はみんな避難したのだろう
彼が若い頃には水浸しにさえなってない普通の土地だったが彼が結婚後娘ができたあたりから水の都ベネチア風の佇まい
水位が上昇するたびに増築増築
高々と立てた塔の自宅のほとんどが水の中
そんなある日に増築途中で大切なパイプを水の中に落としてしまった
しかし配達員が届けてくれた潜水服とボンベを借りて水の中に
すると沈めば沈むほど次々と妻との思い出が蘇ってくるのだった
一階に辿り着き家の外に出て我が家を見上げるおじいさん
ヨーロッパ風タッチのアニメだが日本の作品
大胆なキャラクターデザイン
最初は無音で鑑賞
スマホあるあるのミス
それでも音楽担当や長澤まさみには申し訳ないが無音で充分
ノルタルジックな絵作りの美しさ
アマプラで予備知識なしに見たので、独特の絵から、てっきり外国作品だと思っていました。ノスタルジックで味わい深い作品です。
舞台は水没しつつある町で、世界の終末のような雰囲気です。しかし、電気は来ているしテレビもやっている。宅配もあるので、そこまで悲壮感はありません。むしろ、現代の老人と同じような、人生の最後の日々を、淡々と過ごす様子が続きます。老人は、一人孤独に食事をしていますが、その心には何も無い、単なる虚無です。やがて、自分の人生を振り返る旅の後、自分が家族の思い出の上に立っていることを認識します。最後もまた一人で食事をしていますが、すでにその心には、たくさんの思い出が詰まっていることでしょう。
「カールじいさんと空飛ぶ家」の(あれも良かった)冒頭シーンを思い出しましたが、それとは違う方向性で、じーんと来る作品でした。短編なので、1回見た後、奥さんを呼んでもう1回見てしまいました。
【水に没した家の中でおじいさんが視た、懐かしき家族の楽し気な想い出。地球温暖化による海面上昇を柔らかいタッチの絵で、警鐘を静に鳴らす作品。】
ー 独創的な世界観で注目を集めるアニメ作家・加藤久仁生の存在は、2017年にみんなのうたで放映された、”エレファントカシマシ”の”風と共に”で初めて知った。
柔らかい、鉛筆タッチを生かした画調が印象的であったー
■海面の水位が上昇したことで水没しつつある街で、1人だけ残るおじいさんが住んでいる。
彼は家が沈みかけるたび、上へ上へとレンガを積み、家を増築することで難をしのぎつつも穏やかに暮らしていた。
そんなある日、おじいさんは愛用していたパイプを水中に落としてしまい・・。
◆感想
・独特の柔らかいタッチの絵柄で、おじいさんが水中に落としてしまったパイプを潜水服を着て
探しに行く。
・それと共に、且つてその家で一緒に住んでいた優しい表情の奥さんや、子どもたちとの思い出が描かれる。
<ナレーションもない、静かな物語である。
だが、この作品からは、海面上昇に伴い、人気の無くなった且つては小さな町であっただろうところに独り住む、おじいさんの姿を通して、地球温暖化に対する警鐘が聞こえてくるようだ。
環境問題をふと、考えさせられる柔らかなタッチのアニメーション映画である。>
心暖まる素敵な12分間
今…がある
水辺に浮かぶ家。この家は水没する前に積み重ねられて作られた家だった...
デザインとアートの軸で言ったら、日本の映画はデザインの軸に分類され...
デザインとアートの軸で言ったら、日本の映画はデザインの軸に分類されるものが多い。しかし、この作品に関しては完全に「アート」である。
この映画は何も語らない。長澤まさみのナレーションもあるらしいが、個人的には無い方をお勧めしたい。ビュワーの想像力に委ねられている作品であり、見る人に統一された感想を持たせない多義性のある素晴らしい映画であると思う。
ストーリーとしては、そこまで難解で複雑なものではないのだが、そこに先ずは「デザイン」としての断片を感取でき、好感度がある。音楽は栗コーダーカルテットの近藤研二を採用しているが、これ以上ないピッタリの音楽を映像にマッチさせてくれているし、1つ1つの環境音やそのタイミング、編集にも脱帽。絵的な観点からしても、場面ごとに黄色と青色の美しい色調を綺麗にまとめあげていて、効果的な演出へと繋げている。
「アート」でありつつも、「デザイン」を置いてけぼりにしていない、誰が見ても感想を言える多義性に富んだ素晴らしい作品だと思っています。
ナレーションがなくても、あたたかさと胸にこみ上げるものが伝わってく...
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