劇場公開日 2009年3月7日

「♪二酸化炭素を吐き出して」つみきのいえ 雨丘もびりさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0♪二酸化炭素を吐き出して

2024年1月31日
PCから投稿

フォロワー様のレビューで何件か見かけたので観てみたら良い映画だった♪わぁい。

紫煙、ためいき。♪二酸化炭素を吐き出して
日に日に上昇する水位、増幅するさみしさ。

写真を飾るのも、
煙草を吸うのも、
欲を欠いた産業活動を止められないのも、
忘却の底に沈みたくないのも、
さみしさ逸らし。
そうまとめているみたい。なるほど。

沈んだ家の住人は、どこかに旅立ったか、なかで眠っているのか。
忘れた。忘れられた。

落としたパイプを拾いに潜って、
忘れかけていた自分の物語に出会う。
悲しい思い出から逆行して、楽しい思い出に到達する。
やさしい設定。時が解決するって、そういうことだね。

近寄りたくもないドアとか、あってもよかったのにな(黒)。
レクター博士の"記憶の宮殿"にもあったし、あるでしょ誰にでも。

ちいさい読者さまに指図する本なんか絵本ではない恥を知れと考える私にとっては、
静かに佇むこの短編映画は、わきまえてる良い絵本。
泣かせ誘導が少々鼻につくのでw、星は3つ。
大人はずるいね(^w^)。

普遍的ドラマが貯蔵された、集合的無意識へのいざない。
映画は潜航装置。
静かな部屋をひととき満たす、赤いワインとグラスの音で小気味良く終劇。
うん!良いもの観たな♪

雨丘もびり