「デザインとアートの軸で言ったら、日本の映画はデザインの軸に分類され...」つみきのいえ taichi nagasawaさんの映画レビュー(感想・評価)
デザインとアートの軸で言ったら、日本の映画はデザインの軸に分類され...
デザインとアートの軸で言ったら、日本の映画はデザインの軸に分類されるものが多い。しかし、この作品に関しては完全に「アート」である。
この映画は何も語らない。長澤まさみのナレーションもあるらしいが、個人的には無い方をお勧めしたい。ビュワーの想像力に委ねられている作品であり、見る人に統一された感想を持たせない多義性のある素晴らしい映画であると思う。
ストーリーとしては、そこまで難解で複雑なものではないのだが、そこに先ずは「デザイン」としての断片を感取でき、好感度がある。音楽は栗コーダーカルテットの近藤研二を採用しているが、これ以上ないピッタリの音楽を映像にマッチさせてくれているし、1つ1つの環境音やそのタイミング、編集にも脱帽。絵的な観点からしても、場面ごとに黄色と青色の美しい色調を綺麗にまとめあげていて、効果的な演出へと繋げている。
「アート」でありつつも、「デザイン」を置いてけぼりにしていない、誰が見ても感想を言える多義性に富んだ素晴らしい作品だと思っています。
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