インセプションのレビュー・感想・評価
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駄作?秀作?とにかく長い!
キャスト・スタッフの仕事はすばらしいものがある。
画面に映るアクション・CGは見るに値すると思います。
一方台本の詰めの甘さには閉口する場面も
台本理論武装が崩壊気味です。
第一層で車が揺れると第二層に影響しているのに
第三層以降には影響しない???
一層分しか影響しないのなら
第三層でホテルの部屋からエレベータに移動しているとき等
第四層で影響が出ない?
エンディングもコマが回り続けるのか止まるのか
バランスが??
次作を作れるよう終わるあたりが悲しい。。。
観客がインセプトされる
映画「インセプション」を観た。原題「INCEPTION」
監督:クリストファー ノーラン
キャスト
コブ:レオナルド デカプリオ
サイトウ:渡辺謙
妻マル:マリオン コテイアード
ロバート:キリアン マーフィ
アーサー:ジョセフ ゴードンレヴィ
アリアドネ:エレン ペイジ
(なお、アリアドネとは、ギリシャ神話で迷宮から脱出することを教える神様の名前)
ストーリーは
眠っている人の無意識の頭の中に潜入して その人のアイデアや情報を盗み出す という特殊な能力を持つ企業スパイ、コブ(レオナルド デカプリオ)は 重要犯罪人としてインターポールから 国際指名手配されていて、子供達の居るアメリカに帰ることが出来ないで居る。
妻、マルも、同じ仕事をしていたが、仕事のストレスによって、夢の世界と現実の世界の境界がわからなくなって 自ら命を絶ってしまっていた。子供達は コブの 大学教授をしている父親と母親が 世話をしていてくれている。自分がこのような仕事をしているために 自殺してしまった妻に対しても また会えなくなった子供達にも コブは深い罪悪感を持っている。
ビジネスマン サイトウから仕事の依頼があった。成功したらアメリカに帰国して子供達に会えるように手配してくれるという。それは サイトウのライバル会社の社長ロバートの潜在意識の中に入りこみ、情報を盗みだすのではなく、自分で自分の会社を潰すという考えを植え込む「インセプション」という仕事だった。それは夢の中からアイデアを盗むよりも はるかに難しい仕事だった。
コブは 仕事を請け負うに当たって、心理学者の父親の助言を得てアリアドネ(エレン ペイジ)という女子学生を 仲間として協力を得ることにする。彼女は夢をデザインすることができる。また「泥棒」という名の情報をスリとって それをコピーすることができる男や、「薬屋」という夢に導入するための薬を調合できる男をチームのメンバーに入れる。
世界のオイルを一手に収める大富豪の息子ロバートが 死の床にある父親に会いに行く為に 乗っている飛行機の搭乗時間は10時間。その間にロバートを眠らせて チーム全員が同じ機械に取り付けて 眠ったロバートをチームのデザインした夢の中におびき寄せる。そこまでは 守備よく成功する。
しかし予想外に、ロバートは自分の潜在意識の世界を守る訓練を受けていた。彼の夢のなかには それを読み取ろうとするものを攻撃する敵や戦士達が沢山居る。ロバートの無意識の意識を守ろうとする無数の敵と、コブたちチームは激しい戦闘をしなければならなかった。運の悪いことに、サイトウが銃で撃たれて大怪我をする。強い催眠薬で 夢に導入された場合 夢に中で殺されると無意識の虚無に陥り 廃人になってしまう。一時もはやく、チームは仕事を済ませなければならなくなった。
コブは現実世界と夢の世界の境界がわからなくならないように ポケットにコマを入れてる。コマを回して 永遠に回り続ける世界は夢の世界で コマが止まるのが現実世界だ。
夢の世界では重力も距離も時間もない。数秒の眠りの中で人は何十年も年をとる。眠りのなかで死ぬと目が覚める。催眠薬を使って夢に導入されて 夢に中で殺されると潜在意識の無に陥り現実世界で廃人になってしまうので、そうならないように、チームの仲間は、睡眠中の仲間に水をかけて強制的に起こさなければならない。
チームは 激しい戦闘の末、ロバートの心の奥底に仕舞われていた金庫を開ける。ロバートは大富豪で偉大な事業家の父親に育てられて 父に「期待はずれだった」と言われたことで、深く傷ついている。父の期待に答えて 仕事を継ぐことだけを念じて生きてきた。しかし、こじ開けられた夢に中で再会した死の床にある父は、「おまえが自分の生きたいように生きなかったことが期待はずれだった。」という意味だったのだということがわかる。そして、父に愛された子供の時の写真とともに、父が作って 彼が大事にしていたカザグルマが 父の金庫に しまわれていた。ロバートを苛んでいた長年の心の傷が癒された。父との心からの和解。
こうして しっかりロバートはチームの思惑通りに 無意識の中で自分に会社を潰す考えを植え付けられていたのだった。
夢の中で銃撃を受けたサイトウを 救うことができるだろうか。彼は戦闘の途中で死んでしまう。
また、コブの夢の中には、死んだ妻マルが いつも出てきてコブの仕事の邪魔をする。コブはマルから開放されることが できるのだろうか。
以前、コブとマルは二人で共通の夢を共有していた。二人でデザインした夢の世界を作って 50年先まで二人が仲良く暮らせる世界を作っていた。そこでは コマはいつまでも回り続け、二人の子供達はいつも背を向けている。マルが心変わりしないように、、実はコブは二人の夢をデザインするだけでなく、モルに「インセプション」を実験したのだった。そのために、マルは現実の世界と夢の世界の境界線がわからなくなって、自殺してしまった。その罪が余りに深いゆえに、コブが仕事で 無意識の世界に入るたびに マルが必ず出てきて邪魔をする。
チームの面々は 航空機の中だ。
10時間の長い眠りから一人一人と、目を覚ます。着いたところはアメリカ。荷物受け取りのところで それぞれは自分の荷物を受け取り 笑顔で別れ別れになっていく。
コブが出口を出ると 父親が迎えに来てくれている。そして、父親と共に着いた家に足を踏み入れると 二人の子供達が待ち構えていた。飛びついてくる子供達。しっかり子供達を抱きしめて 喜びにふるえるコブ。幸せすぎて コブは思わずコマを回してみる。しかし、それは いつまでもいつまでも回り続ける止まらないコマではなかったか、、、、。
というストーリー。
画面を見ていて それが現実世界のお話なのか、夢の中かわからない。嘘か真か わからないまま 激しいアクションシーンが続いていく。とてもわかりにくくて、何かだまされたみたい。同じ デカプリオ主演の映画「シャッターアイランド」のほうが分かりやすかった。「シャッター、、」では 精神病患者の頭の中で起こっていることと、現実との2極に別れた世界だった。
今回の無意識の意識、潜在意識の世界は、現実世界に限りなく近いため、どこにいるのかが、とてもわかりにくい。
それだけに それぞれの人の解釈がちがってくるだろう。難しい映画というのは 自己流の解釈ができて、それが他の人と全然ちがう おもしろさがある。私の書いた解釈を これは違う!と言う人も多いだろう。これは私の解釈したストーリーであって、他に人と違って それで良い。
ハッピーエンドだった と思っている人も多い。
コブの心の傷が余りに大きくて 子供たちにも会えない姿が可哀想で可哀想で 何とか子供達に会わせてあげたい、、映画の観客の無意識の願望が 最後をハッピーエンドにするのだろう。ここで すでに観ている人は「インセプト」されているのだ。
目覚めてスッキリかグッタリか。
この監督の作品はいつ観てもこんな感じだと思った。
アウトラインはシンプルな話でも、監督の手で
複雑な方向へ芸術的方向へと進化させていくような
上手く言えないが、簡単な話を複雑化させることが
好きなヒトなんだろうな、という感じだ。
やや神経症(すいません^^;)みたいな印象を受けるが
作りだす作品もそんな感じのものが多い気がする。
すべてに先行するのは独特な映像センスで、これは
どの作品を観ても本当に見事。観たことのない世界を
ここまで具現化できるというのは技術の進歩もあれど
やはり作り手側の才能としか言いようがない。
監督自身が誰かにインセプションされてたりして^^;
ディカプリオ主演で、というのもあるんだろうが
どうしてもあの「シャッターアイランド」で彼が演じた
男とダブって見えて仕方ない。今回もまた神経症の
ごとくトラウマを抱えており、それでもこのミッションの
リーダーだから其処其処で指示を与えねばならない。
今回の相棒というかドリームチームの一員の中では
紅一点のE・ペイジが実に分かりやすく彼の心根と
計画を砕いて説明してくれるのでものすごく助かった^^;
彼女あってのインセプション計画。更に無重力階層で
敵と闘い、皆を纏めてグルグルする(爆)J・G=レヴィット
は、あ!「500日のサマー」の彼!うわ♪どうしたの?
と思うくらい印象が違う^^;オールバックにしちゃってぇ。
彼らが現実に戻る時にかかる曲がE・ピアフというのは
M・コティヤールが出ているからなんだろうな^^;などと
探せばけっこう遊び心に溢れ(るとこまではいかないか)
てもいたのだが、この物語にはドキドキワクワクという
荒唐無稽な面白さは皆無。どこまでも知的で色がない。
感動できるシーンも共感できるシーンもあるのだけど、
監督独自の整合性というか、整頓された知的空間から
ググーッと心情がはみ出てしまうことのない映像世界。
私がのれないのは、多分ここなんだろうと思う^^;
そんな空間に唯一色を挿してくれたのがC・マーフィ。
インセプションされる予定の標的役だ。
短い出番ながら、父親との確執、経営面での不安、
すべての感情を色のついた演技で構築してくれた。
チーム員との毛色が違う、ここだけ普通?の感覚を
彼を観て取り戻せたことが個人的に嬉しい気がした。
とはいえ、話を牽引するレオの元へ何度も出現する
夢オチ奥さん、モル。彼女が出る度、もういいよ~x
と何度も溜息をついてしまった。そこが重要なのかも
しれないが、しつこい。(爆)どうも中盤以降はダレて、
勿体ない作りになっている。更にもっと勿体ないのは
我らが謙さん。どうなのよ!?サイトー。彼にあの役の
必要性があったのか?(冒頭こそカッコ良かったのに)
監督に聞いてみたい。ケータイCMの彼は面白いぞ~。
(朝起きてアイディアが浮かんでいたら気をつけよう^^;)
絆と約束の映画
テレビや雑誌の映画紹介などでは、撮影手法や斬新な映像について注目される本作だが、意外にも本筋は人間ドラマで、時代劇等昭和の映画を好んで見る自分にも十分楽しめた。作品全体にスピード感があり、ともすればおいてけぼりになってしまう可能性もあるが、人物一人一人の目的や考え方に注意してみれば、場面毎の理解も苦ではない。
何より嬉しかったのは、渡辺謙さんが確かな存在感で物語の中心にどっしりと居たこと。謙さん抜きではこの映画はありえません。
最先端の技術と手の込んだ撮影方法で紡ぎだされる夫と妻、親と子、友情、敵と味方・・・色々な形の絆を堪能して欲しい。
最後の機内のシーンでは涙が出そうになり、観終わった後、何とも言えない奇妙な清々しさが文字通り頭に植えつけられた。
面白かった!
とにかく面白かった!
企業のお偉いさんっぽい渡辺謙さんが危険な所に独りできたり一緒に仕事したりというくだりとか、
標的の企業の利益を阻害して自分の所の会社が市場を独占したいだけなんじゃ・・・とか、
は少々 いただけないが・・・(´Д`)
それ以外は最高!
ストーリーも映像もドキドキして良かったのですが、
特に好きだったシーンが
最後の嫁との会話。
嫁「ずっと一緒に年をとろうって言ったじゃないの」
ディカプリオ「いっしょに年をとったじゃないか。忘れたのか?」
そして2人で作った世界でシワシワの手をつないで歩く2人・・・。
というシーン!
この最後の会話の嫁はディカプリオの創造した嫁なので、
実際は自分自身に言ってるよな~。。。って思うとさらに泣けたっ(T△T)
割り切れないでいたのも自分。説得してるのも自分やないか~!
ってちょっとつっこみ入れたい感じではありましたが。(関西人ではありません)
それと「夢に入ると時間の流れが違う」っていう設定も好きでした。
実際、自分が夢を見てもそういうふうに感じるので共感しやすかった。
そしてかなり奥の階層で渡辺謙さんがいきなり年をとっててビックリ。Σ(゜д゜;
いったいそこまでどんな人生をそこで過ごしちゃったんだろう?なんて気になりました。
ダークナイトも見てみたくなりました(*^▽^*)
映像は良いんだけれど??
レッドカ-ペットのチケット当って行ったのだけれど、レオのサインも貰えたのだけれど、それを無くした自分に腹が立った。映画の方は映像は素晴らしかったんですが、お坊ちゃま社長にインセプションするだけで、こんな大掛かりで、命がけの仕事する人居るのかなと思っちゃいます。私って現実的ですね。
体調を整えてご覧になって。
他人の夢の中、つまり潜在意識の中に入り込んで、情報を盗み取る。
そんな企業戦略がある時代。
コブはそんなスパイの第一人者。
でも、タブーを犯し、警察に追われ、家族の元へ帰れない。
作品を鑑賞中、常に、今は夢の中、今は現実、と自分に確認しながら見た。
夢の中は、2層にも3層にもなり、複雑だけど、その階層ごとにうまく設定してあるので、見分けはつきやすい。
ディカプリオが持つ金属製のコマの意味をしっかり頭の中にいれておいてください。
最後のコマの使い方は最高。
コブにとっては、コマではなく、子供の顔がアイテムだったのでは・・・。
なるべくCGではなく、セットを作っての撮影にこだわった監督。
質や量を感じさせ、2Dでも堪能できる。
監督のオリジナル映像、オリジナルストーリー、新しい体験をさせてもらった。
空間のねじれ、ゆがみ、回転映像は素晴らしい。見ているのが楽しくなる(内容は緊迫感ありだけど)。
作品の構成も良い。
ディカプリオの切なさは、やっぱりイイね。
少し、ヒース似のジョセフ・ゴードン。
頼りない役だと本当に頼りないのに、しっかりやる時はやる。 注目人物です。
私の好きなディリ―プ・ラオが出演していて、嬉しかった。 彼の優しさ、包容力がいいな。
音楽はハンス・ジマー。 彼に任せればまちがいなし。
マリオン・コティヤールにかけて、エディット・ピアフ繋がりの曲。
複雑なストーリーなんだけど、最後には、きちんと繋がっていて、爽快感さえ味わった。
標的のロバート(キリアンのおぼっちゃまぶりも良いな)にとっても、ある意味良い結果になったのも良い。
最初から、目が離せないので、寝たりしないように、体調を整えて、ご覧になってください。
私も、もう1回見に行こうかな。
いろいろな視点(人物など)から見ると、何回も楽しめそう。
面白いけど荒削り
緻密な脚本やディティールによってかなり楽しめる作品。
でも・・・
そもそもの目的はなんだった?
そこまでするの?
とか思ってしまう。
サイトーは、なんでわざわざライバル社を潰すために意識だとか記憶だとかをイジる必要がある訳?だって航空会社を買い取れるほどだし、人も容易に殺せてしまう。それならもっと現実的に簡単に出来る方法があるでしょ。
で、現実世界と過程して、なんでコブは子供に会えたんだろ??
あ、サイトーが機内で電話してたのは、そのあたりの融通をきかせたってこと??
確かに思考は感染する
世界中の映画愛好家が終映後に、一人の男のイマジネーションから生まれた物語について、ああでもない、こうでもない、と考え語り合う。確かに強力な感染力だ。
今時オリジナルな話(色々影響されてるんだろうけど)でここまで勝負できるとは、クリス・ノーランは大物だ。期待に違わず演出は端正かつパワフルで、脚本は知的な気分が匂う。弱点は画にも魂にもセクシーさや愛嬌が無いことだろうか。女優の選択も色気無い。 多重力空間で端正を絵に描いたようなジョー・ゴードン=レヴィットが奮闘するシーンは笑っちゃった。笑わす気はないんだろうけど。後味としては、三層の雪山シーンが騒々しすぎたか。娯楽に寄るのは分かるけど、全体像がシンプルでなくなった。惜しい。
新しいっちゃ新しい
原作モノやシリーズモノが横行する映画界で、鬼才ノーランのオリジナル脚本というのはそれだけで大きな価値があるのかもしれない。
「潜在意識に侵入」というワンアイデアから生まれたであろう本作。
そのアイデアは確かに面白く、そのアイデアに敷かれたルール設定などのディテールも楽しい。
さらにそこに、主人公の現実世界のドラマ(多少安易)が絡まってくる。
だけど2時間半に詰め込めるだけ詰め込んでくるので、結構疲れる。
そして、複雑な世界観にはたいがい矛盾やほころびが出てしまうが、この作品も例外にもれず。
予定調和なところもあるけど、新しいっちゃ新しい。
何はともあれ、細かいことを気にしないで鑑賞するのが正解かと。
個人的には、そろそろ渡辺謙の毎回同じような芝居に飽きてきました。
「大作観」を覆す超怪作
派手な爆破、美人のヒロイン、「敵をやっつける」の一方的な構図、そして大団円。いつから「娯楽大作」は、僕らのアタマを刺激しない、もっと言えば「映像の進化」の一言で懐柔されるようなものになったのか。「インセプション」を難解だと言って一蹴する前に、考えてみてほしい。先に挙げた「ありがち」なパッケージに、映画の未来や可能性が見えるだろうか?この映画は難しいから、「じゃあ、簡単な映画を」と思いつく作品に、「ここぞ!」と特筆するような瞬間がいくつあるだろう?「インセプション」は確かに複雑で、スケールや映像は明らかに「夏の娯楽大作」仕様なのに、見終わった後はいろんな意味で肩が凝っているような、一筋縄ではいかない作品。ただ、ここにはたくさんの驚きと、それこそ「アイディア」が無限に詰まっている。街ごと折れ曲がる世界、無重力状態でのアクション、入り込んでいく夢を「階層」という仕切りで区切ることで生じるタイムラグがもたらす緊張。ノーラン監督の、他に追随を許さないダントツのファンタジアが炸裂している。前作「ダークナイト」の長さもほとんど感じさせなかったが、140分超えの映画をこれほどたるまずに仕上げられる監督も他にいないと思う。作品世界のルールや設定をすんなりのみこめないかもしれないが、大筋は至ってシンプルで、例えば「オーシャンズ11」のメンバー集め、「m;i;3」のチーム戦、そしてドラゴンボールの「精神と時の部屋」のルールなどにグッとくる人なら、絶対に後悔はしないだろう。全部見終わると、「インセプション=アイディアの植え込み」は夢の中でやるより現実の世界でやった方が簡単じゃないかという気もするが、上映中は余計なことなど考えられないはずだ。大作とはいえこれくらい「置いてきぼり」を食らった方が、映画に対する食いつきが俄然違ってくる。これからは「誰にだって分かってしまう映画」ではなく「誰もが分かりたくなる」映画が増えることを期待しよう。
圧巻!
これは映像的に圧巻と言える作品だと思う。
1999年「マトリックス」を劇場で見て覚えた興奮に近いものがあった。
「マトリックス」と似て、重力を無視するアクションシーンや、いろんな次元を越える(この場合、第1段階の夢からその深く第2段階の夢へなど)舞台変化、キャラクター個人に超人的な能力はないにしても、こういうSFファンタジー的な要素がありながらもリアルさにこだわったノーラン監督はいい選択をしたと思う。
CGを使うシーンを極力絞って、できるだけ本物を撮る演出。やっぱり「ダークナイト」でハリウッドで不動の巨匠の位置を得た監督ならできる業だ。
夢の中ならではの想像力を有したデザイン(アーキテクトの仕事)は面白く、いつの間にか夢の中に!っていう驚きも多々あった。
予告編を見るからに全体的に複雑な内容だと思っていたけど、意外と解りやすかったと思う。確かに第1部(主人公・コブ(レオナルド・ディカプリオ)が一大ミッションに取りかかるまでの序章辺り)はこのインセプションと言われる作業についての説明が多く、付いて行くのが精一杯で大変だった。けど、やっと彼の仕事を理解し始めた時に、ミッションが始まる。ここ10年近くの映画の中でこの作品の後半のアクションシーンは一番難しいものとなったはず。一歩間違えれば観客は今どの夢の層のどの部分にいるのか解らなくなるかも。
でも、ノーラン監督は複雑思えるシークエンスを簡易にうまく演出するのに長けているから、見ていて置いて行かれる気はしなかった。
ただ一度の鑑賞ではまだ完璧に理解できていないから、もう一度か二度は見たいと思った。
個人的に、渡辺謙が非常に良かったと思う。脇役かと思ったら、ほとんど準主役的な位置にいる。映画の冒頭から最後まで出ているし、ノーラン監督は非常にいい使い方(失礼だが)をしたと思う。渡辺謙という存在が強く出ていた気がする。
それに、この映画の一番好きな所は、黒幕と言える敵が居ないこと。
敵が居るとすれば、コブの妻だろう。でも、彼女の存在はあくまでコブの投影、本人ではない。だから、相手は妻であっても、コブの心の弱い部分と言えよう。だから、最後見終わった時に、キャラクター全員がハッピーエンドで終われるのだ。
サイトー(渡辺謙)はコブに託したミッションで自分の会社を守ろうとするけど、そのターゲットになったロバート(キリアン・マーフィー)も最後は(嘘であっても)父親との和解があるし、とにかく主要メンバー達の葛藤は晴れるわけで、ネガティブな結果を得る人がいないということだ。
この展開は最近の映画では珍しいと思った。
そういう意味でも新鮮な試みがされていてよかったと思う。
それにここまでアクションアドベンチャー的な要素が多い作品で、最後に泣かされたのには驚いた。「ダークナイト」の時もそうだったけど、またノーラン監督にやられてしまった。。。w
また見に行こう!
もう1回観たいですね。
いきなり意味不明なシーンから始まるこの作品ですが、観終える時までには解決するから問題無し。
ディカプリオは「シャッター・アイランド」に続き、家族との苦悩に苦しむ役ですが、イケメン俳優から本格化俳優になってきましたか?
渡辺謙も他のハリウッドスターに負けない堂々たる活躍振りで、英語もうまいですね。
途中、中弛み的な感じもありますが、最後までじっくり集中して観ていないと、謎が多すぎてストーリーについて行けないスリリング展開。夢と現実が交差する展開の中、夢の夢のそのまた夢の中へ・・・・言わば夢の多層構造への潜行。
凡人な言い方をすれば、このストーリー性にはマトリックスを始めて観た時の様な衝撃を受けました。
この映画で、唯一批評するならば、夢の中とは言え日本観がどうも未だに「ラストサムライ」の域を出ていないのは如何なものかと。
ただ、謎が多いだけに、もう一回観たい映画ですね。
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