インセプションのレビュー・感想・評価
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発信はすごい
●深層心理
フロイトは人間の心理を、
(1)意識
(2)前意識
(3)無意識の3つに分けた。
映画『インセプション』を観るときは、無意識を2つに分けて考えるとよい。
(3)の無意識と、(4)深層無意識である。
仏教でも、意識を(1)末那識(まなしき)と、(2)阿頼那識(あらやしき)の
2つにわける。
末那識というのは、意識の総称。
阿頼那識というのは、現代心理学でいう、「無意識」、あるいはさらにその奥深くに
ある、深層無意識ということになる。
この中の(3)前意識というのは、「ぼんやりしているときや、夢を見ているとき」に
働いている部分(「心理学のすべて」深堀元文)をいう。
意識を氷山の一角とするなら、その下には膨大な大きさの前意識や無意識、さらには、
深層無意識の世界が広がっている。
●夢の中でまた夢を見る……
映画『インセプション』は、つぎの段階を経て、夢の中の夢の世界、さらにはそのまた
夢の世界へと入っていく。
(1)現実の世界(飛行機747の世界)
その世界から、つぎの第1の夢の世界に入る。
これを第1夢の世界という。
壮絶なカーチェイスを繰り返す。
(2)その第1夢の世界から、つぎの第2の夢の世界に入る。
これを第2夢の世界という。
どこかのホテルで、これまた壮絶な戦闘行為を繰り返す。
(3)さらにそこでの窮地を逃れるため、ディカプリオたちは、第3の夢の世界に入る。
これを第3夢の世界という。
どこかの雪原に建つ要塞で、さらに壮絶な戦闘行為を繰り返す。
映画『インセプション』の中では、そこまで断言していないが、私流に勝手に解釈する
と、第1夢の世界は、「前意識」の世界。
第2夢の世界は、「無意識」の世界。
第3夢の世界は、「深層無意識」の世界ということになる。
●伏線
で、この映画には、重大な伏線がある。
マリオン・コティヤールが演ずる、「コブ(ディカプリオ)」の妻、モルである。
妻、モルは、コブと夢の世界で50年近くの年月を過ごす。
(夢の世界で50年を過ごしても、現実の世界では、その数百分の1の時間しか、
過ぎていない。
だから夢の世界で、老人になっていた2人も、現実の世界では元の若い夫婦にもどる。)
そのためモルは、夢と現実の世界の区別がつかなくなってしまう。
夢の世界のほうを、現実の世界と思いこんでしまう。
現実の世界のほうを、夢の世界と思いこんでしまう。
そのため、現実の世界へ戻ってきたあとも、モルは、そこを現実の世界とわからなく
なってしまう。
モルは、自殺を試み、本当に死んでしまう。
映画の中では、「死ねば、元の世界に戻れる」というルールになっている。
で、コブ(ディカプリオ)に、殺人の容疑がかけられてしまう。
モルは、夫であるコブにも死んでもらいため、ウソの遺書を残す。
「私は夫に殺されそうです」と。
コブ(ディカプリオ)は、そのためアメリカを出て、世界中を逃げ回る……。
そのことがトラウマとなって、コブ(ディカプリオ)の見る夢の中には、しばしば
モル(マリオン・コティヤール)が出没する。
コブ(ディカプリオ)の仕事をじゃまする。
映画の中では、「投影」という言葉が出てきた。
●「投影」
映画の中ではときどき、「投影(reflection)」という言葉が出てきた。
しかし正確には、「投射」のことではないのか?
投射というのは、防衛機制(メカニズム)の一つで、「失敗の原因が自分のほうにあるのに、
他に責任があるように強調すること」
「試験に失敗すると、『教え方や採点法が悪い』と教師を攻撃するのが例」(「臨床心理学・
松原達哉)とある。
つまりコブ(ディカプリオ)の夢の中に出てくるモル(マリオン・コティヤール)は、
コブの別の心が投射されたシャドウ(影)というわけである。
犯罪を犯すコブ。
それをよしとしないコブの良心が、コブの仕事をじゃまする。
心理学の世界でも、抑圧され、心の別室に封印された自己を、「シャドウ」(ユング)と
いう。
そのシャドウが、もろもろの場面で、コブの障害となって立ちはだかる……。
この映画を書いた脚本家は、そういう点でも、かなり心理学に詳しい人物と言ってよい。
●サイトー
映画といっても、SF映画。
あとはSF映画風に、随所にアレンジが加えられている。
たとえば夢の世界で死ねば、元の世界に戻れるとか。
そのあたりは、あまり深刻に考えないで、映画を楽しめばよい。
また夢の世界の設計者というのもいる。
多人数が共通した夢を見るため、いわゆる舞台が同じでなければならない。
その「舞台」を設計するのが、その人物である。
それを演じたのが、エレン・ペイジ。
映画の中でも、「設計士」という名前で登場する。
で、目的は何か。
つまりコブが、ターゲットの夢の、そのまた夢の、さらにそのまた夢の中にまで
入って、ターゲットの「無意識的動機」を作る目的は何か。
そこで登場するのが、渡辺謙。
「サイトー」という名前で登場する。
大企業の会長である。
彼はコブ(ディカプリオ)の犯罪のもみ消しを条件に、コブにターゲットの会社を
解体するように依頼する。
つまりターゲット(ロバート、ライバル企業の跡取り息子)の夢の中に入り込み、
無意識的動機をつくる。
「会社を解体する」という無意識的動機である。
その成功報酬として、コブは、サイトーに妻殺しをもみ消してもらう……。
●エンディングの謎
最後にみな、(第3夢の世界)→(第2夢の世界)→(第1夢の世界)という段階
を経て、順に死に、最終的には、間一髪のところで(現実の世界)に戻ってくる。
ターゲットの深層心理の中には、「会社を解体する」という深層心理がしっかりと形成
される。
作戦は成功ということになる。
映画も、ここでハッピーエンドとなる。
コブ(ディカプリオ)は、晴れてふつうの市民として、アメリカ本土に入国する。
……できる。
2人の自分の子どもに出会う。
抱き上げる……。
が、ここで新たな謎?
テーブルの上のコマは回ったまま……。
その状態で映画は終わる。
そのコマが何を意味するかは、映画を観てからのお楽しみ!
最後の最後で、映画『インセプション』は、私たち観客を再び底なしの謎の世界に、
もう一度、突き落とした。
私たちの脳みそをひっくり返した。
もちろん衝撃と、新たな話題を作るため。
なお類似した映画に、『シャッターアイランド』(同、ディカプリオ主演・前作)が
ある。
こちらは、最初から「そうではないかなあ」と思った、その通りの映画だった。
手品で言えば、トリックがすぐわかった。
が、今回の『インセプション』は、予想できなかった。
それだけにおもしろかった。
一見の価値あり。
どうせ観るなら、ここに書いたことを参考に、劇場で観るとよい。
迫力がちがう!
圧巻
私は2回観に行きましたが、やっぱり最後が夢か現実なのか、という所が最大の気になる部分でしょうか。最初観た時はあまりの面白さに身を乗り出してしまいました。夢の中でまた更に夢の中に入り、時間の経過も違う事での映像の見せ方もかなり凝っていたのも、クリストファー・ノーラン監督素晴らしいの一言につきます!DVDとか発売されたら必ず買おうと思っております。
ナイスアイデア
夢の中に入りアイデアを盗むという監督のナイスアイデアでした。夢のまた夢いう終盤のシ-ンワクワクが止まりませんでした。一番最後のシ-ンが夢なのか、それとも現実なのか分からないままの終わりかたでしたが、僕としては現実と信じたいですが、夢であれば全てが夢であるというストーリーになるのか?それにしても、夢と現実を考えさせられる作品でした。
映像はいいけどストーリーはいまいちです。
音!!
期待以上に面白かったです。
是非、コマを止めて続編を!!
渡辺謙さんが・・・最初雑魚かと思いましたが・・・とんでもなかったですね。
是非、オーシャンズ化して・・・裏ボスとして君臨していただきたい!!
日本の映像は・・・日本の空気のせいなんですかね・・・安い映像に見えるのは・・・。
最初は・・・吹き替え版に入ってしまったのかと焦りました。
予告のイメージと違いまっとうな内容にびっくりしました。
時限のルールは勝手なものなのに、ドキドキ。秀逸なアイディアです!!
使い捨てないでいただきたい!!
何より音!!
予告の音で観るのを決めましたが、本編も最高でした!!
とにかく素晴らしい作品でした!!
発想に驚き
映画館で見てよかった!
この映画、最近見たわけわかんない映画の中でダントツ面白い。
よくこんなストーリー考え付くな、という賞賛の意味での「わけわかんない」です。
それに合わせて、映像の美しさ。
映画館で見たほうがいいです。絶対。
俳優も全員いい味だしていてよい!
ケン・ワタナベは日本の宝だね…
一人だけ日本人、って大体なんか違和感感じさせるんだけど、
違和感ゼロ。
本物のハリウッド俳優だわ...
ディカプリオ良かった!
偉大なる音楽
夢から覚めたような
インセプション
映画ファン必見の超傑作。
酔いそうでした
効果を狙ってなのかもしれませんが、アクションシーンで画面が
揺れる感じになるのが苦手でした。
ストーリーの中では、夢の中に進入してアイデアを抜き取るというのが
一般的なこととして認識されているんですよね・・・超フィクション(^^;)。
夢の中では時間が3倍?とか、階層がいくつもあるとか、この映画
独自のルールを「そういうことなんだろう」と納得できれば楽しめる
映画だと思います。
各階層で物語が同時進行し、頭がこんがらかりそうになりますが、
見応えはありました。
でもよく考えたら、ただ単に渡辺謙の(役の)私利私欲を実現させる
のが目的のストーリーって・・・どうなんでしょうね。
ラストは観客の受け取り方に任せるのではなく、きちんと
明らかにしてほしかったです。
渡辺謙は1人の役者として普通に受け入れられているんだなと感じました。
二回行ってしまった
今回の「インセプション」でのクリストファー・ノーランの凄いところは、作品をつくる際に自分で脚本を手掛けたことだと思います。基本的に、自分で考えた作品(納得できる内容)でなければ製作しない人だけに、今回の話作りは本当に圧巻でした。一回見ただけだと
重要なところでの謎ときに必死で、キャラクター1人1人のセリフの意味を理解できぬまま終わってしまうのですが、二回見てみるとその意味がわかるようになっていきます。同時に納得していたはずの夢の中のシステムやルールに疑問を感じ始めてしまい、「もう一回行こうかな」と掻き立てられてしまいます。これだけ脚本にこだわっていて、それでいて作った本人だけが納得しているのでなく、見ているこちら側がこんなにも引き込まれる作品を作りだせるクリストファー・ノーラン監督には1人の映画ファンとして、「イイ映画を作ってくれてありがとう」と心の底から感謝したい気持ちでいっぱいです。
まさに十年に一度の名作だと思います。
ノーラン監督はまた一つ凄い映画を作った
「夢の中に入るストーリーで、ディカプリオと渡辺謙が共演」それだけしか知らずに見に行ったけど、一瞬たりとも目が離せなかった。
メメントのように主人公は奥さんを亡くした傷を負っており、自身の問題を解決するために奔走する。
夢の中でさらにその夢の中に侵入することや、夢の中の時間の概念がうまく作られており、まさに創造的な映画。
渡辺謙の英語もかなりパワーアップ。ラストサムライのときはぎこちなさや、無理にきれいな英語を話そうとしている感じがあったけど、今回はだいぶ自然な英語に聞こえた。
一般的に、カラーの夢を見る人と白黒の夢を見る人がいるって聞いたことあるけど、映画の中でも○○の夢は白黒ってしても面白かったかなって思う。
ラストのシーンは現実か夢か観客任せにしてるけど、私は現実だと思う。コマのスピードが落ちてるように見えたし、夢の中では絶対に振り返らない子供たちが振り返ったからね。
とにかく最後まで目が離せない、瞬きもしたくないような映画でした。
未見の人は活目せよ!
不思議
KEN WATANABE
渡辺謙がでるシーンがこんなに沢山あるとはおもっていませんでした。
ホント、最初から最後まで出突っ張りです。
エンドロールでは確か主役級6人の中の6番目だったような気がしますが
とても重要な役どころでデカと謙の二人が主役という日本の順番が正しい
感じです。いろいろと苦労されてますが本当にハリウッドスターなんですね。
これからもがんばっていただきたい。
さて、本題の映画のほうですが、
ものすごく緻密なストーリーになっていました。シナリオを造った人はさすがですね。
妻とのストーリーを絡ませるのも、ストーリーに味をつけるのには有効だったと思います。
ただ、天才的な女の子を登場させて設計させた夢の設計の方は、あまり複雑にできているとも思えなかったのが残念ですね。
後は、終盤、畳み掛けるように、無理にエンディングまで持っていっている感じで、前半の緻密さから比べるとちょっとお粗末な感じ?
CGのシーンも、予告でほとんどを見せてしまうハリウッド映画ではありがちな戦法で、新鮮さには欠けてしまいます。順番を変えたり、意味合いを勘違いさせたりということをしても、一回観たものは観たものですよね。この宣伝の仕方は改めて欲しいですね。
もうちょっと隠してね。
あらすじ説明はしっかり読んで、予告編映像を観ないで見に行くのがよろしいかと思います。
すごい…のは分かるんだけど、、、
さまざまな批評でも絶賛されているように、ホントすごい映画です。
これだけ壮大な世界観を構築するなんて、
クリストファー・ノーランの頭の中はどうなっているの???
といぶかしんでしまうほど、、、
やはりどれだけ頑張っても、
今の日本では これだけの深み・厚みのある世界を、
映像技術に頼るだけでなく、がっちりとした哲学、
つまり頭の中の設計図をもって 、実写で描ける監督はいないよなあ、、、と。
と、アタマではここまで「すごい!!!」と思いつつ、
たまたまちょうど本作を観たときに、
キャメロン・クロウがビリー・ワイルダーにインタビューした
『ワイルダーならどうする?』を読んでいたため、つい、こうも思ってしまいました。
「未来を描いたものばかりどうしてこれほど作る必要があるのだ?」
そしてもう一つ、私がこの映画について思っていた点と
関連したことをワイルダーは語っています。
「現代の深刻な問題は主演男優が少ないことだと思う」
そう!!
この作品でのレオ、
『シャッターアイランド』とまったく同じに見える!!
じゃあ、誰がいい??と考えて、
ふと思いついたのが昨年亡くなったヒース・レジャー。
ノーラン監督とは『ダークナイト』で組んでいるし、
華もあって影もあるし。
うーーーーん、この役、ヒースで観たかったかも、、、
そうすれば、学園ものラブコメ『恋のから騒ぎ』で共演した
ジョセフ・ゴードン・レヴィットとの
うるわしい再共演にもなって楽しかったのに、、、
などと、 ついつい妄想してしまいました^^;;
あ、本作での私のイチバンのツボは、
レオにアタマの中を狙われるキリアン・マーフィです☆
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