インセプションのレビュー・感想・評価
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どじだけど格好いい(・∀・)
一言で言うなら、これはノーラン監督常連キャストのオールスター勢ぞろい映画( ・∀・)アヒャ
ディカプリオを除いて、渡辺謙、トム・ハーディ、ジョセフ・ゴードン・レヴィット、マリオン・コティヤール、キリアン・マーフィー、そしてマイケル・ケインと・・・
過去そしてこれ以後のノーラン映画の主要キャストを演じる役者が勢ぞろいアヒャヘ(゚∀゚*)人(*゚∀゚)ノアヒャ
後に『スーパー!』でボルティーを演じるエレン・ペイジの役どころなんて非常に(・∀・)イイ!!
トム・ハーディの顔つきと落ち着き払った仕草はさすがとしか言いようがない( ・∀・)アヒャ
主役のコブを演じたディカプリオも、妻を死なせてしまったという罪悪感にさいなまれていつも夢の中に行っては妻の面影を追い求めるという難しい役どころを演じきっててさすが!!!(゚д゚)イーヨイイヨー
宇多丸さんはシネマハスラーでこの映画を「夢泥棒野郎Bチーム」と評してたけど、まさにその通りとしか言いようがない(=´∀`ノノ゙☆パチパチパチ
みんな気取ってシリアスに振舞っているが、実際は夢に入ってからは第一階層で車を攻撃されながらやっとの思いで運転してるし
第二階層では斉藤が撃たれて瀕死の重傷を負ってるし
さらに第三階層ではあと一息のところで簡単にかわされてるし
・・・みんな綿密な計画を立てた割にどじ過ぎですよアヒャヘ(゚∀゚*)人(*゚∀゚)ノアヒャ
そして虚無の世界リンボーで砂浜で亡き妻と会ってなんだかぶつくさぶつくさやってるし(;^ω^)
確かにAチームじゃなくBチームだわな(・∀・)
ただ銃撃戦とかカーチェイスのシーンなんて、関係者以外誰も外野キャラがいない中で孤独にやってるあたりが夢の世界であるということが際立ってていいと思う。
この映画の設定もかなり上手いな~(・∀・)ウン!!
夢から記憶を盗み出して、実経済戦争に勝利しようという持って回った方法なんてなかなか考え付かないんじゃないかと。
そして敵役と言うか、夢を盗まれるロバートにも、インセプションされた後の救いもちゃんと残してるところも好感持てますよ(@^▽^@)
そしてラスト。
コブが自分の息子と娘に会いに行くシーンで、自分がいる世界が夢か現実かを判断する道具であるトーテムの駒を回すが、それが回っていて止まるか止まらないかというところでばしっと切るのも、多少意地悪な感じもあって感慨深い終わらせ方だな~と感心します(∩´∀`)∩
これまだ続くんじゃないか?
とにかく大の大人が大真面目にシリアスに任務を遂行しながらも、どじ過ぎてぐだぐだになりながらも必死にやってるシーンは笑えながらも好感持てますΣd(゚∀゚d)イカス!
屋敷や町並みがグイ~~~ンって歪むシーンは必見だし、見てる観客も頭がくらくらしてくる(´・ω・)y-~
ただ1つ気になるのが、渡辺謙の老けメイクがちょっと漫画チックと言うかコントみたいになってるのが少し残念かなと。
とにかくフィリップ・K・ディックの世界観みたいなくらくら感と軽いドラッギー感が味わえ、さらにアクションも楽しめるし、お勧めの一本です゚*。゚(O゚・∀・)ワクワクテカテカ゚。*゚
スッキリした
最初は難しくて、全然分かんないかなぁと思ったんだけど見ていく内にすごく引き込まれた。最終的にはどちらとも、とれる終わりかただったけど僕はハッピーエンドの方にとった。
壮大な夢オチ作品
昨日の地上波初放送で3回目の観賞。
これは壮大な夢オチ作品だ。
コブは一流の産業スパイでもなんでもない、
妻に死なれて子どもに会えなかった、ただの哀れな男に過ぎない。
ラストシーンのコマに惑わされるが、
コマはモルのトーテムであって、コブのものではない。
指輪がコブのトーテムだという説もあるが、
この作品において「どこまでが現実で、どこからが夢か」という議論はあまり意味がない。
実は、「夢のスペシャリスト」という設定がコブの夢だったのである。
真相は「妻と心中して自分だけ助かった男が、罪悪感から現実逃避し夢の中でスパイごっこをしていた」、これである。
目が覚めて、己の罪を認めて、「(現実に)おかえりなさい」と迎えられ、我が子に会えた。
この後、刑務所に入れられようが病院に入れられようが、ハッピーエンドである。
まんまとミスリードされたわけで、
『シックス・センス』や『ユージュアル・サスペクツ』と同質の作品だ。
より巧妙な『シャッター アイランド』だと言ってもいい。
こちらは、騙されたことに気づかないまま映画館を出る観客が大半なのだから。
構想10年だそうだが、『シックス・センス』が公開されたのが11年前である。
クリストファー・ノーラン監督は、この作品で
「映画を作ることって、夢をみるのと似たようなもんだ」
というメディア論まで提示しているのだ。
映画で思考を酷使したくないです
設定が夢の中…しかも夢の中で更に夢に入っていくという多重構造。
映画を難しくしすぎ、または弄りすぎる。
ややこしいがゆえに映画に入り込めないし、楽しめない。
脚本や人物設定も緻密過ぎて弄りすぎたのか、それともイマイチ曖昧だったのか。
いずれにしても、わたくし的になりますが完成度はよろしくないです。
映画は、まずは観る者を引き込むことが一番大事だと思います…が結局入り込めないまま脱落してしまう人もいるのではないでしょうか。敢えて難解に仕立て奇をてらう作戦なのかなと思ったり。(言葉が悪くて申し訳ない!)
「この面白さが理解できないの?ストーリーについていく理解力がないだけじゃないの?」 と言われる方もいるかもしれません。
しかし、やはり自分の好みではないし、まだこの手の映画のルーツ的な「マトリックス 」の方が楽しめました。
映画を観ながら思考を酷使したくありません。
ちなみにダークナイトは好きですが。
マトリックスのぱくり
面白い
矛盾点の楽しみ
『3階層の夢を行ったり来たりする複雑な映画。』
私はこの映画を観る前に、そう聞いていましたが想像
していたよりも内容は難しくなく、ただ単純にスリル
ある作品として楽しめました。
とは言っても、このインセプションを観終わった感覚は
不思議なもので『時間軸移動、時間、空間』の矛盾点が
まさに夢の設定だからこそ可能な演出だと思います。
これは他の映画で感じたことない感覚です。
ストーリーの話を少しすると、序盤にディカプリオの過去が
チラホラ出てきますが、正直言うと夢の操作や侵入などの
システム説明を主とするべきで、この過去はストーリー上の
後付けか?伏線に必要なのか?と不満を感じていましたが
そんなことはなかったです。終盤に必要な核でしたね。
また、インセプションを観た数日後に私自身も睡眠時に
夢を見たのですが、この時にもあらためて作品の凄さを
感じました。
というのも、現実時間と夢時間の体感する感覚が映画と
似ているんですよ!
その点、根拠ある作品かなと…
最後になりますが、劇中のカギを握る『コマの原理』を
最低限理解していれば楽しめるのではないでしょうか?
夢の表現は素晴らしいです。一見の価値あり!
むつかしい!でも、おもろい!
夢の中の夢・・・の中の夢。
夢の中では、自分の深層心理が作用し世界を作る。
それに進入するとは・・・よく考えたものですね。
でも、恐ろしい!
ところで、最後のシーン、駒はどうなったのでしょうね?
アイディアがおもしろい
ストーリーに深みはないが、アイディアは非常におもしろい。夢の中の夢の中のそのまた夢・・・一見複雑だがどのシーンがどの層の夢かは区別しやすい表現になってはいるので、観ていてそう混乱はしない。印象的だったのは、主人公夫婦が何十年も夢の中で過ごした街の風景。大都会ではあるが、コンクリートとアスファルトだけの無機質な世界・・・砂浜に密集して建っているビル群が荒廃し、崩壊していく風景は、強く印象に残った。こんな世界にとどまることを願った主人公の妻の精神世界の荒涼さにゾッとした。さて、最後にようやく子供たちと再会した主人公が回したコマが少し揺らいで倒れるのかな?と思わせるところで映像は切れるが、どうだったのか・・・倒れれば現実、回り続ければ夢の中だが、もはや現実にいることと、夢の中にいることのどちらが幸福かわからないから、いずれでもよいのかも。映像はたいへん凝っている。渡辺謙、ディカプリオいずれも好演だ。
映像のワンダーランド
CMでさんざん流れていた街がめくれあがる映像、一体どんな映画なのか楽しみに拝見…
初めて「マトリックス」を観た時と同じように、ただただその映像のおもしろさに興奮でした。ストーリーは他人の夢の中に入り込み、そこにある意識を植え付けるため、ディカプリオ扮する主人公とその仲間が奮闘する…というこれまた「マトリックス」と少し似たような設定。ストーリーはあまり深く突っ込まず、映像のおもしろさに酔いしれればすごく楽しい映画だと思う。
街がめくれあがる、街が粉々になる、回転し、無重力になる世界…イメージするのは簡単だけど、実際にそれがリアルに映像になっているのだからすごい。映像の強さ、おもしろさを存分に楽しめた。
そしてラストは少しゾクッとする終わり方。全編を通して流れる音楽も素晴らしく、ドキドキ、ゾクゾクするその音楽とともにエンドロールをぼーぜんと眺めてしまいました。
渡辺謙ですよ。
結構前に観た映画だから記憶が曖昧だが、
面白い映画だったと思う。
マトリックスのように仮想世界での話しで、
ストーリ、映像に引き込まれていく。
渡辺謙もハリウッドスターですよ。
結末が自分の好きなように解釈できるような終わり方だった。
この映画もアニメ「パプリカ」のパクリ疑惑があるので、
パプリカを見てみたい。
すごい!!!
これは最近見た映画の中で一番面白かったです!!
難しいと聞いていたので一字一句見逃さないように見てました。笑
(もちろん字幕です)
夢と現実・・・
この設定自体が面白く、考えさせられる部分がありました。
人の夢の中に入り込むなんて!しかも夢の中の夢・・・
私自身DVD見終わった時夢から目覚めた気分になりました。笑
それくらい入り込んでましたね。
よくこんな凝った話を2時間で完結させたなと思います。
しかもあの展開からハッピーエンドに終わるとは思えなくて終わったときはほっとした気分です。
これから現実的にこんなことができちゃうんじゃないかと一瞬思ってしまいました~笑
いや~本当面白かったです!
ぜひもう一回見たいですね☆
渡辺謙は世界のアクターとなり・・・
ノーランの凄さ
わたくしなんぞがこの素晴らしい映画のレビューを書くなんざ300年ほど早いのですが劇場で2時間半の映画を6回(ヒマ+オタク+キ○ガイなんですよ^^)も観たのでどうか記念に書かせてください。
ネタバレしますからこれからご鑑賞予定の方はスルーしてくださいねー。
それからアホな小学生の夏休み読書感想文ばりに無駄に長いのでお忙しい方もスルー推奨でございます。
夢オチを使った映画は掃いて捨てるほどあれど、夢に階層を持たせてこんな傑作が撮れることに非常に感銘を受けた。
まずハナからわたしはクリストファー・ノーランという監督が大好きなのである。
監督・脚本・製作・撮影・編集の5役をこなしたデビュー作の『フォロウィング』で打ちのめされ、弟のジョナサン・ノーラン原案の次作『メメント』で完全に虜になった。
その後は『バットマン ビギンズ』『プレステージ』『ダークナイト』とスケール、製作費がどんどん増大してゆく事に多少の違和感を覚えながらもやはりノーランの虜であることには変わりなかった。
わたしが製作費を気にするのは『メメント』があまりにも素晴らしかったからであり、低予算でここまで出来るのだという映画に対する希望を見出させてくれたせいである。
故にノーランにはインディペンデントで活躍して欲しいと思った。
この辺りはタランティーノも同じである。
(よくあるでしょ?自分の好きなバンドがいきなり大ブレイクすると醒めてしまうような事。わたしだけでしょうか?)
しかしどのジャンルにおいても類い稀な才能を周囲が放っておく筈はなく、ノーランに大きな仕事がどんどん舞い込んだのは仕方のない事だとも言える。
そして『インセプション』。あんな、ハリウッドの申し子みたいなレオナルド・ディカプリオなんか使いやがって、おまけに日本での興行収入を狙っているのか知らんがまたケンワタナベまで使いやがって、渋谷で街頭ジャックだか何だか知らないが誇大宣伝しやがって、ニュース番組にディカプリオ&ケンワタナベとか出しやがって、もういい加減にしろや!と思っていた。
しかもCMでは街がめくれていくシーンを何度も見せられ「はいはい。お金かかってるんですねー」と、実はちょっと楽しみにしている反面、非常にシニカルに受け止めていた。
しかし実際に作品を観て打ちのめされた。頭をシャベルでガーンと叩かれたような気分になった。
物語は人の頭の中に侵入し、アイデアを盗む事ができるという能力を持つ産業スパイ集団のリーダー、コブ(レオナルド・ディカプリオ)がターゲットであるどこぞの大実業家で権力者のサイトー(渡辺謙)に盗もうとしている事に気付かれ、逆にサイトーからライバル企業の跡取り息子であるロバートの脳内に自社を潰すという植え込み=インセプションを行う事を依頼される事から始まる。
コブの仕事は盗み出す=エクストラクト側の産業スパイであり、インセプションという限りなく難しいそのミッションを一度は断るが、サイトーはインセプションが成功した際の報酬としてコブをアメリカに帰国させ子ども達に会わせてやると言う。
コブは妻殺しの容疑で指名手配され自国から逃げる生活をしており二人の子ども達に会えない状態だった。
子ども達にどうしても会いたいコブは成功したら絶対に帰すというサイトーの約束にインセプションを行う決意をする。
難しいミッションである為、相棒のアーサー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の他に有能な夢の設計士としてアリアドネ(エレン・ペイジ←テラカワユス)、姿を変えてターゲットを騙すイームズ、夢をもたらす為に薬を作る調合士のユフス、そして成功を見届ける為にサイトーも加わり六人のチームを作る。
リアルの世界は飛行機の中。ユフスが調合した薬でロバートを眠らせ六人でアリアドネが設計したロバートの夢に侵入する。
夢の第一階層はロサンゼルス。しかしロバートが夢の中での盗みを防ぐ訓練を受けていた事が発覚し、とんだ銃撃戦となる。
しかもアリアドネが設計していない列車が突如街中を走り抜ける。サイトー心臓付近を撃たれる。インセプション失敗。
夢の中では死ぬかキック(衝撃を与えられる)を受ける事により夢から醒めリアルの世界に戻る事が出来る。
しかし今回だけはユフスが調合した薬が強いせいでそのどちらでもリアルに戻る事は出来ない。もし夢の中で死ねば虚無の世界に堕ちてゆくだけなのである。
そして夢の第二階層であるどこかの国のホテル。ロバートが夢の訓練を受けている事を知った彼らは敢えてこれが夢である事をロバートにバラしインセプションを試みる。
そして第三階層の雪山へ。ここでもロバートの護衛軍(?)に遭い大銃撃戦となる。インセプション失敗かと思われるがアリアドネの設計によりチームはより深い階層(第四階層)へと潜ってゆく。
アリアドネの設計による最後のシーン、病院にてロバートと寝たきりで死を迎える瞬間の父親を会わせ最後の会話をさせる。
リアルの世界に戻ったロバートは「父の真似はしない。我が道を行く」と言いインセプションは成功したと思われる。
これが夢の階層の本筋。夢は深く潜れば潜るほど時間が延び、第一階層で車が橋から落ちる時間を10秒とすれば第二階層は2分、第三階層は20分という具合に(あ、これテキトーです。実際の時間差は忘れました)。
夢はすべて繋がっている為、第一階層で車が橋から転落すれば第二階層のホテルでは無重力状態となり、雪山では雪崩が起きる。
わたしが特に好きなシーンは無重力ホテルの乱闘シーンと浮かんでいるメンバー達をリアルの世界に残留したアーサーがまとめて紐でくくりエレベータに乗せるシーン、エッシャーのだまし絵のような階段のパラドックスなどである。
それからもう一つ、重要なのがコブのトラウマ。
本来ならばコブが夢の設計も出来た筈であるがアリアドネを設計士に起用した理由がここにある。
彼はかつて、妻・モルと夢の中で暮らしていた。自分達の設計する夢の世界に魅せられどんどん深層へと潜っていった。夢の期間で言えば50年もの間を彼らは夢で過ごした。
そしてモルは現実の世界に戻るのを嫌がり、コブは仕方なく妻に現実の世界を夢だと思わせるインセプションを行っていたのである。
モルは現実の世界を閉じ込め常に自分の居る場所が夢だと思い込み、現実に戻るために死ななくてはならないと思い続けた。
結果、夫婦の記念日にモルはコブの目の前で投身自殺を図る。コブにも一緒に来て欲しかったモルは「夫に命を狙われている」という遺書を弁護士に残し、その為にコブは愛する子ども達と離れなければならない運命になってしまった。
それ以降、コブの夢には必ずモルが出てきて邪魔をしたり子ども達が出てくるようになってしまった為、アリアドネに設計を任せたのであった。
アリアドネが設計していない筈なのに突如出てきた列車はコブとモルが夢から醒める為に線路に寝そべり自殺した列車であり、夢の共有装置には各個人の夢(潜在意識)が現れてしまう為に列車が暴走したのであった。
この作品全編に漂うのがコブとモルの純愛である。これ以上ないほどまでに二人は愛し合い、二人だけの世界を構築してゆく。
しかしノーランはここに安易なキスシーンやラブシーンを取り入れない。コブがアリアドネに秘密を明かす時の表情や夢の深層で老いた二人が手を繋ぐシーン、また、目前でモルが投身自殺しようとした際のコブの演技などで悲しいまでの純愛を描く。
ここがわたしがノーラン監督を好きな要因でもある。
巷には無駄なキスシーンやラブシーンが氾濫し過ぎていると思う。しかしそんな直接的な描写よりも老夫婦のしわしわの手が繋がれるシーンの方が余程純愛を感じさせる。
♪エロもいい グロもいいが 直接的にばかり描いていると 想像力なくなるよ~(♪嘘もいい 苦悩もいいが 言い訳してると~のメロでお願いします)。
また、このインセプションの報酬が金ではなく愛する子ども達との再会という設定も非常に良い。
ここで本領発揮するのがディカプリオ。『ギルバート・グレイプ』で彼を知りその演技力には舌を巻いたものだがその後『タイタニック』とかいうものっそい製作費の大作に出て以来、ハリウッドのただのイケメン俳優に成り下がりおって、とか、何がレオ様だよ、とかわたしは彼を毛嫌いしていた。今でも『タイタニック』は観ていない。もしわたしが食わず嫌い王に出るとしたら絶対『タイタニック』だね!(激しくどーでもいい)
しかしスコセッシ監督の撮った『ディパーテッド』を観て以来(スコセッシ作品だから仕方なく観たのであるが)ちょっとこの人の演技って凄いかも?と思っていた。
今作品ではその演技力に更に磨きがかかっており、妻を目前で亡くす演技は見ものであるし、プライベートでは独身で子どもも持たない彼が二人の子どもを愛する父親役を見事に演じきっている。
人間の持つギリギリの感覚、緊張感、集中力といったものを演じさせたら現時点では右に出る者はいないのではないかという程のキレキレの演技だった。
前宣伝で「ケンは日本の宝だよ」などと言っていたがディカプリオこそ世界の演劇界の宝であると思う。
物語の最後でコブとアリアドネは虚無の世界(第五階層)にいるモルと対峙することとなり、その間にキックが起き、二人は戻らなければならなくなるがコブはアリアドネだけを戻して自らはモルと最後の別れをし、落ちてくるサイトーを一緒に現実に引き戻す為に待つ。
冒頭とエンドの方で老いたサイトーと若いままの姿のコブが対峙するシーンがあり、ここでなるほどと思う。
この第五階層はビーチ沿いに高層ビルが建ち並んでいるのだがそれらのビル群が次々と崩壊していく様はまるで911を思わせる。
そして全員が現実の世界に戻り飛行機の中で目覚める。サイトーはコブが入国できるよう電話をし、コブは無事入国ゲートを通り抜けて愛する子ども達と再会する。
というハッピーエンドかと思いきや、ここにまたノーランの策が仕掛けられている。
劇中、リアルの世界と夢の世界を区別する為にトーテムという小道具が登場する。モルとコブはコマをトーテムとし、コマが回っている世界は夢、止まっている世界は現実と区別する。
リアルの世界を封印したかったモルは止まっているコマを封印し夢から醒めて現実に戻ろうとするコブは回ったコマを封印する。
そして最後の子ども達を抱き上げるシーンではなんと、コマが回っているのである。しかも今にも止まりそう、でも止まらない。
その映像を最後に映画はブラックアウトする。
結局、最後がハッピーエンド(子ども達と再会し幸せに暮らす)なのかバッドエンド(虚無に堕ち魂だけが彷徨い続ける)なのかをノーランは観る者に完全に委ねているのである。
観る者に一瞬の隙も与えない。ほんの10秒ポカンとしていたらちょっと解らなくなってしまう作品。とにかく凄い。
3回ほど観た頃に気付いたのだがコブは夢の世界ではマリッジリングをしておりリアルの世界ではしていない。
わたしはそこでどちらなのか見分けようと飛行機で目覚めてからエンドまでのコブの左手薬指にずーーーっと注目していたがやはりノーランはそこは見せてはくれない。
つくづく憎たらしい監督である。
この作品は過去の様々な名作へのオマージュを感じる場面が多々ある。キューブリックの『2001年宇宙の旅』であったりクローネンバーグの『裸のランチ』であったりウォシャオスキー兄弟の『マトリックス』であったり、とにかく他にも色々な映画のテイストを感じるが実はそのどれでもない。
ノーランは911以降の映画界の宝である。
ぞわっとくるラストシーン
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