オカルトのレビュー・感想・評価
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アイデア勝負
主演の宇野祥平による怪演が光る。とにかく観ていて、圧倒的な気味の悪さでした。
題名からホラー映画を想像するが、実際はフェイクドキュメンタリーです。
上映前には監督自身の挨拶が在り、「製作した2008年を反映させた…」との言葉通りに、秋葉原事件をモチーフにした始まりから、徐々に派遣問題を取り入れ、遂には“あの”スピルバーグ゛に対する挑戦状を叩き付ける(笑)
まぁ、そこまで大袈裟でも無いんですけどね(笑)
でもカレーと言えばインド。インドと言えばインディー。インディーと言えば…もう笑うしか無いでしよ。
何しろ、ホラー的な雰囲気を出しながら映画は進んで行くものの、“ホラーと笑いは表裏一体”を絵に描いた様に、ところどころでクスクス笑ってしまう。
これって作り手の手のひらの中で転がされているって事で…ちょっと悔しい(笑)
その笑いの要素が頂点に達するのが、映画監督黒沢清が登場してあれこれと蘊蓄を語り始める場面。
本当に仕事選べよ!
楽しかったから許すけれど(笑)
そして後半は一気に笑い無しに突き進む。
実際に起こり得る話でも在るし、現実に観ていて映画館が“その場所”と近いだけに気味が悪い。
そんな可能性を身に感じつつも、肝心の“あっちの世界”の映像がかなり貧弱なのが残念至極。
無理にオカルト映像を加え無くても良かったのでは?
それまでが、低予算を逆手に取ってのアイデア勝負だっただけに、最後の最後で「どうしても取り入れなければいけない…」と思ったのかどうかは、当事者では無いので解らないが、逆に低予算による“映像の説得力”の弱さに結び付いてしまっています。
それでも全体的には面白かったし、楽しませて貰えてかなり満足感は在りました。
(2009年4月1日ユーロスペース/シアター1)
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