「コメディタッチなゾンビムービー」ゾンビランド bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
コメディタッチなゾンビムービー
ゾンビと言うと、『バイオハザード』や『ウォーキング・デッド』等、襲い来る人喰いゾンビの群れから、命からがら生き残った人間が逃げまどうホラー作品をイメージする。時に闇から唐突に現れ、ドキッとさせたり、ゾンビの群れに引き込まれ内臓を貪り食われたりする恐怖が描かれていく。
本作も当然、ゾンビ映画であるから、そうした残酷な恐怖シーンも含まれているが、その描き方はホラーというより、むしろコメディー。バッタバッタとゾンビ軍団を薙ぎ倒していく中で、思わず笑ってしまうようなゾンビだったり、テンポのある戦闘アクションも爽快感があったりと、笑顔で鑑賞できるゾンビ映画だ。
そんな作品に仕上げているのは、個性ある4人の主要な登場人物設定だろう。生き延びるための32のルールを実践して生き延びてきた、痩せ男のコロンバスとテンガロンハットを被り、カーボーイ気取リでゾンビを退治していくタラハシーのコンビを中心に、若くて美しい姉妹の詐欺師であるウィチタとリトルロックも加わり、何とも凸凹した4人組。コロンバスの淡々とした語りで進行していくのも、何とも間の抜けた感じがする。
そんな4人がゾンビの居ない遊園地を目指すという内容は、突っ込みどころ満載のB級作品なのだが、単にB級と片づけられないのが、出演者の豪華さなのだろう。コロンバスを演じたジェシー・アイゼンバーグとタラハシー役のウッディ・ハレルソンは、『グランド・イリュージョン』での相棒コンビ。詐欺師の姉・ウィチタには『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが演じ、そして、そして大御所ビル・マレーまでもが、笑いを取りながら本人役で登場。
『ウォーキング・デッド』ファンの自分的には、あのドロドロした人間関係やシリアスさが無い分、物足りなさを感じた。また、ゾンビがあんなに俊敏に走ったり、動いたりするのは、如何なものかとも思う。しかし、偶にはコメディータッチのゾンビ映画も面白く、楽しめた。続編も好評な様なので、また、観てみたい。