男と女の不都合な真実 : 映画評論・批評
2009年9月15日更新
2009年9月18日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー
少々過激な大人向けのB級ラブコメ
男と女が相手に求めるものは違う。いつの時代も変わらないラブコメの王道テーマでは、ヒロインは白馬の王子様を待ちつづけるお嬢ちゃんなのがお約束。TV業界を舞台にした本作も同様だが、ここには他と一線を画す魅力が。それは少々過激な大人向けだってこと。
理想の男性の出現を夢見る色気不足の美人プロデューサーが、男の本音全開の恋愛カウンセラーに反発しながらも惹かれていくという常道を楽しませるのは、ジェラルド・バトラー扮するセクシー&ワイルドなカウンセラーのお下品トークと、堅物女にほどこすモテ女への改造講座なのだ。レクチャー自体は目新しいわけではないが、胸を強調する服の選び方ひとつにしても「おっぱいが挨拶する」という表現が言いえて妙。
さらに、ここで爆笑しては人格が疑われるのではと心配になる大人のオモチャ・デートまで飛び出す始末。その笑撃シーンにはハイグルの今後のキャリアが心配になるほどだが、そんな下ネタワールドをお下劣になりすぎないギリギリで楽しませてくれるのも、もちろん主演コンビの高級感のおかげなわけで。スター共演のラブコメではなく、スター共演のB級コメディとして向き合えば、ものすごい掘り出し物感を味わえるはず!
(杉谷伸子)