チェイサー(2008)のレビュー・感想・評価
全48件中、21~40件目を表示
たばこ屋
「元刑事で風俗店経営」ジュンホは、
最初は柄の悪い、“警察クビになって正解”な人物で、
ヨンミン捕まえたのに逆に疑われちゃったりするのだが、
失踪したミジンの子どもと会ってからの心境の変化に、
あれあれ?随分な変わりようで?とも思うのだが、
ハゲドーせずには居られなくなる。
それくらい話の転がり方が見る者を急かす。
ヨンミンに対し「あれ?いきなり殺しちゃうの?」と疑問視したが、
こいつが犯人なのに何で誰も現場押さえられないんだ!と、
終始こちらのイライラが募っていく。この展開は上手い。
釈放されてからのドキドキも堪らない。
あのたばこ屋に入るところ、ゾクゾク。
基本的に警察が愚鈍過ぎて、ていうかそういう風に映していて、
だからジュンホが活躍?するのだが、
彼は異常に強すぎないか?
それでもラストまでの救い用の無さ、あー胸糞悪い。
ジュンホの、風俗店の元締めという感じの悪さを、
全く忘れさせてくれる絶望感。
ヨンミンは最後、正装して何しようとしたのか。
神父も殺そうとしたのかな。
ミジン母子が可愛かった。そこだけが救い。
映画としては最高の出来!
悪くはないが・・・
注意点:警察は無能。
メンズデーで本命ではなかったが、もう一本見ようかと思って見た作品。...
初長編作品がこれとは
とてもスリリング!
チェイサー
風俗店を経営する元刑事と連続猟奇殺人犯との緊迫の攻防を、
巧妙な脚本とパワフルかつスピーディな演出でスリリングに描き出す。
デリヘル嬢の管理が雑で日本ならまず起こりそうもない事件なんで、
違和感はありましたが、
韓国ではこれが当たり前なんでしょうね。
実際に起きた殺人事件を基にしている。
2004年の、
デリヘル嬢や金持ちの老人など20人あまりを殺害して韓国社会を震撼させた柳永哲(ユ・ヨンチョル)の事件がモデルになってる。
殺人犯は凶器のノミと金槌で一発できれいにきまらず、
何度もくりかえされる不器用な殺害は異様に生々しい。
助かった様に思えたあのミジンの悲しすぎる結末。
ハリウッドでリメイクの話があるらしいけど、
ハッピー・エンドに改悪されて台無しにされそう。
キムユンソク
畜生!面白い。
ナ・ホンジン監督イイね!
どこまでが
他の映画とは違う味
お粗末刑事
実は同類の人間同士の闘い
追う者と追われる者とが激しく戦うシーンが見どころだが、実は、とても興味深いのは、両者とも最初は同じ考えの持ち主、という点だ。その考えとは、女性をモノとでしか扱っていないこと、である。
主人公の元刑事でデリヘルの支配人ジュンホは、商売のためなら風邪をひいている女であっても客のもとへと行かせる。一方の連続殺人犯ヨンミンは、デリヘルからやってくる女など生きている価値もない、と言いだけなくらいで、どちらも女性には冷酷だ。
ところが行方不明の女性の子供と接しているうちに、元刑事のジュンホの心が次第に変化し、女性への愛情が沸き立つ。だからこそ、最後の命を賭けた、犯人ヨンミンとジュンホの戦いは、観ている者さえも息を呑むくらいの迫力を感じる。そのシーンには、女をモノとしか見てきていなかった悔恨の情が漂っていることが、陰惨な内容のこの作品の中にある「美しさ」だ。そこが、この作品の一番の魅力ではないかと思う。
それにしても、長編第一作となったナ・ホンジン監督の演出力は見事という他はない。
物語は、殺人の証拠がない犯人の拘置時間12時間内を目安とした、ほぼ半日のみの短い時間の中で構成されている。刑事たちと犯人ヨンミン、そして行方不明の女性を追うジュンホが、たくみに絡み合う、よく出来たシナリオに、迫力あるアクション演出はとても一作目とは思えない、手馴れたものを感じた。特に、アクションシーンは昨今、カメラを振りすぎて観客に見づらい映像が多くなっている中、しっかりとカメラを固定させて激しく争う者たちをしっかり画面にとらえていたことには、とても好感がもてた。
元刑事のジュンホが、警察をやめることになった理由や、政治力と警察との関係をもう少し掘り下げてほしかったことと、釈放された犯人がカギもないのにしっかりと家に戻っている点など、納得できない演出も多々あるのだが、今後ともナ・ホンジン監督の作品は注目に値することは、この作品一本で充分に証明している。
全48件中、21~40件目を表示