パリ20区、僕たちのクラス

劇場公開日:

パリ20区、僕たちのクラス

解説

生い立ちも出身国もさまざまな24人の生徒と1人の国語教師の交流を通じ、フランスの教育現場を赤裸々に描いた作品。演技経験のない24人の子供たちのリアルな芝居が注目を集め、第61回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。監督は「ヒューマンリソース」のローラン・カンテ。原作「教室へ」の著者フランソワ・ベゴドーが教師役を演じる。移民や問題児の多い中学校を舞台に、傷つき反発し合いながらも、信頼を深めていく生徒たちの姿をドキュメンタリータッチで描く。

2008年製作/128分/G/フランス
原題または英題:Entre les Murs
配給:東京テアトル
劇場公開日:2010年6月12日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第81回 アカデミー賞(2009年)

ノミネート

外国語映画賞  

第61回 カンヌ国際映画祭(2008年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ローラン・カンテ

出品

コンペティション部門
出品作品 ローラン・カンテ
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(C)Entre les Murs by Laurant Cantet. 2008. Production Haut et Court – France 2 Cinema.(C)Georgi Lazarevski

映画レビュー

3.5最後まで見てしまった

2024年9月14日
iPhoneアプリから投稿
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cris

3.0パリの一つの教室での日常が、世界の構図までを…

2024年6月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

岩波ホールの高野悦子さんの回想図書を
読んで知ったこの作品のDVDが、
たまたま近くの図書館にあったので
初鑑賞した。

2010年キネマ旬報ベストテンでは
第32位に沈んだものの、
カンヌ国際映画祭では、審査員全員一致で
フランス映画として21年ぶりに
パルムドールを獲得した作品とのこと。

前半は同様に語られる、
現代の日本の学校教育現場問題と
同じ崩壊性を見るようで新鮮さも感じず、
正直なところ睡魔に襲われたが、
後半は臨場感溢れるこの教育現場の世界に
次第に引き込まれるように鑑賞した。

主人公が、教師としての理想型かのような
人物像から一転して
生徒側と罵り合う場面は、
この作品の原作者でもある彼一人に
教育現場問題を全て背負わせる構成にした
のだろうが、少し戸惑う展開に。

一方、この一つの教室での日常が、
パリやフランスの教育現場をも超えて、
世界の国家・民族・宗教などの構図までを
写し取っていたようにも。

しかし、全体構成として、
退学になった生徒のエピソードと
その後のエンディングまでの展開が
上手く繋がって見えない印象は
少し残念に思えた。

そして、最後に驚かされたのは、
この映画の監督のローラン・カンテが、
今年の4月に63歳で亡くなったばかり
とのネット情報だった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0臨場感すごい。

2024年3月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

他の映画とは違う魅力を持った120分。
先生の戸惑いと笑顔、生徒たちの、真剣な瑞々しい(そしてやはり可愛い)眼差しが目に焼き付く。
というか、観る方も教師になって生徒になって、一緒にその教室にいる気になってしまう。臨場感ものすごい。素人のこどもが参加した、って…。ナチュラル感たっぷりでとてもよかった。
この生徒たちの言う意見は聞いていてなかなかおもしろい。(意見言うだけマシという感じもする)
最後の学年末のシーンは、言いたいことはわかるが、綺麗にまとめすぎてる感はあった。

生徒はそれぞれに自分でコントロールしがたい複雑な気持ちを抱えてトラブルを起こす。でも今後変わる可能性は秘めている。一方、教師はちゃんと勉強を教え、学校全体を維持していかなくちゃいけない。事あるごとに、どう対処するのか、判断する基準が難しそうだ。

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あま・おと

4.0こんな学校はたいへんだ

2021年11月4日
PCから投稿

母校は学校教師を多く輩出している。
それゆえ同級会などで教職の多難を聞く機会があり、かれらのご苦労を知っている。

教員の不祥事のニュースを見ると怒りがこみあげてくる。が、同窓が苦労しているのを知っているので、相殺して、ばかな教員が教職の風評をいちじるしく下げていること──それを被る真面目な教員を気の毒に思う。

昭和時代に学生だった多くの人がそうだ(と思う)が、わたしも学校教師にいい思い出がない。
わかいころは、すべての教師に憎しみをいだいていた。
が、大人になって、教師になった同窓に話を聞いて、その苦労がわかった。わけである。獣をテイムする作業──ととらえていい。
ゆたぼんやグレタみたいなのが束になっている──と考えると、わかりやすい。

誰でもすべてにおいて正確でいることはできない。
珍獣あいてならばなおさらであろう。

(カンヌの)パルムドールとアカデミー外国語映画賞──非英語圏最高の2冠を獲得したフランス映画。

先生が、とても深く介入する教育現場。
おそらく移民の多い特殊な地域・環境であってフランスの学校教育はすべてこうです。──ではないと思われるが、まるで肉弾戦のごとく、先生が生徒に生身の感情をぶつけていく授業は刺激的だった。

さらに驚愕するのは学校の教員会議に、生徒代表がオブザーバー出席すること。
教師が生徒を名指ししながら格付けする会議を生徒が聴取している──って、どれだけ公平な世界なんだろうか。じっさい、マラン先生は、そこでの発言を密告されて窮地に立たされ、さらにその悶着がヒートアップして生徒を売女呼ばわりして、さらに問題化する。──すごい教育現場だった。

映画はリアルでエネルギッシュ。カメラや演出はアブデラティフケシシュのよう。まるでドキュメンタリー。すごく引き込まれた。

日本の教育現場とはくらべようもないが二部や夜間──山田洋次の学校には近いかもしれない。これだけ親身になってぶつかってきてくれる先生だったら、生徒は育つにちがいない──と思わせるが、フランスの学校教育が良いのなら、フランス人はなんであんな嫌なやつばっかしなの──とは思う。(狭いフランス人観ではあるが・・・。)

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津次郎

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