劇場公開日 2009年12月26日

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釣りバカ日誌20 ファイナル : インタビュー

2009年12月25日更新

国民的人気シリーズの完結編「釣りバカ日誌20 ファイナル」が、いよいよ12月26日に公開される。産声をあげた1988年から、希代の名優・三國連太郎というパートナーを得て“ハマちゃん&スーさん”として日本中に笑顔を届けてきた、主演の西田敏行に話を聞いた。(取材・文:編集部)

西田敏行 インタビュー
ハマちゃんが振り返る、長くて短い22年の「釣りバカ」回想記

もう「釣りバカ」の撮影はないんだなあ
もう「釣りバカ」の撮影はないんだなあ
「釣りバカ」コンビは永遠に不滅
「釣りバカ」コンビは永遠に不滅

■「ありがとう」と言える状況で終わりたかった

消費税法案が成立した1988年12月24日に世に送り出された、記念すべきシリーズ1作目「釣りバカ日誌」。税率は97年に3%から5%に引き上げられ現在に至るが、「釣りバカ」コンビはどんなときも変わることがなかった。41歳だった西田は62歳になり、日本映画界を牽引してきた三國に対する敬意は深まるばかりだ。

「あの三國さんが毎年そばにいて、娯楽性の高いシリーズもので22年間もご一緒できたということは信じがたく、よくお付き合いいただけたという思い」と振り返る。それだけに、三國なしでの「釣りバカ」は考えられなかった。「釣りバカ日誌18/ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」の撮影中に、「お互いが元気なうちに、お客さまにしっかりと『ありがとうございます』とお礼を言える状況で終わりたい」という話題になったという。「三國さんからも『来年“19”も頑張って、“20”でピリオドを打つか』という思いをお聞きしていましたし、僕もそう思っていた。だから、この2年間は終わりに向かって進んでいくなかで、これまでとは違った充実感を覚えながら過ごせましたね」。

22年間をじっくりと振り返ってくれた
22年間をじっくりと振り返ってくれた

■“祈り”を込めたキャッチ&リリース

集大成となる完結編の公開に向けて、大感謝パーティへの出席、これまでの歴史を振り返る「シリーズ特集上映」初日に舞台挨拶への登壇など、精力的なプロモーション活動を展開。現在の状況を、「マラソンを走り終えた後って、こういう心境になるのかなっていう妙な達成感、爽やかな汗を流したなっていう穏やかな気持ち。そして……あのスタッフ、キャストとは『釣りバカ』という場所、空間、作品のなかで会うことはないとはっきり分かっているので、寂寞(せきばく)の思いはありますね」と語った。

同シリーズは、ストーリーに世相を盛り込み常に何がしかの問題提起を促してきたが、今作ではハマちゃんにも顕著な変化が起こる。これまで、釣った魚は“きれいに食べましょう”という意識でいたが、初の北海道ロケでキャッチ&リリースという意識に開眼。劇中後半で、共演した塚本高史と絶滅の危機に瀕している幻の魚イトウを川に戻すシーンが象徴的だ。「『釣りバカ』をやってきて思うのは、日本という国は本当に美しい自然に恵まれているということ。人間も自然の中に包まれて生きるささやかな生き物だということを思い知るべき」と強調する。だからこそ、「僕たちが生きていくために、この自然は必要不可欠なものなんだということを知るために、ハマちゃんはこれまでのポリシーを曲げたんです。川に魚がいっぱいいるって豊かな自然であることの証だし、北海道は北海道としての大自然が機能する場所であってほしい……と思って撮ったので、“祈り”にも似たシーンでしたね」と真摯に説明した。

インタビュー2 ~ハマちゃんが振り返る、長くて短い22年の「釣りバカ」回想記(2/2)

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