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ダルデンヌ兄弟の『息子のまなざし』に触発されてこの作品を作ったらしい。
なる程、ほぼ全編に渡ってカメラ一台によるワンシーンワンカットが多い。更にそれらの場面は『息子のまなざし』同様に、対象となる人物の背中越しのショットが大半を占めている。
しかしあれですね…『息子…』が誤って殺人を犯してしまい、“素直になれない”少年だったのに対して、この作品では“何もやりたく無い”少年ですから…日本国内では社会現象ではあっても、世界的に観た場合のその問題意識は極めて低いと言わざるを得ないかな?
とにかく何もやりたく無い。動きたく無い。その引き籠もり方が半端では無い程にリアルで、変な具合に感心してしまった(笑)
何だかんだと幾日か仕事には行ったが投げ出してしまい、「お前のせいなんだよ!」と母親を蹴り飛ばした後に、チラッと母親を見る辺りは一応反省した様で、ほんの少しは成長している様だ(苦笑)
ところがここから急転直下の展開。
「そう来るかい!」
こうなるとそりゃ益々引き籠もるよなぁ〜。
まるで世話を焼く男が段々と『ヒッチャー』みたいに思えて来たわ…。
『息子…』を意識した作りとなるとおそらく最後はこうなるだろう?と思っていたら、やはりその様な最後に…。
個人的にはドキュメンタリーみたいな作風は割と好みなので面白く観ましたが、内容が内容だけに多くの人を納得させるのは難しそうな気はします。
どこか小林政広監督の作品に雰囲気が似ているかもしれないですね。
監督・製作・脚本・編集・主演すべて竹馬靖具
君は笑わせない“逆チャップリン”かい(笑)
(2009年2月18日 UP LINK X)