「2つの隠蔽」母なる証明 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
2つの隠蔽
息子のためなら、どんな事もする母親像を描いたのか?
母は、女子高生殺人の犯人として逮捕された《知的障がいのある息子》
の無実を信じる、
たとえ信じていなくとも、息子が犯人とわかってしまっても、
母は息子を守る。
そのためには、目撃者の老人を家もろとも焼き尽くしてしまう
のもいとわない。
そして誤認逮捕されるもう1人の知的障がいのある青年。
息子の身代わりになった青年を拘置所に訪ねる。
そうして、質問する。
「お母さんは、いるの?」
青年は肯定しない。
母は安心する。
この青年のために、自分のように奔走する母親は、
いないのだ。
ファーストシーン。
乾いた色に染まる枯れ野の広がる丘を、母は歩いている。
片手で顔を隠して。
目を隠して照れたように笑うと、後悔したような表情に変わり、
口を覆いながら踊り続ける。
ラストにも意外な展開がある。
放火した廃屋から息子があるものを拾ってくる。
それは母の鍼灸道具の入ったケース。
息子は知ったのだ。
それでも母は後悔しない。
町内会のバス旅行のバスのシートで、太ももを露わにして、
自らの太ももに鍼をうつ。
その場所は記憶を無くすツボだった。
母の愛が狂気を放つ。
11度は寒いですね!
こちらは20度前後なので、差がありますわ。
殺人の追憶がお好きなんですね。
ほんとによくできた映画だと思います。
やはり、ポン・ジュノは、韓国を舞台にする方が、いいものに仕上がる気がします。
コメントありがとうございます。
ポン・ジュノなんで、ちょいちょい滑稽なところを差し込んでくるのですが、まあ重いですね…。
この親子は、これからも何もなかったように暮らしていくんでしょう。
そういう人達が、実はあちこちにいるかも、とうすら寒い気持ちになりますね。
そして、「殺人の追憶」へ続く…?