劇場公開日 2009年10月31日

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「愛こそすべて」母なる証明 CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛こそすべて

2021年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

今まで好んで食べなかった「野菜・クレソン」。信頼するレストランで提供されたステーキの横には山盛りのクレソンが。気まぐれにひと口食べたことをきっかけに、彼女はその魅力に異常なまでにハマっていく…。

ハイ、うちの奥さんの話です。映画の話ではありません。でも、今のポン・ジュノ監督に対する印象がまさにコレ。まるで食わず嫌いが克服された後の揺り返し。「パラサイト 半地下の家族」でハマり、速攻アマプラで氏の名前を検索し「母なる証明(2009年)」を平日夜に観ることになりました。

やはりこの監督はすごい。圧倒的なのは画のセンス。彩度を絞った美しさと、空気すら映すような高解像度感(YouTubeにあった予告編はなんとも低解像度だが)。この人が4Kとか8Kとかで撮ったら、多分目の前の映像を捕まえられちゃうと思う。

そして「どんでん返し」の辞書すら書き換えてしまうのではないか?と思えるほど秀逸な脚本。まさに母は強し。息子への深い愛情がたどり着く先に、狂気と慈悲が激しく入り混じる独特な景色が見えるのです。

それにしても日本ではお目に掛からない題材が新鮮。だがそれがいい。コレこそ人が生きるというリアル。いや、韓国映画をほめたたえる人の気持ちがやっと理解できた。 そして、この人が「ウォンビン!ビール瓶!!」で有名なウォンビンだったのかと知る。いい俳優さんですね。

LADA