おとうとのレビュー・感想・評価
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どうにもならん弟
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吉永小百合の弟のツルベが最悪な弟。
いつも世間に迷惑をかけて、優しい姉はいつもその尻拭いをしている。
ろくでもない、でも憎めない人。
結局大阪で死ぬが、連絡を受けて姉とその娘が見取る。
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うーん、感動作なんだろうけど、弟が馬鹿すぎた。
あまりに馬鹿すぎて、知的なおれは感情移入しかねたわ(場)
気のいいおっさんなんやけどな、あそこまで馬鹿だとなあ。
不器用な奴は嫌いじゃないが、不器用を通り過ぎて馬鹿すぎる。
吉永小百合は相変わらずで、妻としても母としても姉としても最高。
演技力もさることながら、あれが彼女の地なんだと思う。
本当に偉大だと思う。
あと蒼井優が相変わらず昭和くさくて好きだった。
まあまだ青いなって役どころだったけどね。
その意味で最も感情移入できたのは吉永小百合の役だった。
愛情深くて、馬鹿な弟の面倒を見捨てられない優しい姉。
そして弟の純粋さも感動を与えるべき要素なんだろうけど、
かえすがえすも、あまりにも馬鹿すぎて、どうしても共感できず仕舞い。
【粗にして野だが卑ではない弟と清廉な姉との繋がりを、二人を取り巻く人たちの関係性を絡めて描いた人間性肯定映画。山田洋次監督はケン・ローチ監督に影響を与えているのではないかと思った作品でもある。】
ー 一昨日から、劇場公開作を含め、邦画を代表する山田洋次監督作を今更ながらに鑑賞している。この名匠の作品の根底に通暁しているのは、矢張り人間性肯定の視点と、社会的弱者に対する温かき視点であると改めて思う。ー
◆感想<Caution!やや内容に触れています。>
■しっかり者の姉吟子(吉永小百合)と人間性は良いのだが酒に呑まれるダメな弟、丹野鉄郎(笑福亭鶴瓶)の姉にとっては甚だ迷惑な再会と永訣の別れに涙する作品である。
東京の郊外で小さな薬局を営む吟子。
娘・小春(蒼井優)の結婚が決まるが、その結婚式に音信不通だった吟子の弟・鉄郎が現れる。
吟子の夫の十三回忌で泥酔し大暴れした鉄郎は、一滴も酒を飲まないと約束するが我慢できず、またしても結婚式を無茶苦茶にしてしまう。
・で、小春は離婚。だが、彼女は真面目な青年、長田亨(加瀬亮)に惹かれて行くのである。
ー 結婚は、相手の家柄で決めるモノではないよね。ホントに好きになった相手と結婚するのが良いよね。山田監督はその先見性(当時)をキチンと描いているのである。-
・丹野鉄郎を演じた笑福亭鶴瓶も当たり役で、悪気はないのだが酒に呑まれる気質と金にダラシナイ気質を演じている。但し、彼は女性に手を出すような男ではない。
<山田洋次監督の作品は、何故か安心して観ていられる。
物語の展開ではハラハラするシーンは多いが、根本的に人間性肯定の立場で映画を製作されているので、最終的には少し涙し、最後は”さあ、明日から頑張ろう!”と言う気持ちになるのである。
更に言えば、作品の中では常に弱者の視点で物語が展開する。
正に、日本のケン・ローチである。
山田監督自身は東大法学部出身であるが、学歴偏重主義を声高に言う事はない。が(いや、寅さんでは結構言ってるな。)暗喩的に“真なる人生の豊かさは学歴ではない。その人物の生き様である。”と映画の台詞を通して言っていると思う。
で、寅さんの”さあ、貧しき労働者諸君、今日も一日頑張り給え!”等という台詞に笑ってしまうのである。
山田監督は、矢張り邦画界の至宝であると、最近見た3作を鑑賞しても改めて思うのである。>
何が描きたかったのか主張がよくわかないが、2010年、寅さん世代に贈る昭和ノスタルジー映画か。
テレビの番組情報には「感動作」と書いてあったが、感動はしなかった。
吉永小百合のセリフ回しがいかにも昭和の学芸会的ノリだし、さゆりちゃんは昭和を代表するアイドルなので、いろいろととにかく昭和なんだなーと思った。台詞の言い回しはさゆりちゃんに合わせたのか山田洋次監督のシナリオどおりなのか、若い蒼井優も一緒になって学芸会ノリである。
冒頭から昭和エピソードだし。なんせ寅さんオマージュだし。
話の内容は、こんなもんかな、こんなストーリーあるよね、という感じで目新しさはないので、昭和の大アイドル・吉永小百合をシネマスクリーンに出したかっただけではないかとも思える。
内容的には、鉄郎のような人は昭和50年代くらいまでは「寅さんぽい」とか、「身内に一人はいたよね困るんだけど憎めない人」みたいな位置づけだが、現代社会で位置づければ、彼は知的障害境界ゾーンなのか発達障害(いわゆるケーキが切れない子供)なのか、とにかく何か先天的な障害を抱えており(寅さんとは違い、生活が破綻している)、更にアルコール依存症である(アルコール依存症も先天的因子が強く、本人の意志の強い弱いには関係がない)。
その観点で彼は、救いの手が必要な弱者である。このような人物を「何度叱っても聞いてくれない悪い人間」「困るけど憎めない身内」として描くことに、私は抵抗がある。早く、適切な介入をして、保護され、障害を本人が理解し、問題を緩和して、社会生活が営めるよう訓練を受けるべき人であった。
物語はいくらでも美化できるし、失った130万円もなかったことにできるだろうが、現実にはそうは行かない。結婚式まで挙げた婚姻生活の破綻を、こんなエピソードで許せるだろうか。
兄は「縁を切る」と言ったが、縁を切って済む問題ではなく、治療につなげることが必要なケースだろう。
生活保護にしても、本人に身内がいるとわかった場合、姉を説得して金を出させ面倒を見させようとするのが行政というものだろう。行政が親族に照会するのをやめさせようとする動きは、現実には去年始まったばかりだ。
昭和を懐かしがるお年寄りに贈る、昭和中盤世代のための映画、
ないしは、山田洋次監督自身が美化された昭和を懐かしんで作った映画、
そんな気がする。
出演している役者さんのファンだとか、何か理由がない限りは見る必要がない映画。
ダメな身内との関わり方
50を過ぎてもごくつぶしの弟と、それを想いやる姉の話。
しかしこの弟、
本当に大事な場面でお酒を1時間も我慢できないのは何なんだ。
開き直っているならともかく我慢してそれって、意味が分からない。
出来る人には出来ない人の気持ちがわからないってこと?にしても極端な…
そして、そんな弟に尽くす姉。
負い目があるからというが、贖罪ということ?それは愛なの?
身内に厄介者がいないからかもしれないが、
いまいち腑に落ちない人間模様だった。
ところで、石田ゆり子の死を看取った直後の笑顔が印象に残った。
ああいう捉え方ができるのは新しい。
手がかかるほど可愛い
原作を読んだ時にぼろ泣きしました。
映画化されて、弟が随分長生きしていてびっくり笑
弟の存在を恥に思う人達ばかりの中で、3兄弟の真ん中の姉だけが弟を心底想っていて、いつも弟の尻拭い。
原作では兄がおらず姉と弟のみで、両親との距離感があったため、より一層絆が強く、姉が弟の心情をよくわかっていたと思います。
そこが大きな違いに感じましたが、姪の結婚までめちゃくちゃにし2代に渡り弟の存在が影響する演出が、一族の恥部感を増し、現実味が増して良かったです。
他の部分が一切ダメでも、1番温かみに敏感なのは弟で、そのお陰で、姪も素敵な再婚。初婚の夫と加瀬亮の対比が素晴らしかったです。
姉の無償の愛はとてもよくわかります。映画よりもっと深いかも?現実でも最終的にはもちろん面倒をみるんですが、姉の弟の扱い方が親切すぎて、負い目がよく表現されているとも感じましたが、若干他人行儀な違和感もありました。
あとは、おばあちゃんも一緒に暮らしているからなのか、監督が老齢だからなのか、時代の割に暮らしぶりが古びていて、気になりました。電話の子機だけ、シャープ?笑
鶴瓶と商店街のおじさん達以外は全員台詞回しが嘘くさく、台本のせいなのでしょうが、ちょっと残念でした。
山田洋次演出は厭味な位に上手い
市川版の名作『おとうと』に捧げられた、今回の山田洋次版には、前半部分に幾つかの違和感が付き纏う。
映画の前半は、蒼井優演じる吉永小百合の娘のナレーションに沿って映画は進んで行く。
その為に、おとうとよりも寧ろ“おじさん”と言った方が相応しく、更に蒼井優以外の視点による映像もちらほら出現するのが少し気になる。
また、映画のキャストを決める決め手となったのが。先ず初めに笑福亭鶴瓶と吉永小百合による姉とおとうとが念頭に置かれているだけに。小林稔侍を含んだ3人の兄弟で笑福亭鶴瓶1人だけがコテコテな大阪弁なのは、一体どうなのだろう?
吉永小百合はやむおえないとしても、小林稔侍の役柄はもう少し関西弁が達者な役者でも、と思ったのですが…。
しかし後半に進むに従い、蒼井優のナレーションが無くなるに従って、この思いは薄らいで行く。
市川版と山田版の一番の違いとして、後半笑福亭鶴瓶が入居する《みどりのいえ》とゆうボランティア施設が登場する。
これまでにも『男はつらいよ』シリーズを通して、監督山田洋次は様々なボランティア施設や、社会の歪んだ仕組みに翻弄されて来た人達を、寅さんを通じて紹介して来た経緯が有り、この辺りは監督による“拘り”に見えた。
映画の始まり辺りは、人間関係等を除き、市川版との関係性がなかなか見いだせ無いのですが。この《みどりのいえ》の出現から、姉とおとうとによる“リボンの絆”によって、市川版との関連性がはっきりと浮き彫りになって来る。
違和感と言うか“あやふや”と言うか…そんな感覚は最後まで残るのですが、それでも山田洋次演出は…。
うまい…本当にうまい!
後半にかけての人物の収束のさせ方や、脚本に於けるファーストシーンと重なるラストシーンの纏め方等は、是非若い脚本家は参考にするべきでしょう。
但し、その既成概念をぶち破る若手こそが一番望ましいのですが…。
中盤で、個人的にお気に入りのキムラ緑子が登場。これまでで一番セリフが多かったかも知れない。これをきっかけにもっと知られて欲しい女優さんです。目指せ余貴美子(笑)
(2010年2月12日TOHOシネマズ西新井/スクリーン7)
「そんなに私が邪魔なの?」「うん・・」
映画「おとうと」(山田洋次監督)から。
物語の大筋とは関係ないけれど、
やや痴呆気味の義母(加藤治子さん)に対する、
嫁(吉永小百合さん)の厳しい会話が印象的だった。
「これは大事な問題ですから、
お母さんは自分の部屋へ行っていてください」と言ってみたり
「そんなに私が邪魔なの?」「うん・・」とハッキリ言う。
役柄とはいえ、ちょっと可哀相だなぁ、と感じるほど。
弟(笑福亭鶴瓶さん)には、娘(蒼井優さん)の結婚式で
アルコールを飲みすぎて、大暴れしても、
こんな毅然な態度は、一度もみせることがないのである。
どちらが本当の彼女なんだろう・・と考えてしまった。
この二面性が、どんな意味を持つのだろうか?
結局は、わからずじまいで、ストーリーを終えた。
私にとって、やや消化不良で終わった作品である。
追記
(今年の日本アカデミー賞にノミネートされていたなんて。
私の見る目がなかったんだろうか・・とほほ) (汗)
ありがちな話を…
どこにでも有りそうな話を、ドラマチックにしたのは監督の力なのかな?姉さんが甘いとか、いい大人が弟の尻拭いなどとか言った見方はこの映画の場合、違うと思う。
“ダメな弟でも愛しい弟なんだ”この一言なんだと思う。きっと。
たった一人の弟を最後まで看た姉(吉永小百合)と、投げ出した兄(小林稔侍)、鶴瓶が息を引き取る場面にその対比がうかがえます。
どちらが正しいとかじゃなく、どちらも愛なのかもしれない…どちらを選択するかだけで…
本当にどこにでも有りそうな話を感動作にしてしまっています。
脇を固める俳優陣が素晴らしい
特に祖母役の加藤治子とホスピスの所長役の小日向文世、この二人はピカイチです。
甘え
「寅さん」映画は好きだったのですが、正直この山田作品には
入り込めませんでした。
嫁いだ娘が、その夫とメールでやりとりする位なのだから、舞台は
間違いなく現代なのでしょうが、どうにもこうにもセリフが現代劇
ではありえない古さ。
まるで修身の本(見たことないのでイメージですが)を登場人物が
朗読しているかのような不自然な堅苦しさを感じました。
もしかしたら山田監督は現代日本の日本語の乱れを相当に危惧して
おられて、敢えて不自然さに目をつむって、「正しい日本語」
「死語となった美しい言葉の使い方」にこだわったのでしょうか?
なにより鶴瓶さん演じるところの弟の不始末の尻拭いに奔走する吉永姉。
ここに全く共感できなかった。
時には突き放すことも愛のはず。それもお互いいい年の大人。
パチンコで電車賃をすった弟に帰りの旅費を渡すくだりや、女の人との
トラブルの後始末など・・・正直あきれ果てました。
よっぽど弟に対して負い目があるのかと思っていたら、そういった
過去のシーンもなかったし。
劇場では周りの人がみんなハンカチで涙をぬぐっていたのですから、
いい映画と感じる方はたくさんいるでしょうね。
でも私は、こういう話は藤山直美とかに舞台上でやってもらいたかった。
それなら素直に泣けたと思いました。
出てくる皆さん,イイ人ばっか!?
現実を見据えていない,キレイゴトにしか,見えなかった…
キレイは,キレイでも,
フィクションだからか?
美容,化粧術の勝利か?
現代SFX技術のなせる技なのか?
御歳ウン才にも,なろうか,という吉永"オネエチャン"小百合様は,サユリストの方々が,いまだに(?)忠誠を誓うのも,ワカらなくもないぐらい,お美しいかぎりで…
そりゃあ,鶴瓶師匠も役作りとはいえ,痩せられもするよなぁ〜と思えた.
仰天コンビ(?)の中居クンとのブツカリ合いや,酔っぱらい演技あたりは,師匠のやりたい放題が,演技?とも取れるし,
看取られるシーンにいたっては,悲しみよりも,3女優に囲まれて,至福の時に,ほくそ笑んでいたに違いない師匠への羨ましさの方が勝ってしまった…
感動!!
ホントにいい映画です!!!鶴瓶がエンジン全開ではちゃめちゃやなおとうとを演じてますね!最後の鶴瓶演じる鉄っちゃんが死ぬときのあのVサイン…グッときました。そして吉永小百合さん、蒼井優さんの世紀の共演…!ステキな親子!!でした✨ 今まで向き合って話すことってなるべく避けてた部分があり、そこを深ーく!反省させられた映画です。🎬
心が優しくなる作品です・・。
劇場に2度、観に行きました。
決して派手な映画ではありませんし、
若い方たちには少々退屈な作品なの
かもしれませんが・・。
私は、鶴瓶さん演じる鉄郎と自分とが重なって見えたのです・・。
若い頃の放蕩が、鉄郎のそれとダブりました。
ストーリー後半のホスピスのシーンは、優しさに溢れ、涙が止まりませんでした。
こういう映画に出会えて、とても幸せに思っています・・。
山田洋次監督の更なるご活躍を祈念いたします。
ディア・姉ちゃん。
いかにも山田洋次らしい、心温まる作品だった。
市川崑の『おとうと』にオマージュを捧げつつ、
内容はすっかり寅さんワールド^^;に仕上げた監督。
鍋焼きうどん、手を紐で結ぶ、という名シーンを
さりげなく表現したところも巧い。幸田文の原作は
かなり時代背景が違うこともあり難しかったと思う。
さて、吉永小百合ファンには申し訳ないが^^;
本当にこの人はなにを演っても吉永小百合である。
美しい、凛としている、どこをとっても小百合様然と
した感じが抜けないのは今回も同じ。ただお相手が
鶴瓶なもんだから、今回かなり軽妙に演じている。
監督特有のホームドラマ形式、笑って泣いて怒って
泣いての繰り返し、娘の結婚・離婚に至っては現代
のすれ違い生活を反映し、みどりのいえに至っては
介護や奉仕の真実を描く。今時こんな…?という
はてなマークが、若い世代には大いに浮かぶだろう
演出にやや苦笑いしつつ、でも今の時代に足りない
のってこういう繋がりなんだよね。と心で強く感じた。
そして、どこの家にもこんな厄介者がいたな、と。
近親者というわけではなかったが、亡くなる最期の
最期まで周囲に迷惑をかけ続けた伯母さんがいた。
子供がおらず、夫は先に他界、多額の資産があった
にも拘らず、すべてを酒とギャンブル等で使い果たし、
病に倒れてからは誰も見舞いにすら来なくなった。
そんな伯母に、私の母はせっせと食べ物を運んでは
世話をしていた。文句も多かったが^^;なんでまた?
とその頃の私は思っていた。理由を聞いても「あんな
風に自分がなりたくないから」とか「かわいそう」とか
そのくらいの返事しかなかったが、誰もしないことを
せっせと繰り返す母には計り知れないものを感じた。
今でもその伯母の墓には墓参りを欠かさない。
今作で描かれる姉弟の造詣に涙が出たのは、
弟が小さな頃から抱き続けた姉や周囲への劣等感を
なんとか拭い去ってやりたいと奮闘する姉の頑張りと、
そんな姉の気持ちを見抜いて弟に子供の命名をさせた
亡き夫の器の大きさである。何の取り柄もないとまで
言われた弟が、死に際にどれだけの言葉を貰えたか。
どうしようもないアホにはどうしようもない魅力があり
どうしようもなく人を惹き付けるのは、強ち嘘ではない。
やりすぎ?鶴瓶は飄々と弟を演じ、最後まで崩れない。
どう見ても姉弟に見えない二人に絆を感じてしまうのは
他ならぬ山田洋次監督の技量によるものだと思える^^;
こういう日本映画は、これからもっと必要になると思うし、
ずっと作り続けて欲しいなぁ。
(加藤治子が素晴らしい演技^^;近藤公園もいい役だったv)
とびらはちゃんと閉めて欲しい
ごめんなさい
期待が大きかったのですが、
だめでした
そういえば、寅さん嫌いだったっけな~
とびらの締めからまで細かく演出しているのでしょうね
何回もいろいろな人がとびらを閉めるんですけど、微妙に、開いたままだったり、跳ね返って開いたり、きっちり、閉めていくというのは一回もなかったです。
でも、ちゃんと閉めないの嫌いなんです。
全体的にそんな微妙な感じのズレがあるのかな。
おとうとは最後まで、特に改心している様子も無く、逝っちゃいますし。それでは、おじさんは、感動できないんですよね。
笑福亭鶴瓶は立派に役者さんになったようで。
今回の役は、売れない芸人役ですので、いつものテレビでの振舞いそのままで行けたところもあるとおもいますが
おじさんは、山田洋次監督の作品を観るレベルには達していないようで
まだ早かったようです
おとうと
家族の大切さ、大事さを思い出させてくれる作品です。
以降はレビューって感じより内容そのままですね。レビューって書きずらい。
どの家族でも他人に紹介したくない人が一人はいるかも知れない。そんな人が親代わりのお姉ちゃんに迷惑をかけながらも一生懸命に生き、またお姉ちゃんも一度は縁ぎりを考えるけど、やっぱりほっとけない。
最後は身寄りがない人達と暮らし、笑顔、幸せな気持ち一杯になって他界してしまうけど、お姉ちゃんや姪も何だかんだで大事な人を失った気持ちで一杯になり、家族の大事さを痛感させられました。
さすが、山田監督!! 家族を描いたら他の追従を許さず!!
是非、兄弟がいない方もご覧下さい。
背筋が寒くなるような現代劇
過去に山田洋次監督作品は「隠し剣、鬼の爪」や「武士の一分」を見たことがあったが、現代劇は初めてでした。
パッと見で豪華。脇を見ても豪華なキャストが少し古くさい空気とセリフで、現代社会の問題点を風刺するような感じで動いている。
「ディア・ドクター」で衝撃的に主役を好演した鶴瓶が破天荒な弟を上手く演じ、大女優・吉永小百合がしっかりした姉を演じていたが、心に強く残ったのは別の方々だった。
まず1つ。
ホスピスの所長役の小日向文世。
一見、苦しい民間経営のホスピスをスタッフと懸命に続け、笑いを絶やさないようにしている献身的な善人に見えるが、実際は最も人間らしくない機械のようなキャラクターだと思う。
死に日常的に触れ、恐怖感が麻痺して慣れてしまったが故に、吉永小百合や蒼井優が涙している時に冷静に脈を計り、死亡時刻を確認する。
その淡々とした一連の動作を見て、吉永小百合と蒼井優が呆気に取られたような表情をしたような気がするのは自分だけだろうか?
加瀬亮が怒鳴るんじゃないだろうか、とハラハラしてしまった。
もう1つは、ラストシーンの加藤治子のセリフ。
蒼井優の2度目の結婚式前日、食卓を囲んで、「あの人(鶴瓶)は来ないのかい? 最近、かわいそうになってきてね。呼んでやったらどうだろう。それとも、今からじゃもう遅いかねぇ」。
背筋が震えて、涙腺決壊寸前だった。
この2人に物語の大半を持ってかれてしまった本作。優劣は付けたくないが、自分は山田洋次監督作は時代劇の方が好きだなと思った。
お姉さんの愛情?
吉永さんの演技って何を演じても私には吉永小百合にしか見えない。
家族への愛情も全く感じられない。
淡々と演じてるように思えた。CMでも見ているかのよう。
優等生過ぎて実生活を送ってる感じが全く伝わってこなかった。
世間体だけを気にして生きていて、それを気にしなくて良いのなら
弟など切り捨ててしまうような気さえした。
だって…弟の問題解決するの、常に“お金いくらお支払いしたら…?”だもの。。。
それに…義母さんには「邪魔です。」って簡単に切り捨てだしネ((+_+))
ラスト辺りで石田ゆり子が死んでゆく鶴瓶に向かって
言った台詞が何とも怖かった。
もう死んで良いよ。私達が見守ってアゲルから…的な。。。
ああいう施設で働く人ってその仕事やってあげてるって思っているのだろうか?
だったら私はやってもらいたくは無い。
何かをしてアゲルとか思い上がりも甚だしいと思うのは私だけでしょうか?
見ていて気分が悪くなった。
評価をBにしたのは鶴瓶さんがこんな映画のためにダイエットして
頑張ったようだし、彼の演技に対して。。。
鶴瓶はすごい
国民映画「寅さんシリーズ」ファンでサユリスト世代だったら
すんなり受け入れられるのでしょうが、
この姉弟をどういうスタンスで観たらいいのか・・・
前半は、けっこう観客を戸惑わせる映画でした。
冒頭で、小春(蒼井優)のナレーションで、この姉弟の経歴を楽しげに紹介。
それによると、吟子は1970年に大阪の薬科大学に入学、
ということは1952年生まれの(平成21年換算)57歳。
小春はタイガース優勝時にはすでに応援してたから、
1980年くらいに生まれて、今年で29歳くらい?
今年の設定とは限らないので、もう少しずつ若いのでしょうが、
いずれにせよ、吉永小百合の実年齢より若い。
でも「北の零年」や「母べえ」にくらべたら歳相応で、
薬剤師という職業も白衣姿も似合っていました。
ありえないくらいの優等生発言も
60歳過ぎてこの美しさの素の吉永小百合を思ったら、
あんまり違和感ないです。
永遠のマドンナだなぁ~
弟の鉄郎のむちゃくちゃぶりは筆舌に尽くしがたく、
十三回忌や小春の結婚式を見事なまでにぶち壊し、
小春たちを絶望させてしまう・・・
ドタバタコメディじゃないんだから、
あれはないでしょ!
寅さんのような「へんてこな人物の面白エピソード」
で笑わす映画ならいいのですが、
「ヒューマンドラマ」を目指すなら、明らかにいきすぎた
脚本だと正直思います。
でも、「愛すべきニセ医者」を見事に演じた鶴瓶は
ここでも「愛すべき放蕩者」を力の限り熱演。
彼の可愛らしさが伝わるのはずっと後になってからで、それまでは
問題を起こしても起こしても見捨てない姉を
周囲の人たちも観客も
「なんで?」とむしろ冷ややかに観てしまうのですが、ね。
この姉弟には、すぐには思い入れできないような
際立ったキャラクターの設定をしておきながら、
脇役の人たちはどこにでもいるような
あるいは観ている人自身を投影できるような
フツーの人たち。
鉄郎の兄やその家族、近所の自転車屋に歯医者、
(カメオ出演の有名タレントたちは余計でしたが)
まわりを固めるアンサンブル陣は良かったです。
登場人物ではないけれど、若くして亡くなった吟子の夫が
鉄郎に小春の名付け親を頼んだいきさつ。
「鉄郎くんは小さいころからあまりほめられないで
大人になったんだ。
ちょっとくらい変な名前でもいいじゃないか。
鉄郎くんに花を持たせて
うんと感謝してあげよう。」
吟子は、亡き夫のこの言葉に励まされながら
女手ひとつで小春を育て、義母につくし、
鉄郎にまで心を配ってきたのですね。
「その人の思いによりそって
最後までつきあってあげるのが
私たちのできることです」
民間ホスピスの「みどりのいえ」の所長さん。
エンドロールには「きぼうのいえ」という実在する施設テロップが。
この映画を通して、こういう志の高い団体があることを
知ることができました。
病に侵されて先の見えない鉄郎は不幸だけれど、
しっかり向き合って見守ってくれる人たちを得て、
とても幸せにみえました。
死期を悟った鶴瓶の表情は清清しく、
体はぼろぼろなんだけど、仏様の御許に向かう人の
透き通った心というか、
あまりにリアルで・・・涙以上の感動でした。
エンドロールで、1960年の映画「おとうと」の
市川昆監督への献辞がありましが、
そういえば、弱っていく弟をみまもる姉の悲しさとか、
リボンで腕をつなぐところとか、
オマージュといえるところもありましたね。
寅さん映画のように、一風変わった主人公を通して
きっとこの映画では「家族」を描きたかったのでしょうが、
なんだかラストにかけて、ちょっと社会派っぽくなったり、
市川監督へのトリビュートシーンとかで、
ちょっと違った雰囲気になってしまったのですが・・・
ラストで、
鉄郎をさんざん毛嫌いしていたおばあちゃんが
小春の二度目の結婚前夜に言うせりふに救われました。
「ほら、あの人も呼んでやったらいいじゃないの」
「きっと喜んで来ますよ」
「そう、汗いっぱいかきながらね」
童女のようなおばあちゃんの向うに
鉄郎の笑顔がみえた気がしました。
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