おとうとのレビュー・感想・評価
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おとうと
家族の大切さ、大事さを思い出させてくれる作品です。
以降はレビューって感じより内容そのままですね。レビューって書きずらい。
どの家族でも他人に紹介したくない人が一人はいるかも知れない。そんな人が親代わりのお姉ちゃんに迷惑をかけながらも一生懸命に生き、またお姉ちゃんも一度は縁ぎりを考えるけど、やっぱりほっとけない。
最後は身寄りがない人達と暮らし、笑顔、幸せな気持ち一杯になって他界してしまうけど、お姉ちゃんや姪も何だかんだで大事な人を失った気持ちで一杯になり、家族の大事さを痛感させられました。
さすが、山田監督!! 家族を描いたら他の追従を許さず!!
是非、兄弟がいない方もご覧下さい。
心に染みました
背筋が寒くなるような現代劇
過去に山田洋次監督作品は「隠し剣、鬼の爪」や「武士の一分」を見たことがあったが、現代劇は初めてでした。
パッと見で豪華。脇を見ても豪華なキャストが少し古くさい空気とセリフで、現代社会の問題点を風刺するような感じで動いている。
「ディア・ドクター」で衝撃的に主役を好演した鶴瓶が破天荒な弟を上手く演じ、大女優・吉永小百合がしっかりした姉を演じていたが、心に強く残ったのは別の方々だった。
まず1つ。
ホスピスの所長役の小日向文世。
一見、苦しい民間経営のホスピスをスタッフと懸命に続け、笑いを絶やさないようにしている献身的な善人に見えるが、実際は最も人間らしくない機械のようなキャラクターだと思う。
死に日常的に触れ、恐怖感が麻痺して慣れてしまったが故に、吉永小百合や蒼井優が涙している時に冷静に脈を計り、死亡時刻を確認する。
その淡々とした一連の動作を見て、吉永小百合と蒼井優が呆気に取られたような表情をしたような気がするのは自分だけだろうか?
加瀬亮が怒鳴るんじゃないだろうか、とハラハラしてしまった。
もう1つは、ラストシーンの加藤治子のセリフ。
蒼井優の2度目の結婚式前日、食卓を囲んで、「あの人(鶴瓶)は来ないのかい? 最近、かわいそうになってきてね。呼んでやったらどうだろう。それとも、今からじゃもう遅いかねぇ」。
背筋が震えて、涙腺決壊寸前だった。
この2人に物語の大半を持ってかれてしまった本作。優劣は付けたくないが、自分は山田洋次監督作は時代劇の方が好きだなと思った。
後半はタイムリーな内容だが・・・
鉄郎の身勝手とも思える大立ち回りは鶴瓶の真骨頂。鉄郎を嫌悪する小春と、ボケてるのかボケてないのか分からない絹代を、蒼井優と加藤治子が好演。日本の映画界にはこの人しかいないのかと思えるぐらい、あちこちに顔を出す名脇役・笹野高史ががっちりフォロー。そして、吉永小百合ただひとりが、表情といい身のこなしといい、台詞回しも浮いているのだった。単に演技が古くさいというより、その場にそぐわない違和感がある。
違和感といえば、吟子が経営するのが商店街の薬局という割には、立地が隔離されたような坂の上だ。臨場感がまるでないところは「武士の一分」と同じだ。アパートの小鳥は、屋根の上いっぱいの黄色いハンカチを連想させるし、どうもアタマの半分がよそに行ってしまう。
松竹というと、長年、庶民の生活を描いた作品を送り出してきた老舗だ。そこに住む人のさりげない目線の先を追ったカットが、松竹独特の空気を放っていた。ところが本作では、下町情緒を出したかったのだろうけど、無駄なカットが目につく。
末期がんの余生をどう送るべきか、がんと闘うのではなく、がんと共生しようという最近の考え方を反映した後半はタイムリーな内容で、考えさせられる。
ラスト・シーンに小林稔侍を登場させなかったのは正解だった。考えただけでも濃くなる。
吉永小百合....いいですね!
どこの親戚にも1人はいるという、厄介もの....そんな役にぴったりなのが鶴瓶....でも、同じ厄介ものの定番、寅さんのような感じではなく、子供のまんま大人になったという設定.....でも、鶴瓶そのものって感じで見てられないほどのハチャメチャぶり.....。
吉永小百合は、いい感じですね!....白衣を着た感じも清楚で蒼井優と合せてこの映画に気品を高めている感じです....。
みどりの家....私も最後はこんな施設で一生を終えたいです....石田ゆり子の最後の感謝の言葉がけ.....めっちゃ泣けました!
そして、いつものけものにされている姑の最後のセリフ.....泣けました!
寅さんのようにシリーズ化して欲しいと願いましたが....ちゃんとした結末にしてしまったので、無いですね!
心に沁みる、温かい映画
齢80になろうとする山田洋次が描く物語だから、妙に行儀のいい家族や古臭い演出がある感は否めない。だけれどもさすがは名匠、それを細やかな演出でもってカバーし、時代を超えた物語として成立させている。
また、役者陣が素晴らしい。吉永小百合はいつもどおりと言えばいつもどおりだが、終盤、きっと映画の黄金時代を背負ってきた人たちにしか出せないオーラを出す珠玉のシーンがあり、目を奪われる。また、愚かだが、愛嬌があってどこか憎めない弟役に扮した笑福亭鶴瓶が、吉永の前で伸び伸びと芝居をし、終盤に観客を大いに泣かせる。
と、これだけで終わっていたら年齢層が高めの観客しか楽しめない可能性もあっただろうが、吉永演じる主人公の娘役の蒼井優と、その幼なじみを演じた加瀬亮、この若い2人のパートが大ベテランたちに負けないくらい素晴らしいので、誰しもが楽しめる映画として成立しているのだ。
陳腐な言い方になってしまうが、鶴瓶扮する弟の抜けぶりに大いに笑い、横暴な行動に大いに腹を立て、そして彼を見守る姉とその家族の温かさと絆に大いに涙した。映画を観ながら、自分の家族にも思いを馳せる、そういう心に沁みる、温かい映画でした。
官僚社会には馴染まない。
公開前のケーブルテレビ試写会で、自宅鑑賞。
鶴瓶師匠のキャラクターがバッチリはまっていた。普通、誰も「おとうと」の肩を持つ人などいないのだが、どこか憎めない。ダメにも程があるのだが、最後までなんとか助けてあげられないかと思わせる部分があった。
二人だけにスポットを当てたのも、話をシンプルにして分かりやすくしていた。他の要素が多く入ってくると話がボヤけてしまったかもしれない。
「おとうと」の二人の兄も印象的だった。小林稔侍さん演じる実の兄と写真と思い出話のみの登場の姉の亡き夫。係わってきた時間の差もあるとは思うが、人の見方はそれぞれなのだなぁ、としみじみ思った。
『男はつらいよ』の寅さんの影もチラつき、少々、せつなくもあった。
お姉さんの愛情?
吉永さんの演技って何を演じても私には吉永小百合にしか見えない。
家族への愛情も全く感じられない。
淡々と演じてるように思えた。CMでも見ているかのよう。
優等生過ぎて実生活を送ってる感じが全く伝わってこなかった。
世間体だけを気にして生きていて、それを気にしなくて良いのなら
弟など切り捨ててしまうような気さえした。
だって…弟の問題解決するの、常に“お金いくらお支払いしたら…?”だもの。。。
それに…義母さんには「邪魔です。」って簡単に切り捨てだしネ((+_+))
ラスト辺りで石田ゆり子が死んでゆく鶴瓶に向かって
言った台詞が何とも怖かった。
もう死んで良いよ。私達が見守ってアゲルから…的な。。。
ああいう施設で働く人ってその仕事やってあげてるって思っているのだろうか?
だったら私はやってもらいたくは無い。
何かをしてアゲルとか思い上がりも甚だしいと思うのは私だけでしょうか?
見ていて気分が悪くなった。
評価をBにしたのは鶴瓶さんがこんな映画のためにダイエットして
頑張ったようだし、彼の演技に対して。。。
加藤治子の演技が素晴らしかった!!
試写会時に配られたパンフには、
・「賢い姉と愚かな弟の、可笑しくて哀しい物語」
・「吉永小百合は、賢い姉であり、母である吟子の家族への愛情を全身からにじませ、スクリーンに優しさと温かみを添えている。」
などと書かれていました。
実際、試写してみると上の表現は合っていましたが、下の表現には正直納得いきません
でした。
いうなれば、「男はつらいよ」シリーズを少し設定を変えて、マドンナをださないバージョンといったところでしょうか。
姉弟の絆は「男はつらいよ」シリーズくらいに描けていましたが、他の家族との絆はうすっぺらで、正直失望しました。
皮肉なのは、それが加藤治子の演技を際立たせてしまったことでしょう。
ホームドラマは本当にこれで良いのか、山田洋二監督・脚本作品だけに残念です。
(「藤沢」作品を通して「男はつらいよ」シリーズよりスケールの大きい絆を描くと
期待していただけに)
鶴瓶の演技に泣かされました(笑)
1/21に試写会が当たって主人と一緒に見に行ってきました。
久しぶりに涙腺が決壊して、大泣きしてきました。
泣ける映画を見た後って、気分がスッキリしてるから良いですね。
鶴瓶さんの演技が素晴らしいんです。
いやぁ、さすが落語家さんです。
すっかり引き込まれました。
好き勝手に後先考えず、無茶苦茶に破天荒な人生を歩んだ、
大阪のおっちゃんの役どころなんですが、
いかにも落語の中に出て来そうな、ちっぽけで、けったいだけど
憎めない人物を上手く演じています。
最後に出てきたホスピスは素晴らしい制度ですね。
身寄りも、お金も何もかもがなくなってから、人生の最後を看取ってくれる、そんな場所があるんだぁ・・・。
そんなシステムが有るなら、日本もまだまだ捨てたもんじゃないな、と、なんだかホッとしました。
そんな場所の運営のためにならドンドン税金を使ってくれ、そう、思いました。
出演している俳優さんが豪華で、素晴らしい方ばかりです。
蒼井優ちゃんの笑顔が可愛いし、加瀬亮くんの演技も好感を持てたし、
笹野さん、森本レオさんの掛け合いが面白いし、
大笑いして、泣いて、スッキリして、
なんだか、見て良かった、そう思える映画でした。
若い人には向かないかも・・・
サユリスト世代にターゲットをしぼったのかなぁ???
サユリスト世代に
ターゲットをしぼったのかな・・・
エンドロールが流れ始めて
1人だけ拍手をしている人がいました。
しかし客電が点灯して拍手をする人は、1人もいませんでした。
ただ、斜め前に座っていたおばあちゃんペアは「良い映画だったね」と満足そうにしていました。
作品が描きたかったこと
おそらく、現在の日本で失われつつある
兄弟(姉妹)の繋がり、親戚を含めた家族同士の繋がり、
古きから残る商店街など、地域同士の繋がり、そういった
“人と人とのつながりの大切さ・良さ”を伝えたかったのだと思うんです。
でも、ここまでストレートに
わかりやすく脚本にされてしまうと、
なにやら説教くさく感じてしまいます。
台詞回しも不自然で、
現代劇だという割には口調がおかしい。
蒼井優さんに、あんな演技をやらせちゃだめですよ。
彼女は“素”っぽさが売りなんですから。山田監督の
好みなのでしょうが、演技の上手い蒼井優さんが、下手に見えてしまいました。
鶴瓶師匠は12キロかな、
役作りのため減量したそうですが、
クライマックスの演技は圧巻です。
今作の最大の見所は、ここになるでしょう。
ラスト。食卓にて。
おばあちゃんのセリフに
劇場からは笑いがおきましたが、
わたしだけなのかな?このシーンに寒気を感じたのは。
表からは、優しくて温かくて
理想的な家族に見えるけれども
裏側には、ドロドロした冷たいものが流れている。
吉永小百合さん、蒼井優さん、
二人とも笑顔が美しいだけに、
ギャップが大きくて余計に怖さを感じてしまいました。
山田監督、
まさか本当に伝えたかったのは、
このラストに一瞬感じさせられたことじゃないですよね。
☆彡 ☆彡
前半に
SMAPの中居くんもゲスト出演しています。
ここで、私はクスッと笑ってしまったのですが、
劇場は、無反応でした。これが年代の違いなのでしょうか。
サユリスト世代にはお薦めしますが、
それ以外の世代にはフィットしない気がします。
良作ですし、観ていて安心感は、あるんですけどね・・・。
鶴瓶はすごい
国民映画「寅さんシリーズ」ファンでサユリスト世代だったら
すんなり受け入れられるのでしょうが、
この姉弟をどういうスタンスで観たらいいのか・・・
前半は、けっこう観客を戸惑わせる映画でした。
冒頭で、小春(蒼井優)のナレーションで、この姉弟の経歴を楽しげに紹介。
それによると、吟子は1970年に大阪の薬科大学に入学、
ということは1952年生まれの(平成21年換算)57歳。
小春はタイガース優勝時にはすでに応援してたから、
1980年くらいに生まれて、今年で29歳くらい?
今年の設定とは限らないので、もう少しずつ若いのでしょうが、
いずれにせよ、吉永小百合の実年齢より若い。
でも「北の零年」や「母べえ」にくらべたら歳相応で、
薬剤師という職業も白衣姿も似合っていました。
ありえないくらいの優等生発言も
60歳過ぎてこの美しさの素の吉永小百合を思ったら、
あんまり違和感ないです。
永遠のマドンナだなぁ~
弟の鉄郎のむちゃくちゃぶりは筆舌に尽くしがたく、
十三回忌や小春の結婚式を見事なまでにぶち壊し、
小春たちを絶望させてしまう・・・
ドタバタコメディじゃないんだから、
あれはないでしょ!
寅さんのような「へんてこな人物の面白エピソード」
で笑わす映画ならいいのですが、
「ヒューマンドラマ」を目指すなら、明らかにいきすぎた
脚本だと正直思います。
でも、「愛すべきニセ医者」を見事に演じた鶴瓶は
ここでも「愛すべき放蕩者」を力の限り熱演。
彼の可愛らしさが伝わるのはずっと後になってからで、それまでは
問題を起こしても起こしても見捨てない姉を
周囲の人たちも観客も
「なんで?」とむしろ冷ややかに観てしまうのですが、ね。
この姉弟には、すぐには思い入れできないような
際立ったキャラクターの設定をしておきながら、
脇役の人たちはどこにでもいるような
あるいは観ている人自身を投影できるような
フツーの人たち。
鉄郎の兄やその家族、近所の自転車屋に歯医者、
(カメオ出演の有名タレントたちは余計でしたが)
まわりを固めるアンサンブル陣は良かったです。
登場人物ではないけれど、若くして亡くなった吟子の夫が
鉄郎に小春の名付け親を頼んだいきさつ。
「鉄郎くんは小さいころからあまりほめられないで
大人になったんだ。
ちょっとくらい変な名前でもいいじゃないか。
鉄郎くんに花を持たせて
うんと感謝してあげよう。」
吟子は、亡き夫のこの言葉に励まされながら
女手ひとつで小春を育て、義母につくし、
鉄郎にまで心を配ってきたのですね。
「その人の思いによりそって
最後までつきあってあげるのが
私たちのできることです」
民間ホスピスの「みどりのいえ」の所長さん。
エンドロールには「きぼうのいえ」という実在する施設テロップが。
この映画を通して、こういう志の高い団体があることを
知ることができました。
病に侵されて先の見えない鉄郎は不幸だけれど、
しっかり向き合って見守ってくれる人たちを得て、
とても幸せにみえました。
死期を悟った鶴瓶の表情は清清しく、
体はぼろぼろなんだけど、仏様の御許に向かう人の
透き通った心というか、
あまりにリアルで・・・涙以上の感動でした。
エンドロールで、1960年の映画「おとうと」の
市川昆監督への献辞がありましが、
そういえば、弱っていく弟をみまもる姉の悲しさとか、
リボンで腕をつなぐところとか、
オマージュといえるところもありましたね。
寅さん映画のように、一風変わった主人公を通して
きっとこの映画では「家族」を描きたかったのでしょうが、
なんだかラストにかけて、ちょっと社会派っぽくなったり、
市川監督へのトリビュートシーンとかで、
ちょっと違った雰囲気になってしまったのですが・・・
ラストで、
鉄郎をさんざん毛嫌いしていたおばあちゃんが
小春の二度目の結婚前夜に言うせりふに救われました。
「ほら、あの人も呼んでやったらいいじゃないの」
「きっと喜んで来ますよ」
「そう、汗いっぱいかきながらね」
童女のようなおばあちゃんの向うに
鉄郎の笑顔がみえた気がしました。
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