劇場公開日 2009年3月7日

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「もう少し映画的な面白さがあったら」ダウト あるカトリック学校で マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5もう少し映画的な面白さがあったら

2010年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

ほとんど、3人による言葉の応酬だけで物語が進んでいく。焦点はフリン神父が不適切な行動をとったのか否か?それだけであり、大きなどんでん返しが用意されているわけでもない。いちど疑い出したら思考に歯止めがかけられない校長。真相をなかなか明かさない神父。なにを信じればいいのか自信のないシスター。主役3人の演技力に頼るしかない構成であり、それだけに、このキャスティングは大いに楽しめる。
この作品、現社会にも通ずるものがある。疑いを持つと独自の調査も論調もなく攻撃を仕掛けるマスコミ。叩けばひとつやふたつ後ろめたいこともあるだろう政治家の困惑。その両者に振り回される国民。大沢代表とか地下二階とか・・・そんなような名前を思い出しながら観てしまった。
この作品、悪くはないが、“懺悔”だの“寛容”だの宗教の枠組みで物語れるものだから、いまいち世界に入り込めないのが難点。希望としては、教会学校を舞台に借りた、もっとオープンなミステリー映画に徹して欲しかった。劇作家が自ら映画にしたというところに落とし穴がある。

マスター@だんだん