「昔映画館で見た記憶が蘇る」20世紀少年 最終章 ぼくらの旗 Croさんの映画レビュー(感想・評価)
昔映画館で見た記憶が蘇る
小学生の頃に映画館で観た記憶が蘇る
あのなんとも言えないディストピア感とか、不気味さ、そしてその国家ぐるみの陰謀(といには語弊があるかもだが)に立ち向かうストーリーは子供心をくすぐるものがあった
ラストがフクベエがともだちってのは覚えてはいたんだけど、結局それがなんでだったのかとか、何を理由にともだちになってテロ行為を行ったのかとかはよく分からず曖昧なままだったのを思い出す。それにちゃんと見返すと、フクベエは名前を借りただけで実際はカツマタくんだったってのも当時はよく分からなかったのか覚えてなかったポイントで、新しい発見があった感じがして楽しかった
とはいえ、まぁそこまで評価は高くないかな。雰囲気とかはいいんだけどね。それに音楽を「立ち向かう自由意志」としての象徴としてる事とかはグッとくるし。ただなんというか、カツマタくんがケンヂに対して「復讐」と「友達になりたい」という複雑な感情が入り交じった末の行動なのだとしても、正直それでここまでするほどの納得感はないというか。純粋なケンヂやみんなとの「正義vs悪の物語」を遊びとしてやりたいなら、そういう点でももう少しやりようがあったんじゃね?って気もしないでもないし
結局ケンヂは1章で死んだと思われていた訳で、そのあと世界を滅ぼそうと思うほどの原動力はカツマタくんのどこにあったんだろう、と。まぁ自殺しようと思っていたくらいだから、ケンヂへの私情とか抜きにして、世界を滅ぼしたいだけの感情はあったのかも知れないな。よげんの書によるケンヂとのあくまで動機の一つでしかないというか
そのくらいの稚拙な動機で世界を滅ぼそうとする。そのバランスがむしろ面白い要素とも言えるかもしれない