劇場公開日 2009年12月19日

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 : 映画評論・批評

2009年12月22日更新

2009年12月19日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

連ドラからの積み重ねがあるからこその感動を味わえる

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2年前の2夜連続SPドラマを挟んでの映画化だ。人気連ドラの定番コースをたどった「最終楽章」は、大きなスクリーンで観る「SPドラマ」。「映画」を期待すべきでないとはいえ、CGやマネキンを使ったり、日本人が外国人を演じたりのTVサイズでは炸裂したラジカルさが、ビッグスクリーンではもたないのは事実。だが、楽友協会など音楽の聖地で撮影した本物の力は、映画サイズで伝わってくるのもまた事実。おかげで、楽団員のキャスティングにお金がかかっていなくとも、ダメ楽団を再生する千秋の才能と、音楽への愛と畏敬はひしひし。クライマックスの演奏会シーンの迫力は「ブラボー!」と叫びたいほど。天才指揮者・千秋もすごいが、彼そのものになりきっている玉木宏もすごい!

それは上野樹里も同じ。千秋との関係が連ドラ時代に比べると安定しているとはいえ、変わらぬ奇人ぶりに失笑&爆笑させつつ、音楽と千秋への想いにさらなる陰影を与えているのだ。この感動が味わえるのも、連ドラからの積み重ねが、音楽の天才を演じる2人の役者にも、観客にもあるからこそ。「映画」として1本で完結する世界を見てみたかった気もするけれど、この無い物ねだりを吹き飛ばすさらなる感動が後編に待っていることを期待!

杉谷伸子

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