劇場公開日 2009年6月6日

「緻密な事前調査が好感をもてる、時流に合った作品」ハゲタカ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0緻密な事前調査が好感をもてる、時流に合った作品

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

興奮

総合:75点
ストーリー: 80
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 70

 テレビ版は見ていないからこの映画以前の物語はわからないのだが、緻密な物語の設定は面白くて好感がもてた。企業買収や金融のことについてよく調査してあることがわかる。中国企業のTOBによる日本の自動車企業の買収というのはあまり現実感がなくて、これをやるのならば不振の企業側から打診をうけて救済という形じゃないとその後の経営がうまくいかないだろうと個人的には思う。しかし投資ファンドという話題になっていて注目を浴びている主題でもあり、時流に乗っているいい時期に作られたのではないか。
 あまり好きになれなかったのが大仰な演出。重々しさを出そうとしたのだろうが、低い声でわざとらしい大袈裟な科白とかかっこつけてもったいぶった演技は不自然。こんな喋り方や動きをするのはまるでNHKの大河ドラマの時代劇のようだった。もっと自然な演技のほうが好ましい。
 それとファンドが利益を追求するのが通常の第一の目的であるのは間違っていないが、それでも買収ファンドの役割はそれだけではない。すべてのファンドが買収企業を食い物にして利益を追求しているわけではないし、企業の再生や投資による経済の活性化などの視点ももう少し含めていればもっと良かった。

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Cape God