女の子ものがたりのレビュー・感想・評価
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“西原ワールド”全開!
「毎日かあさん」アニメ化!「いけちゃんとぼく」映画化!2009年は、“サイバライヤー”!ってことで、西原理恵子センセの自叙伝的作品の映画化。もおね、“西原ワールド”全開です。
タイトルから受ける印象は、とても可愛らしいと思われるのですが、なかなかコレがどうして、“貧乏”“借金”“蒸発”“DV”etc,etc…と、不幸の吹き溜まりのようなキーワードのオンパレード。この映画、まさしく西原さんの漫画を、テイストそのまんま実写化しちゃってます。西原さんの漫画と言えば、『ほのぼのタッチの絵で、とてつもなく辛辣且つドギツイ話を描き、でもラストにはじんわり、ウルウルさせる…』っていうイメージを、吾輩は持っておりますが、この映画は本当にそのまんま!いやあ、すんごい“実写版”です。
『女の子の「スタンド・バイ・ミー」を目指した』と、プロデューサー女史は語っておられますが、正にそのイメージどおりの映画に仕上がっていると思います。“大人になりきれない大人の女”が、それまで避けてきた自らの過去に、或る日正面から向き合い、そこにかつて確かに存在した“友だち”との掛けがえのない日々を、もう一度自分の記憶の中で辿り、そしてそれをステップに人生の新しい1歩を踏み出す…。吾輩“男の子”でございますが、ラストには何かもう訳もわからず、ただ号泣してしまいそうになりました。“あの頃の、友だちに会いに行く旅”これは性別を問わず、誰の心にも必ず“グッ”と去来する物があると思います。この映画は、そんなところをど真ん中の直球で突いてきます。イイ意味で、堪りません…(>_<)。
世代別に、幼少のころ(なつみ:森迫 永依、きいちゃん:三吉 彩花、みさちゃん:佐藤 初)→高校生時代(なつみ:大後寿々花、きいちゃん:波瑠、みさちゃん:高山 侑子)を演じた“女の子”たちが、みんな一生懸命で、観ていてとても好感が持てました。ホント、みんなとても頑張っています。そしてそれらを受けての深津 絵里の演技が、この映画に適度な深みと、何とも言えない優しさをもたらしています(永依ちゃん→寿々花ちゃん→深津 絵里…チョット顔的には“?”なんですが(^^;)。
西原さん自身も、“うわさ好きの近所の主婦”という重要な(?)役割で、出演されています(決して“カメオ”ではございません!)。そして、作中には西原さん描き下ろしの壁画も登場します。この辺りもお見逃しなく!
それは唐突にやってきた。
★
やられちゃった。唐突に、完全にやられた。
とは言っても、森迫永依を含めた子役3人は方言のせいもあってか、
それほどいいとは思わず。
森岡利行監督は“子猫の涙”では藤本七海に相当助けられてたんだなと、
子役の使い方もそれほどよくないなと思ってしまった。
その後の学生時代からは高山侑子は完全に浮いており、
大後寿々花も学生時代はまだよかったが、
結婚をするような年齢になってからは波瑠の方がしっくりきていた。
深津絵里のダラダラしたズボラな雰囲気はいいものの、
面白くもないネタを繰り返すし、
西原理恵子の自伝的な作品であることは分かっていたものの、
どこに向かおうとしてるのか、焦点はどこなのかが分からず、
“いけちゃんとぼく”同様に描かれるきつい虐めやそれぞれの現実、
女性のどうしようもない行動には、
それに対して主人公が抱き続ける思いのような、
こういう部分を描きたいのかと、だんだん分かってきたが、
森岡利行監督も今作は微妙かなと、思っていたのですが、
ある事が起こった後の、唐突に訪れた厳しくて、愛の溢れる突き放しに、
子供時代とは逆の立場で、逆の結果を導く行動に、
完全にやられてしまって、思わず天井を見上げてしまった。
どっと出ちゃいそうだったんで。
その後も蛇足かなと思っていたら、またグッときてしまう。
主人公は親友との思い出を胸に前を向いて生きて行けるんだろうな。
そんな思い出がある人はいいな。
ちょっと遅かったかもしれないが、いやそんなことはないか、
田舎に帰れる人はいいな。
★
深津さん、はまり役
「すべての女の子を元気にする」っていうより、私には切ない作品でした。
育った環境とか、親とか、友達によって、既に未来は決まってるんじゃない?
って思うことがある。
なぜなら、負の連鎖から、抜け出すことは大変なことだから。
でも、この映画の主人公は、友達によって、未来が変わって、現在がある。
普通の家庭で育って、上京したわけじゃない自分は、昔の友達にも、頻繁に会える
環境にある。だからって、それが幸せってわけでもないし、幸せってなんだろう?
って改めて考えさせられる作品です。
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