「ヒーロー復活!」アベンジャーズ じゅんぢさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー復活!
こんなヒーロー映画が観たかった!
これが「アベンジャーズ」を観終わった後の印象だ。この興奮はスーパーヒーローとしてはスーパーマン1作目、生身のヒーローとしては「インディ・ジョーンズ」「ダイ・ハード」以来である。
9.11テロ以降のアメリカはそれまでの自信が崩壊してしまっていた。ブッシュJr.大統領は石油のための戦争を仕掛け、国民の自尊心すら傷付けた。
それらはハリウッド映画も敏感に反応し、どの主人公も自信を失い、己の存在を問うために狼狽えるヒーローばかりになっていた。
バットマンやスパイダーマンすら、自己の葛藤や身内のためにスーパーパワーを使うのに終始してしまっていた。
「アベンジャーズ」はそれらの弱さを完全に否定。
合計7人のスーパーヒーローとエージェントは誰ひとりとして、己の悩みを描いていない。また身内の危機もここにはない。純粋に市民のために悪と戦う正義のヒーローの復活なのだ。
監督のヒーローへの思い入れは半端なく、悪玉を敢えて弱く少なく描く事で、ヒーロー全員の見せ場をたっぷり描き、この映画に一番期待するものを堪能。さらに極め付はエージェント=コールソンはキャプテン・アメリカの大ファンで、彼のプレミアカードを集めるオタクである事。
これは観客の分身であり、彼の死によって観客は一気にヒーローたちを強く応援してしまうのだ。
それまでの映画化では一番つまらなかったハルクがここでは最高のキャラだ。今までの己に悩み続けるハルクなんて滅入るだけだったのがわかる。
何度も観たくなり、続編も待ち遠しい。
それは夢と憧れを描いてくれたハリウッド映画の復活でもある。
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