「パイを競い合うどころか海の猿に全滅させられるのに待ったをかける」アベンジャーズ しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
パイを競い合うどころか海の猿に全滅させられるのに待ったをかける
今夏の洋画で目玉は、まあ、「ダークナイト・ライジング」「プロメテウス」「マダガスカル3」そしてこの「アベンジャーズ」
ところが、観客動員数は開けてみれば、「テルマエ・ロマエ」の勢いを受けてそのまま「海猿」の圧勝となり、「ダークナイト3部作」が完結しようとも、そして先々行上映という、ガックリな商法にいかざるを得なかったエイリアン前日騨という「プロメテウス」があろうとも、夏もひょっとしたら秋も伊藤「悪の経典三池」英明さんに完敗、と言う結果になりつつある。
しかし、よくよく考えたら、これらを目玉と思っているのは、映画オタだけなのかもしれないよね。あ、「マダガスカル3」は未見だが、がんばってほしいね。理由は特に無い、柳沢さんが好きいうぐらいで。
さて、そうしたなか、この「アベンジャーズ」の売り文句。
「日本よ、これが映画だ」
まあ、書いてるのが、配給会社なんで、別に日本を蔑視してるわけではなく、ただ普通に本作を売り込んでるわけで、実はこの「海猿」一人勝ちを予見しての大勝負の売り文句ではないか、とも思えてくる。
そして、その中身は間違いなく、興行収入において、「海猿」にケンカを売れる十分な出来栄えとオレは本作を見てそう思った。これぐらい言わなきゃ面白くないし、これぐらい面白い。
だからこれぐらい言ってしまえ!
前の「アメイジング・スパイダーマン」でも書いたが、アメコミ・ヒーローは全然知らない。今回本作を見るに当たって予習したのは、「キャプテン・アメリカ」と「マイティ・ソー」だが、「キャプテン」は寝てしまい、実質「ソー」だけである。
で「ソー」は豪華キャストということよりも、オレはこのソー様をすっかり気に入ってしまったが、「アベンジャーズ」ではアイアンマンに独占され、その神力が半分以下で活躍するんだろうな、とは思ってた。
まあ、実際、ソー様1人でやれるっちゃやれんこともない敵で、神力は半分程度しか発揮していないだろうが、、特に人気のアイアンマンに集中することなく、きちんとハルクのその他の活躍はあった。もちろんハルクの性格などオレはしらないし、思い入れなんかないが、それでもグッとくる活躍を十分感じさせてくれる。そもそも制御不能ってのがいいじゃねえか。
キャプテンは力がないが一番無茶をするリーダーでまあ、リーダーの適正があるかは、軍の生え抜きと時代の順応性と宇宙最強の盾のおかげでしかないようだが、そこは部下が大人になった、と言うことにしておこうか。見た目も若いし。
アクションはホント素晴らしい。今回の3Dも「トランスフォーマー」で感じたようなとっても3Dがよく感じられる演出だったと思う。
特にアイアンマン。やはり3Dとメカの相性はいい。
ボディとか前面に出て、奥行きが綺麗に感じられる。確かにアクションは「トランスフォーマー」まんまっちゃまんまなんだけど、堂々とそういうみせ方をしているんだから、すごかったから許すっ、てのでいいんじゃねえのかな。
確かに2時間30分は長い。3Dで目はやられる。
しかしそれでも「これが映画だ」ってぶちまけた配給会社の心意気が感じられる、誇れるデキになっている。