THIS IS ENGLAND

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THIS IS ENGLAND

解説

「トゥエンティーフォー・セブン」のシェーン・メドウス監督が、自身の体験をもとにサッチャー政権下のイギリス郊外に住む若者たちを描いた青春映画。1983年のイギリス中北部、父親をフォークランド紛争で亡くした少年ショーンは町にたむろするスキンヘッズの不良たちと出会う。友達のいなかったショーンは彼らと心を通わせていくが、やがて過激な愛国主義の男コンボの登場で仲間たちは分裂していく……。

2006年製作/98分/イギリス
原題または英題:This Is England
配給:キングレコード、日本出版販売
劇場公開日:2009年3月14日

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映画レビュー

5.0イングランドはスキンヘッドの土地じゃないよ。

2021年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

今年2021年の抱負にネオナチ、ミリシア、スキンヘッド、国粋主義、米国のヒルビリーの貧困層などの映画やドキュメンタリーなどをみたり読んだりして、政治分断の社会で相手側からの視点で物事を見てみることにする。 個人的に中道左派なので、やっはり、公民権運動や少数民族や移民の見解での方が、映画や書籍などは理解しやすいし、楽しみやすいし同意する。 今回、This is England と言って、題だけで、すでに内容が想像つくのを借りてきた。全く私の思った通り、狂いもなく、『This is England 』で、イングランド以外はお断り。 最初は千八十年代の英国のアーカイブからの抜粋ではじまる。サッチャー、フォークランド、スキンヘッド、チャールズとダイアナの結婚、、、、など、時代背景を見せてくれる。 しかし、観賞後、これは1980年代でなくても今でも当てはまる。歴史背景の大切さより、今 現在でも起きうるヒューマン物語だ。そして、国粋主義の団体に入り込んでいく若者の姿が、良く現れている映画だ。ウッディーのように『洗脳だ』といって、初めからこの団体を拒否する判断力のある力強い人もいる。 ある若者のように、団体に入って有力者レニーのスピーチを聞き、『おかしい、こんなことまともに信じてるのか?』と気づく人もいる。(人種差別者は現実主義者とナチは愛国者と言葉を変えている。それに、我々はここで生きているんだ。国が盗まれている)とか。。。 その他に、こういうお偉い人の言っていることは全てが正しいと思って、自分の意見をもっていない若者もいる。 この映画ではっきりわかる。どんな若者が国粋主義の団体に入っていくか!? ミルキーとコンボ: でも、ここでミルキーのような存在、どっちつかずで迷って行動している人が、標的になる。そして、ミルキーの家族の民族背景は移民でジャマイカ人で黒人だ。この映画で間違いなく、ここでコンボの標的はミルキーだった。 このシーンは私にとって圧巻だから説明する。ミルキーは自分は『イギリス人』だと皆の前で宣言した。しかし、ウッディーの説得で、重い腰をあげて、白人至上主義のコンボ(Church of Christ: 十字架の刺青を額の下に入れてる)から離れた。それなのに薬を持っていないかとか?聞かれ、コンボの仲間のところへ。 ミルキーの好きな曲とコンボの好きな曲が一致。これはミルキーのおじさんの好きな曲。このタイプの曲はイングランドに入って、スキンヘッドの曲にとコンボが。コンボはミルキーに家族のことを数々質問し、孫が多いのに驚いたり、労働者の父親が家族を支えるため、一生懸命働いていたと。コンボはミルキーの家族のことを『完全なパッケージ』だと。このへんから、コンボの様子が、契りを交わした兄弟ではなくなり『お父さんの悪かったことは何?問題は』と。ミルキーには答えがない。『完全なパッケージ』のなかのなにひとつコンボは持ち合わせていない。『貧しくても堅実に働き幸せな家庭』なんて経験したことがない。ミルキーに対する妬みがここで爆発。そして、コンボはミルキーの問題は『N... 』黒人だということだと。これが、コンボなりのただ一つの優越感なんだ。黒人は白人よりよくてはいけないという白人至上主義者の優越感。強烈なシーンだった。 ショーン: 1983年12歳の主人公ショーンは学校でいつもいじめに会う。履いているパンツが大きすぎることでもいじめの対象にてしまう。だから、転校を母に願い出るが、母親は父親は帰ってこないと言う。ここの段階で、父親は母子を置いて逃げたのかと思って見ていた。 そこで優しい声をかけられ、自分の存在を否定せず、認めてくれて、可愛がってくれるお兄さんを中心としたグループに会った。父親のことを善かれ悪しかれ言われたくない。コンボもきっとショーンのように父親との関係が薄かったと判断したから、ショーンの気持ちを察することができ、『いつでも何でも相談してくれ、失望させないから』と車の中で。この言葉に求めていた父の存在を見ることができたショーン。 イングランドはフォークランドで戦勝し、戻ってくるが、ジョーンの父親は帰ってこない。ショーンは父親の写真を見つめる。 母親とこれからもっと寄り添っていくだろう。 Saint George's Cross を海に捨てる。これはコンボからのプレセント。 蛇足 ちょっと調べて見たが、 カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)1987年ルートン出身16歳のジェベットとショーンは同じ世代なんだ。ルートンはロンドンの北にあるが、そこからこの映画のロットティンガムは150kmばかりもっと北に行く。おなじ、England (イングランド)になる。

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Socialjustice

4.0イギリスを知りたい方へ

2009年4月27日
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

私はイギリスが大好きです。というか、イギリス発の音楽を中心に大好きです。イギリスには行ったことはありません。でも、アイルランド出身の友達はイギリス人が大嫌いです。 小さいことから大きいことへ。家庭から国家へ、国家から台所へ。 どこの国も問題は小さいことから派生していくものです。 この映画は現代のイギリスの膿をさらけ出します。さらけ出されて気持ちの良い人はいないと思いますが、この映画はとても生活の匂いのする描写が多く、とても感情移入させられます。 暗く、一人で世界を考えたい方におすすめです。

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dobuboba