劇場公開日 2009年7月18日

「惜しい」アマルフィ 女神の報酬 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0惜しい

2009年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

自ブログより抜粋で。
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 惜しいんだよなぁ。
 織田裕二主演ありきの企画だけあって、織田裕二扮する黒田は、まさに青島刑事以来のはまり役でカッコイイ。
 イタリアロケにこだわった撮影も功を奏していて、素晴らしいロケーションで魅せてくれる。

 でも、サスペンス・ミステリーとして観るとかなり薄味。
 黒田と研修生・安達の出会いのシーンはクールで腕の立つ黒田らしさがうまく表現されていて、けっこういい滑り出し。黒田がなにやら特命を受けているらしいという思わせぶりな設定も巧い。
 なのに、端を発する誘拐事件の描き方が単調で、まさに観光案内映画にしかなっていないのよ。

 セリフでは大使館内部にも共謀者がいるかもしれないと振っておきながら、とりたててそういう描写がないのもサスペンス感を欠いている。
 犯人の目的がほかにありそうだとわかってきてからはグイグイ引き込まれるんだけど、その頃にはミスリードもないまま犯人の察しがついてしまうので、犯人探しの面白みは無いに等しい。
 誘拐された娘・まどかの病気が展開的にまったく機能していなくて、ラストではすっかり忘れ去られているのも気になった。
 終わってみればタイトル『アマルフィ 女神の報酬』も、どこが「すべての真相は、そこにある」なのやら。

かみぃ