「純愛を描いた作品。好きこそものの上手なれ。」スラムドッグ$ミリオネア 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
純愛を描いた作品。好きこそものの上手なれ。
2009年第81回アカデミー賞最多8部門(作品賞、監督賞(ダニー・ボイル)、脚色賞、撮影賞、編集賞、作曲賞、主題歌賞)受賞。
そのタイトルから判るように、イギリス発祥の『Who Wants to Be a Millionaire?』(日本でのタイトル「クイズ$ミリオネア」)と言うクイズ番組がモチーフの映画です。下となっている『Who Wants to Be a Millionaire?』は、世界中で同じフォーマットで製作されていて、BGMとかも世界で同じですし、CM明けに「Who Wants to Be a Millionaire?」と言っているのも世界で同じです。フォーマットが同じと言うより、コピーと言うべきかもね。この作品は、ミリオネアでの不正をモチーフにしていますが、2001年にイギリスにおいて全問正解者が不正を行い逮捕されたという事件が実際にあったと言うのにはビックリです。
アカデミー賞作品賞受賞と言うことで見に行ったんですが、正解でした。正直、余り期待していなかったんですが、期待に反して非常に深い作品でした。アカデミー作品賞も納得です。スラムに住む若者がどんな半生を過ごしてきたのか、スラムに暮らすということがどういう事なのか、と言うものを描いています。私は、インドに行ったことはありませんが、あの混沌とした雰囲気は、インドに行ったある人の言葉によれば「まさにインド」だそうです。
あ、そして、純愛ですね、一番大切なモノは。混沌とした中で一生懸命生きて、純愛を貫いている若者の半生、って言うか、それまでの人生そのものを描いています。まぁ、そう言うベースが無いと、この映画のストーリーは、結構、やり切れない話かも知れません。
一応、イギリス人監督の作品ですが、エンディングはやっぱりインド。出演者が音楽に合わせて踊りまくっていました。それと、エンドロールに、少年の頃から描かれているジャマールやサリーム、ラティカなどが、それぞれの年代の少年少女の顔も出ていたのは、いいアイディアだと思いました。
繰り返しになりますが、傑作です。インドの混沌を描いていると共に、純愛とは何か?と言う事も描いています。