「イーストウッドのツンデレ演技がみもの」グラン・トリノ antさんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッドのツンデレ演技がみもの
イーストウッド作品というとシリアスという先入観を持って見ると、前半の笑えるパートの多さに驚く。最初はいかにもな頑固じじいとして登場する。やがてアジア系移民の少年タオと親しくなると彼にアメリカ流の行き方を伝授する。ここは教育のパートとなるわけだが、「お前が認めているわけじゃないんだぞ」というイーストウッドの不器用な愛情表現が良い。
もちろん終盤には修羅場が待っているわけだが、結末は予想できないとは言わないがやや意外な方へ行く。最近のイーストウッド作品はどちらかというと組織論、末端を気遣わない上層部という構造を描くのがうまかったが、ここでは個人を描いている。その行動は見事といえるものだが、本人もそれが時代遅れだと知っているからか、やはり寂しさも漂うものになっている。
スコアに関しては何点を付けたらいいかわからないので、とりあえずB+。
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