劇場公開日 2011年3月26日

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「4人のファイター、それぞれの戦い。」ザ・ファイター SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

4.04人のファイター、それぞれの戦い。

2011年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

この映画のタイトルは「ザ ファイター」ですが、その「ザ」は本編の誰を指しているのでしょうか?マーク ウォールバーグ演じるスランプに落ちた現ボクサーの戦いか?それともクリスチャン ベール演じる薬物と戦う元ボクサーで現トレーナーの兄の戦いか?それともエイミー アダムズ演じるバーテンダーの男たちとの戦いか?それかメリッサ レオ演じる9人(息子2人娘7人)を育て上げた母親・マネージャーとしての戦いか?解釈はそれぞれだと思いますが、いずれにしても皆それぞれ戦いがありそれを上手く描かれている作品だと思います。

1980年代のマサチューセッズ州が舞台の本作上記で上げた4人の戦いのほかに兄弟の絆だったりボクサーとバーテンさんの恋だったり主人公のミッキーのチャンピオンへの道を描いています。

注目は主要3人の演技と上手く描かれたファミリードラマ。この作品は「レイジング ブル」や「ロッキー」のようにボクシングが中心となって描かれている作品ではなくむしろ家族のドラマが中心となっていて見終わったとつい「シンデレラマン」がこうであったらいいのになと思いました。それから、ベールのやせこけた姿やアダムズの増量して撮影に望んだ姿はもちろん凄いのですが、何と言っても凄いのがメリッサ レオのへ~ん~しぃ~んぶりです。まさにカメレオンとイってくらい凄い変身ぷりです。この作品と彼女が数年間に撮った「フローズン リバー」を観てもその差は歴然です。

さて、ボクシングシーンはどうだったのかと言うと80年代のボクシングシーンを観ているというよりは現在の技術を駆使したボクシングシーンとなっています。リアルなのはリアルなのですが、自分が小さかった頃スローモーションだったり、上からのカメラってあったかなと思いました。まるで現代のK-1の中継を見てるみたいで今の技術とその頃の技術のギャップを感じるはずのところがあまり感じなかったと言うのが正直なところです。

そして、この作品にもう一つ弱点というか欠点があるとすれば、それはマーク ウォールバーグの演技です。何だか彼は「ブギー ナイツ」から変われない演技をしているように思えます。

いずれにしてもこれはなかなかの良作です。是非1度チェックしてみてください。

SAOSHIーTONY