「ハッセルブラッドとスクラップブック」今度は愛妻家 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
ハッセルブラッドとスクラップブック
行定監督の映画を全部見ているわけじゃないが、
人物をとても魅力的に撮る人だなぁと思って観てます。
で、今回の薬師丸ひろ子。
めちゃくちゃかわいい奥さん。
ハッセルブラッドのフィルムカメラにこだわる
天才カメラマンと、新聞のスクラップブックを
作るアナログな奥さん。
それが今作品の人物の描き方ですよ。
という監督からのメッセージ。
彩りは豊かでありながら、
やさしく包み込むようなフィルム描写。
まるで、さくら(薬師丸ひろ子)を撮るために
存在しているかのようなハッセルブラッド。
そんな彼女の想い出を、
子どものようなクズ男北見(豊川悦司)も
デジタルのように簡単には切り替えできない。
”なんで生きているときに言ってあげないのよ!”
そんなのは失ったことがない人が言える台詞。
1年をかけて、失った日々を思い出すかのごとく
自問自答するしかないのだ。
まるでスクラップブックのように。
やっと最後の1ページを貼り終えたとき、
初めて新しいページをめくることができた。
そして、雪が降るクリスマス(命日)
ハッセルブラッドを持って街にでかけるのだ。
なんて素敵なエンディングでしょう。
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