劇場公開日 2010年1月16日

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「ハッセルブラッドとスクラップブック」今度は愛妻家 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ハッセルブラッドとスクラップブック

2025年6月17日
PCから投稿

行定監督の映画を全部見ているわけじゃないが、
人物をとても魅力的に撮る人だなぁと思って観てます。
で、今回の薬師丸ひろ子。
めちゃくちゃかわいい奥さん。

ハッセルブラッドのフィルムカメラにこだわる
天才カメラマンと、新聞のスクラップブックを
作るアナログな奥さん。
それが今作品の人物の描き方ですよ。
という監督からのメッセージ。
彩りは豊かでありながら、
やさしく包み込むようなフィルム描写。
まるで、さくら(薬師丸ひろ子)を撮るために
存在しているかのようなハッセルブラッド。

そんな彼女の想い出を、
子どものようなクズ男北見(豊川悦司)も
デジタルのように簡単には切り替えできない。
”なんで生きているときに言ってあげないのよ!”
そんなのは失ったことがない人が言える台詞。
1年をかけて、失った日々を思い出すかのごとく
自問自答するしかないのだ。
まるでスクラップブックのように。

やっと最後の1ページを貼り終えたとき、
初めて新しいページをめくることができた。
そして、雪が降るクリスマス(命日)
ハッセルブラッドを持って街にでかけるのだ。

なんて素敵なエンディングでしょう。

にゃろめ
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