「ベートーヴェン交響曲第3番『英雄』」路上のソリスト マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
ベートーヴェン交響曲第3番『英雄』
ロサンゼルスにベートーヴェンのブロンズ像があるのは知らなかった。ウランバートルにビートルズ像がもうすぐ撤去されるそうだ。寒い時に見てきた。
新聞を読まなくなったとこの映画では嘆いているが、現在は新聞を読む人間が絶滅危惧種になった。そして、新聞会社の元で経営してきたテレビが終わりを告げている。更に愛の無いAIのおかげで、情報が物凄く整理され、インターネットのスピードが早くなった影響もあって、NET社会も終焉が見えてきた。それでいて、相変わらず武力行使は平気で行われる。つまり、ひょっとしたら、文明の終焉なのかも知れない。ペシミズムに考えれば。
新聞記者が怪我をして入院する所から話は始まるが、彼らは高額の社会保険を、支払っているので、難なく退院できた。
その後、ロサンゼルスのスラム街にダンクするが、まさにそこは『天国と地獄』の『地獄』彼らは路上生活者ゆえに医者に行く事すら出来ない。
アメリカの社会保険制度は日本のそれと全く違う。日本で『PLAN75』なる法案を考えている者がいるが、彼らの考え方は、アメリカの社会保険以下に日本の社会保険を変えていきたいからで、アメリカの保守的大統領と全く同じ考え方に基づくのだ。
さて、国体維持の為のみに日本の社会保険制度までも瓦解させて良いものだろうか?
僕の問題ではない。若い人達の問題である。
世界平和や国の事を考える事は絶対に必要であるが、言うまでもなく“自分の為だけに”社会を変える必要があると思うが。
この新聞記者も愛の無いAIが登場する前に、藻屑と消えている事だろう。
黒人がベートーヴェンに拘る姿はバグダッド・カフェでバッハに拘る黒人ピアニストの姿が思い浮かぶ。話が派手で直接的なので、また、実は実話に基づく話なのだろうが。
そして、ベートーヴェン 第9番 第3楽章で終わる。多分、喜びの歌を残して終了して知る所に意味があるのか。
そして、まさに主題として
最後の最後にチェロの独奏で終わる。
原題 The Soloist 製作年 2009年
製作国 アメリカ
劇場公開日 2009年5月30日
上映時間 117分