「ナイーヴブリーフ男とメンヘラマグロ女の恋愛話。」ノルウェイの森 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
ナイーヴブリーフ男とメンヘラマグロ女の恋愛話。
小学生の頃にめちゃくちゃ売れた小説。
高校生ぐらいで買って読んでみたけど、さっぱりわからないし、
なんか気持ち悪いエロ小説だなぁと思って、すぐ古本屋で売却した記憶がある。
同じ60年代後半を舞台にした本でいえば、
三田誠広の「僕って何」とか、高野悦子の「二十歳の原点」は、
思春期特有の「人はなぜ生きてるのか」的な命題の、
答え探しの一環として、面白がって何度も読んだのだが、
これら、全共闘に没頭した人々も、
ノルウェイの森の主人公のような、学生運動から少し距離を取ってた人々も、
共通してるのは、ナイーヴで、おセンチで、メンヘラってる連中ばっかで、
当時のインテリは、とても気持ちの悪い存在だ。
一方で、うちの父親のような、朝鮮学校の生徒たちと喧嘩してた、
感情だけで生きてるような、インテリじゃない人たちのほうが、
理解できるし、親近感が持てるし、人間臭くて、良い。
なので、映画なら「パッチギ!」は好きだけど、
「ノルウェイの森」は、小説は無理でも映画なら見られるんじゃないか、
と思いチャレンジしてみたが、30分持たず鑑賞脱落した。
原作小説で無理なものは、映画でも無理だわ。無謀でしたわ。
まず、主人公が気持ち悪い。SEXマシーンで手あたり次第、女を食い荒らす。
それしか頭にないのかよって感じだし、そのくせ時代的にブリーフなもんだから、
余計に気持ち悪く、SEXマシーンなのにナイーヴで変態にしか見えない。
ヒロインはもっと気持ち悪い。幼馴染の彼氏が突然死んじゃって、
喪失感からなのか、心まで病んじゃって、マグロ女の特性持ちで、
メンヘラのマグロ女なんて、ただただめんどくせーだけじゃん。
末路もなんとなく予想つくので、脱落後あらすじ確認したら、思った通りの結末だった。
まぁでも、今、巷で話題の「子宮恋愛」ほどは気持ち悪くないかも。
村上春樹の世界観なんて、はなから自分には無理だったのだ。
ただし、演者は悪くなかった。
他の作品で、年齢不詳で40過ぎても学生役をこなせる松山ケンイチも、当時いそうな七三男だったし、
菊地凛子は30手前で二十歳の役だったが、団塊世代の二十歳なんて老け顔女ばかりなのは、
父親の卒業アルバムで確認済だったから違和感なかった。むしろ昭和的で合ってたほうだ。
演者でも脚本でもなく、原作はキツかっただけ。