東京残酷警察のレビュー・感想・評価
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民営化!東京警察株式会社は、刃向かうものに容赦無し!
2008年公開の懐かしい一本です。
「片腕マシンガール」に続くTOKYO SHOCKシリーズの第2弾。当時は雑誌とかでも結構話題になってたし、各種の映画賞も受賞した作品です。地元では、公開されなかったので、DVDの発売を待って、即購入しての鑑賞だったんですが、期待が大き過ぎたせいもあるのかな。「片腕マシンガール」程の高揚はなかったという印象しか残っていません。
このマイナス印象の記憶が良かったのか、今回の再見では、最初の数分で、すっかり引き込まれちゃいました。これ面白い!
“エンジニア“という特異なキャラクターを設けたことによって幅が広がったといいましょうか。よりパワーアップしたグロさ。
そして、とても魅力的な主人公の女性。すごくかっこいい。
近未来、エンジニアと呼ばれるミュータントが起こす残酷無比な殺人事件が多発したため、民営化され武装強化した警察は、エンジニア・ハンターという特務機関を発足させた。最強の抜刀術を駆使するルカは、単身捜査を行ううち、謎の男の存在を知るが、一連の事件は意外な展開を迎えていく。
TOKYO SHOCKではお馴染みの大量の血飛沫と、作り物丸わかりのチープなグロ描写で、思いっ切り楽しませてくれます。でも、卑猥な場面はありますが、エロっぽさは、ちょっと足りないかな。
【ネタバレ】
思ったんですが、この監督。かなり永井豪先生の漫画が好きなんじゃないでしょうか。
エンジニアは、「デビルマン」に出てくるデーモン族みたいだし、署長なんて「バイオレンスジャック」のスラムキングそのまんまでした。人犬まで連れて・・・(人犬の両手・両足が剣になって戦うところはなかなか面白かったです)。
とは、言ってもそれがいやって訳じゃないんです。大好きな漫画が実写になったみたいで、すごく嬉しかった。
機会があれば、ぜひ永井豪先生の作品を実写映画化してほしいくらいです。
MORE GORE!世界が認めた残酷表現
いよいよ10月4日よりTOKYO SHOCKシリーズの2作目が公開になる。
「東京残酷警察TOKYO GORE POLICE」他に類を見ない驚愕のエンターテイメントである。
特殊造形特殊メイクの職人でもある西村喜廣監督は園子温監督作品や「ミートボールマシン」と言った作品で既に海外から高い評価を受けていた。
ゆうばり映画祭でも上映された「赤んぼ少女」のタマミ、「片腕マシンガール」の腕のガトリング銃、ドリルブラ、残酷効果など全て西村氏の仕事。
今までは山口雄大監督や井口昇監督とのコラボだった訳だが満を持して今回メガホンをとったのだ!
専売公社、電々公社、国鉄、日本郵便、そしてとうとう警察までもが民営化されてしまった近未来。決して悪を許さない態度のTOKYO POLICEに反抗すべく凶悪な事件が起きる。
エンジニアと呼ばれる身体の中に鍵型の腫瘍を持ち腕や足を失っても瞬時に肉片を蘇生させそれを凶暴な武器に変えて反撃してくる犯罪者にエンジニアハンター・ルカ(しいなえいひ)が立ち向かう。
エンジニアの事について調べて行くうちに鍵型の腫瘍を培養し世界征服を目論む謎の男キーマン(板尾創路)との対決、そして明らかになって行く育ての親TOKYO POLICE署長(菅田俊)と民営化に反対していた警官でルカの父(堀部圭亮)との関係。
「片腕マシンガール」が単純な復讐劇の娯楽作品なのに「東京残酷警察」はどうなるか先行き不安な生ぬるい日常に対して喧嘩を売ってる、社会性を帯びた内容が残酷表現以上に刺激的だ。
また脇を固める俳優人がマニアックで個性的だ。
警察解剖室のおやじバラバラマンに猫ひろしの付き人ジジ・ぶぅ。
警察無線のDJに劇団毛皮族のセクシーお姉さん、町田マリー。
ホテトル嬢手配師Mにゆうばり映画祭では色んな事で有名な女優、中原翔子。
TOKYO POLICE隊長にゆうばり映画祭10周年記念作品でかなり印象的な演技をみせた紅井ユキヒデ。
隊長がプライベートで訪れる怪しいクラブのダンサーに人気AV女優長澤つぐみ。
劇中に流れる架空のCMは井口昇監督と山口雄大監督がメガホンをとっている。
これがまた風刺が効いていてブラックながら笑える。
こんな映画今までなかった!
カナダではベスト・アジアン・フィルム金賞、韓国では奨励賞と今までスプラッター映画が受賞することすら困難な賞をかっさらったのだ。
この映画はあくまで米国向けで日本での公開予定は全くなかったらしい。
それが日本の劇場で鑑賞する事が出来るのだ。
喜ぶべき事ではないだろうか。
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