そして、私たちは愛に帰る

劇場公開日:

解説

2007年カンヌ国際映画祭にて最優秀脚本賞と全キリスト協会賞を授賞したドイツ・トルコ合作のヒューマンドラマ。監督・脚本は「愛より強く」(2004)でベルリン映画祭金熊賞を受賞した俊英ファティ・アキン。余生を娼婦と暮らす父と大学講師の息子、娼婦の母と反政府活動家の娘、友人を救うためイスタンブールに旅立つ娘と娘の身を案じながらも愛情を伝えられない厳格な母。ドイツとトルコを舞台に、すれ違う3組の親子の人生の旅路を描く。

2007年製作/122分/ドイツ・トルコ合作
原題または英題:Auf der Anderen Seite
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2008年12月27日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第60回 カンヌ国際映画祭(2007年)

受賞

コンペティション部門
脚本賞 ファティ・アキン

出品

コンペティション部門
出品作品 ファティ・アキン
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映画レビュー

4.5タイトルなし

2024年8月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

抜群の出来。 時が全てを解決する、と。 辻褄の合わなさや現実離れした人物の行動など、違う演出だと見るに堪えないかもしれないが、この監督だと違和感なく見られてしまう。フリッツ・ホンカもソウル・キッチンも見事な出来だったし、今作も素晴らしい。 とてもたくさんの事、国や政治や親子や恋人や宗教や、それぞれ複雑な事柄が絡み合う様を捉えているけど、全て綿々と築き上げてきたもので、一秒では変わらない。それを表すラストカットが、とてもとても感心した。 なんだろう。ちょっと違うけど三宅唱みたいな鑑賞感。かなり器の大きな監督だと思った。

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kazuyuki

4.0タイトルなし

2021年8月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2007年カンヌ国際映画祭 最優秀脚本賞 ヨーロッパ, ドイツ, 映画賞受賞作 *娼婦と暮らす父と大学教授の息子 *娼婦である母と反政府活動家の娘 *友人の為にイスタンブールへ旅立つ娘とその母 3組の親子 交差する6人 政治•社会背景 日本人にはわかりにくい宗教 トルコの景色•土地柄•人柄 異国の文化にも触れられる 海辺で父アリを待つネジャドの 最後の景色が心に残ります ドイツとトルコを舞台に 親子の赦しと愛が描かれた作品 この作品好きです

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lily

4.5【トルコEU加盟問題を背景に、人間の善性による憎しみ、哀しみを越えて”赦し”の心に至る姿を、連関する3章構成で描いた作品。】

2021年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

幸せ

ー トルコのEU加盟問題の奥深さは、万人が知る所であろう。  今作は、その問題を背景に起こった幾つかの悲劇を、人間の善性による”赦し”により救済する悲劇に関わった3組の親子の姿を見事な作品構成で描いた作品である。ー ◆原題 "Auf der anderen Seite" (”憎しみを越えて” 次のページへ・・と私は意訳した・・) <Caution! 以下、内容に触れています。> ◆章立てで、赦しの物語は進む・・。  1.「イェテルの死」   ・ブレーメンに住む、年金生活のアリは、一緒に暮らしてくれる女性を探す。   彼は、娘の学費を稼ぐために、娼婦をしているイェテルを見初め、お金を出す事で共に住むことに・・。   彼の家には、ドイツの大学教授であるネジャットが来ていたが、3人は穏やかに夕食を摂る。   だが、アリは酒に酔い、勢いでイェテルを殴り殺してしまう・・。   ー アリは愚かしいが、息子を自慢にし、奔放に暮らす初老の男。     この章では、アリよりもトルコ人であるイェテルに対するトルコ人男性達の、     ”自警警察のような宗教観による””平安あれ”と言う言葉が、恐ろしく描かれる。     イェテルは、娘アイテンの学費を稼ぐために、自らの行為を”汚れている”と自覚しているのに・・。ー  2.「ロッテの死」   ・トルコ、イスタンブールで、EU加盟に反対する反政府デモに参加しているアイテン。彼女は、警官から奪った”あるモノ”をビルの屋上に隠したまま、ドイツに不法潜入する。同士から、食事は安い大学の食堂で‥、と言われたアイテンは、親切な学生シャーロット(ロッテ)の行為により、部屋をシェアしてもらい、恋に落ちる。警察に捕まったアイテンはロッテにある頼み事をするが・・。   ー この章では、人間の善性が描かれる。哀しい結果になるのだが・・。ー  3.「天国のほとりで」   ・ロッテの死の真相を得るために、ロッテの母がイスタンブールにやって来る。そこには、父の犯した罪がきっかけで大学教授の職を捨て、町の本屋のオーナーになっていたネジャットが住んでいる。彼は、父が誤って殺してしまったイェテルの娘、アイテンを探していた・・。   ー ネジャットの、ロッテの母に対し、温かく接する姿が、じんわりと沁みる・・。ロッテの母の哀しみを抱えつつも、気丈に振舞う姿も・・。ー <ファティ・アキン監督作品は、「女は二度決断する」を鑑賞し、ダイアンクルーガー演じた、哀しき女性の姿とともに驚き、  実在した殺人鬼「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」を観て”うーむ・・”とモヤモヤした気分のまま、今作を鑑賞。  結論から言うと、今作は人間の善性と、赦しの心を描いた秀作である。  エンドロールで、牢獄から解き放れた父アリを、海岸で延々と待つネジャットの姿が印象的である。>

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NOBU