「う~~よくできたアメコミ映画だ!」ウォッチメン JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
う~~よくできたアメコミ映画だ!
政治的かつ破滅的なのに、あくまでもアメコミの体裁を崩していないのが、素晴らしい。アクションにも見とれてしまうが、残虐描写も手を抜いていない。クラシックやフォークソングが織り交じり、アメコミらしさも忘れていない。
さらには、正義とは、という大テーマに対しても答えは出さずとも、様々な正義のぶつかり合いを魅せてくれる。
ロールシャッハがとにかく格好いい。最もヒーロー像から遠いように見えて、実は一番熱い正義の持ち主で、社会の底辺を見てからは、悪人にならどんな残虐な仕打ちも惜しまない。
そんなキャラにあのマスクと声がぴったりで、渋くて格好いいんですわ…。生い立ちもダークヒーロー感漂っていて、死に際までも潔い。(正直、死ぬシーンは号泣した)
他にもヒーローが数人でてくるが、誰もかれもがキャラがたっていて、それぞれの正義観も胸が痛いほどわかるのです。ひとりひとりに正義があって、それには犠牲も伴っている。ありあまる正義はいつか悪を包括してしまうし、それがだれかの敵にならざるを得ないときもある。
それが、だれもが”平和”を目指して進む姿だと思うと、こんなにも胸が痛くなるのか。そして、それが結局のところ人間のせいであるという事実。
結局、人間って愚かだけども、生命って素晴らしいし、宇宙の中でも輝いているよね、ちっぽけで邪悪だけどね。っていう矛盾が常に平行してある感じが妙に納得。
この映画もなかなか考えることが多そうだ。
ぱっと浮かんだだけでも2つ。
①ロールシャッハは死ぬべきだったのか。
②コメディアンの存在意味とは。
少し考えてみたいと思う。
2022/2/3 2回目の観賞
アルティメットカット版を観賞
3時間35分あるが、ここで増版されている大部分が、新聞屋の横で少年が読んでいるコミックの内容。いや、これがまた壮絶なのよ、、、。このストーリー追うだけでも苦しくなりますよ、、。
やっぱり、ロールシャッハだいすきだ。実は彼がいちばん人間らしいのだ。彼が死ぬっていうのはつまり、、、。