ハート・ロッカーのレビュー・感想・評価
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イラクの兵士と市民の置かれた状況の疑似体験をさせてくれる
総合80点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:95点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
イラクの治安維持は、誰が敵で誰が市民か判断が出来ず、いつどこから攻撃されるかわからないという不気味さがある。まるでドキュメンタリー作品のような現実感があって緊張感の張り詰める現場の雰囲気が伝わってくる。与えられた役割や義務を無視した主人公のとる勝手な行動には実際の戦争経験者からの批判もあるようだが、とにかくこれだけイラクにおける米軍の行動に肉薄した質感が素晴らしい仕上がり。「ブラックホーク・ダウン」ほどの派手さはないが、真剣な演出はそれによく似ている。それなのに、この映画はわずか1500万ドルの低予算で制作されたというのだから驚くばかりだ。
物語は一応危険に対する中毒ということが取り上げられてはいるものの、日々危険に直面する兵士の姿をひたすら描くだけで大きな流れはない。しかしそれがイラク市民と米軍兵士の置かれた状況の一端をイラクにいない視聴者にも理解させてくれるし、死をもたらすものたちが自分のすぐ近くのあちらこちらに潜んでいて、それらが突然に正体を現して襲い掛かってくるという怖さが映画としての面白みになっている。
いろんな意味で真面目な映画です
もちろんテーマは大真面目です。今のイラクの混乱をみるにつけ、このテーマの重要性はよく感じられます。また爆弾処理班に焦点を当てたこともこの映画の真面目さを感じます。この戦争特有の緊張感をとても如実に表す素材だったように思います。加えて撮り方も真面目だと感じました。最初は画面がグラグラして今どきな感じもありましたが、後半は次第に緊張を含んだ静的な雰囲気が出てきていたように思い、意外なほどに意外性を演出しないように演出していたように思います。
そして何より、こころの描き方が本当に真面目でした。ふとした交流によって微かに主人公のこころが揺れ始める、その微かさがよく感じられたように思います。
先入観なく、また期待とかあまりせず、何気なく観てみたという感じだったのですが、これは観て良かった作品だと思いました。
戦争に人生を吸われた男達
本当にアカデミー賞?
あ、この主人公嫌いだわ。。
とにかく最初から最後まで主人公に感情移入できず、もはやコイツ嫌いだわ〜。と言ってしまった。
確かにリアルなのかもしれない。
けど、映画として見た時に退屈なんですよね。戦争のリアルを求めるなら完全ドキュントでいいかと。
でも…戦争の怖さだったり悲しさだったりを考えさせられた作品は沢山あるわけで…ん〜。
私には戦争ってテーマより主人公の身勝手さだったり面倒臭い奴というのがアピールされすぎてて好きになれません。
この作品に出会って気づいたんですが、多少なりとも主人公の考え方とか行動に理解できるモノがないとつまらないんだなと思いました。
なんか想像した通り?
心優しき爆弾処理班のお話
DVDしかレンタルが無かったので画質には目を瞑りましたが、とても内容はよかったです
アカデミー賞作品で戦争物で人気作だったので何気なく借りてみようと思い、途中で寝てもいいやと見始めたところ、すぐに食い入るように世界観に飲み込まれました。
すごくリアリティのある撮り方とストーリーで、緊迫感や臨場感が伝わり、まさにこうやって現地で前線で命を張って活躍している人がいることを考えさせられ、人生に残る作品になりました。
同じ人間でも、同じ人種でもここまでできるのかというような恐怖感も伝わり、人間の天敵は人間ということを改めて感じさせます。
自分には到底踏み込めない世界ですが、世界やほんとに心から助けを願っている人を救っているのはこういう人たちだと思います。
子供のころの思い出は
結局はアメリカご都合主義の映画
昨年のアカデミー賞で『アバター』と熾烈な賞争いを繰り広げ、見事、作品賞と他6部門を獲得。監督はその『アバター』や『タイタニック』のジェームズ・キャメロンの元妻であるキャスリン・ビグロー。彼女は本作で女性初の監督賞を受賞した。
2004年夏のイラクのバグダッド。これまで870以上の爆発物を処理してきたジェームズ(ジェレミー・レナー)がチームの新リーダーとして赴任してくる。彼は死を恐れぬ態度で周囲を戸惑わせ、まるでギャンブルのように爆発物の解体を次々と処理していく。いわゆる「戦争中毒」の男の精神像を丹念に描写している。
2003年のアメリカによるイラク侵攻以降、関連の作品が次々と作られた。だが、どれも興行収入は著しくない。どうやら、アメリカ人がこういった作品を敬遠しているようだ。本作がアカデミー賞を獲得した背景には、イラク戦争の賛否をはっきりと明言せず、ただ単に、いまだ治安の回復しかいこの地で黙々と戦争処理に当たる兵士たちの描写を黙々と描いているからだろう。
だが、それが何だって言うんだ。イラク侵攻の理由とした大量破壊兵器も結局は見つからず、依然、誤爆によりイラク市民の犠牲も後をたたない。こういった背景をばっさり切り捨てる描写に、はっきり言って違和感が残った。結局はアメリカのご都合主義の映画になってしまったようだ。
戦場の恐ろしさ
地味~
アカデミー賞らしい
戦地取材時を連想した。
女性監督のオスカー受賞を取り上げる前に、低予算で仕上げた品質高さに
感動する。自分でも戦場取材経験ありリアルさを感じて見た、時として
映画はジャーナリズムになる。改めてその重要さを伝えた作品でありCG
等使用しないという撮影手法も鑑賞者は心しておくべき作品では?と
思わせる。
戦場という名の職場 爆弾処理という名の仕事
人は様々な職場で様々な仕事をします。もちろん、その仕事を好きになってしまう人と嫌いになってしまう人がいます。本編ではその仕事を好きになってしまったというより仕事という名のウィルスのようなものに感染してしまった男を描いたものだと私は思います。
イラクでEODという名の爆弾処理を専門とする特殊部隊の新リーダーとなったジェームズ。彼の周りには、あと30数日間で家に帰れる部下がいるのですが、ジェームズのムチャクチャな爆弾処理方に戸惑い始めます。
注目は監督のキャサリン ビガロウが作り出すリアルなイラク戦争の現状と世界観。爆弾処理や銃撃戦の時の静かなテンションそして、最後まで観ないとわからないこの作品のメッセージです。特にドキュメンタリーに程近いリアルなバグダッドの映像は見事でした。それから、爆弾処理シーンや静かな銃撃戦は緊張感があり好きでした。そして、最終的なメッセージはストレートに伝わってくるのが実情です。“1度一つの仕事に感染してしまったら人はそれをやめられなくなる“というのがメッセージだと思います。
この作品に弱点というか欠点があるとすれば,ちょっと無駄に長いことくらいですかね。それ以外は問題ありません。
この作品は82回アカデミー賞で話題となった「アバター」よりは特にストーリー面のオリジナルさという点からより優れた作品だと思います。個人的には「マイレージ マイライフ」の方が受賞すべきだったと思いますが、本作も受賞しても納得の行く映画だと思います。
皆さんも是非、もう一度見比べてみてはいかがでしょうか?
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