「しんどい。」ハート・ロッカー RMSNKさんの映画レビュー(感想・評価)
しんどい。
あの男らしい映画ばかり撮ると言う
キャスリーン・ビグローの最新作
…と言って、ニア・ダーク月夜の出来事
しか見た事ありませんけれども。
当時は、監督の名前すら
知りませんでしたけれども。
そんな事はさておき、
1000円デーなので、行ってみました。
ワタクシくらいになると
最近は、ポスターからきき映画が出来る様に
なったので、痛快娯楽作では無い事は
事前に察知していました。
もっと御気楽で楽し気なのが
観たかったのですが、
他に観たいのがありませんでした。
そんな事はさておき
興味ある方ならご存知と思われますが、
イラク戦争での爆弾処理班にスポットを
あてた物語となっております。
のっけから、ハリウッドスターが爆死して、
あんまり有名じゃない人が活躍する展開が、
「悲しいけど、これ戦争なのよね」と、言う
昔のアニメの台詞を思い起こさせます。
俳優が誰だか知らないけど、観てるうちに
感情移入されてくるので、うぐぐ、死ぬな。
と、思う様になります。
根っから戦争狂の爆弾処理エキスパートが主人公で
わざわざ危険なシチュエーションに飛び込んでは、
ひっきりなしに、爆弾処理と、銃撃戦のシーンが
繰り返されるので、見終わる頃には
くたくたになります。
アメリカと云うと、敵陣に乗り込んで
原始的とも言える相手国の戦法に
ジワジワ精神を蝕まれる印象がありますが、
この映画でも然り。
イラク兵は異星人の如くに、
人格が一切描かれておらず、
実体も定まらず現れたり、消えたり、
同国の子供や市民を犠牲にしたり、
あからさまに非人道的な
戦法で不気味に攻撃を仕掛けてきます。
完全にイラクは残虐な悪の存在として
描かれています。
この様にもろに、アメリカ側から
物事が観察されており、
この映画の場合、描き方がちょいと
偏ってませんか?と思うんですが
趣旨が、戦争やめようね。
と云う事を訴えると言うよりは、
イラクが残虐なのも、アメリカの兵士が
死んで行くのも、根本的にブッシュが悪い。
忘れるな。て事なのか。と、思いました。
要所要所にミニストリーの
アンチ・ブッシュソングが流れる
二時間の乾いた雰囲気の地獄絵図です。
疲弊必至です。スポーツドリンクでも
持参してください。
そしてワタクシは今度から
戦争映画はDVDにしておこうと思いました。