「マニア必見」パンドラム Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
マニア必見
ポール・W・S・アンダーソン監督作品ではないが、彼の存在を大いに感じる非常にマニア向けのSFホラーだった。
代表作、「バイオハザード」シリーズが回を重ねる毎に大衆向け作品になったのでたまにこういうマニア心をくすぐる作品を製作してくれると個人的には嬉しい限りである。
人口増加に伴う慢性的な食糧難が発生した地球を捨て、別の惑星に移住をする過程での宇宙船内での物語が進んでいく。何の説明も無い序盤から「パンドラム症」という病の話が登場するのだが、これは精神的な病であり、凶行に走る可能性もある危険な病である。その病こそ、本作に密接に関わってくる厄介な代物という訳だ。
そして、その船には人ならざる物がいて・・・というB級路線まっしぐらの本作、非常に不気味でスリリングな展開が用意されている傑作SFスリラーだった。B級といってもチープさは感じず、不気味な船内とそこから襲い来るクリーチャーの造形は素晴らしい完成度だ。目には見えない心の病気という事で、誰が正気で誰が異常なのか分からないという極限の状況の中で繰り広げられるサバイバルは圧巻である。中盤くらいまで来ないと全体像が今ひとつ見えてこない点はマイナスかも知れないが、パンドラム症をうまく生かした展開は見応えがある。映画マニアにはぜひオススメしたい作品であった。
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