「あるがままの自分。」禅 ZEN ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
あるがままの自分。
曹洞宗を開き禅の教えを説いた鎌倉時代の僧、
道元禅師の生涯を描く歴史ロマン。…と説明されている。
仏教にも曹洞宗にも無知なる自分が、この話に入れるか
どうかと心配したものの、取り越し苦労は杞憂に終わった。
道元を演ずる中村勘太郎の歌舞伎さながら見事な台詞回し。
中国語にも堪能でビックリした。笹野高史までペラペラと喋る。
それぞれが各々の佇まいを凛と演じて、やや格調高いものの、
内田有紀・藤原竜也あたりに現代調のリズム感を持たせて
娯楽ドラマにも仕上がっている。なかなか面白く勉強になった。
春は花
夏ほととぎす
秋は月
冬雪さえて
すずしかりけり
何度も聞いた言葉ではあるが、素晴らしい響きがある。
「あたりまえ」や「あるがまま」を受け入れることの難しさ。
人間はどこまでも欲深い。
身体がめっぽう硬く、坐禅ができない私には、ただ
ひたすらに座り続ける「只管打坐(しかんたざ)」が興味深く、
いつか永平寺を訪れた折には、是非習いたいと思った。
(知り合いに勘太郎に似た人がいて、名を呼びそうになった^^;)
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