ガマの油のレビュー・感想・評価
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ドンッ!と音がしたからぶつかってるはず。あれじゃバンの運転手はひき逃げ。その事故からの経緯はほぼ描かれてない。
悲しい話なのに、株で大損したときと同じように笑い飛ばす拓郎。息子の拓也が寝たきり状態のときに恋人ひかりの電話に出てしまい、つい拓也を装って話をしてしまう。拓也の幼なじみである三郎を少年院へと迎えにいった時の事故だったために彼もまた責任を感じていた。
そういや、小学生の頃、お祭りで香具師によるガマの油口上にまんまと引っかかって一つ購入したことを思い出した。サクラも見事だったし、本物の刀だと信じてしまった。この作品では拓郎の幼い頃の記憶とともにファンタジーのように描かれていたけど、益岡徹の演技によってのめり込んでしまった。
結構ギャグの要素が強いけど、悲しさを表さないためにどこか異次元に飛ばされてしまった感じになった。特にクマとの格闘は要らないと思う。まぁ、『君よ憤怒の河を渉れ』や『北京原人』よりは良かったけどさ・・・
ひかり(二階堂ふみ)とのやり取りはなかなか良かった。慰めるでもなく、成りすましによって行き過ぎた結果とはなったけど、「人は二度死ぬ」ことを伝えるくだりはなかなかのもの。そして、最も印象に残ったのはコロッケの山かなぁ。
ガマの寝汗。。
映画に対する価値観はいろいろあると思うけど、
結局のところ、単純に好き好きに分かれるんだと思う。
この作品についても様々な意見が飛び交っているが、
どれを読んでも頷けることばかりで、けっこう笑えた。
ちなみに私は…かなりウトウトしてしまった方で^^;
面白かった?と聞かれたら、いや全然。と答えるだろう。
実をいうと、予告編からすでに予感はあったのだ。
つまり好き好きでいうならば、これは私の好みでない。
役所広司の描いた世界観は発揮されていると思うが、
私は役者としての彼を観ている方が多分好きだと思う。
今作では主演も兼ねる彼だが、時折抜群の表情を魅せ、
また説得力あふれる演技を披露する。それを観ていると、
「役者でいてくださいよ~、役所さん^^;」と言いたくなる。
監督には…自分の世界観を忠実に表現するだけでなく、
それを客観的に見つめ直す目も必要になってくると思う。
上映時間が長い、纏まりが悪い、ファンタジー偏りすぎ、
致命的なのは「ガマの油」とリンクできていない本編。
けっこういい話なのに、、かなりもったいない作りだ。
とはいえ、、ドラマとしては決してあり得ない話でなく、
ひとり息子を失った親の喪失感を夢の中で浮遊させつつ、
現実社会でもがきながら生きる様子を面白く描いている。
映画というより、お芝居。舞台的な演出かな、と思った。
役者たちの魅力を惹き出すのは上手い。
私には息子の彼女があまりに風変わりでダメだったが、
出所した友人・秋葉の澤屋敷純一はかなり気に入った。
一番冷静にコトを見ているのが彼で、傍観者のようで、
実は軸を握っているかのような、独特な佇まいを魅せる。
K-1選手という身体つきはさすがに凄いと思ったが、
三瓶と荒川良々を足して二で割ったような風貌が愉快。
ちなみにガマの油売りは、子供の頃実際に見たことがある。
益岡徹の口上が、とても懐かしかった。。
(俳優→監督業、最近多いですねぇ。その多才に脂汗^^;)
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