「本当の”責任の取り方”とは?」ブタがいた教室 juve0504さんの映画レビュー(感想・評価)
本当の”責任の取り方”とは?
“命と向き合うこと”を主題にしている作品だが、それ以上に“責任を取る”とはどういうことか?この点についてのほうがより考えさせられる。
期限が迫ってくる中で
・より良い形で自分の行いを引き継ぐこと
・批判を浴びようとも自分が最後までやりきること
どちらが本当の意味での責任の取り方なのか、どちらが正しいのか。
今まさにどこぞの国の政治家や、権力者たちが悩みに悩んで結論を先延ばしにしているような難題に、卒業を控えた小6の子供達が真正面からぶつかる。
台本や演技を極力排除し、子供達の自然体を写す手法は「パリ20区 僕たちのクラス」に共通するが、テーマがより単純で身近なため、解りやすく、感情移入しやすい。
正解が無いテーマであるため、子供達は自分の考えや感情をストレートに出しながらも、大人の考え・自分とは異なる意見に戸惑い、悩む。
子供らしい単純で極端な、発想や物言いは時にイラッとさえするものの、羨ましくもある。
そしてひとりひとりの考えからは大きな可能性も感じられ、「きっと自分もあのぐらいの時には・・・」なんてことも考えて何だかしんみりしてしまう。
まあとにかくいろんな意味でストレートすぎるほどのこの作品、子供の素晴らしさと危うさもとても良く表現されているのだが、あえて文句をつけるなら、「あそこまで見せるなら、食べるシーンもあっても良かった」といったところか。
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