劇場公開日 2008年9月6日

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「来年のオスカー主演女優賞候補を早くも発見!」落下の王国 dobubobaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0来年のオスカー主演女優賞候補を早くも発見!

2008年7月12日

泣ける

悲しい

幸せ

ターセム・シンというインド出身の監督でREMのLosing my relisionなどのPVが有名らしいですが、実は長編映画はこれが2作目。1作目はThe Cellというジェニロペをフィーチャーしたスリラーで、アーティスティックではあったのですが、正直、内容はいまいちという記憶があります。

さて、本作、ベルリン映画祭でCrystal Bear賞を受賞しております。出演者はみな無名の俳優さんたちですが、見つけました!来年のオスカー主演女優賞候補!Catinca Untaruという若干7歳(撮影時)のルーマニア出身の女の子なんですが、とにかくこの女の子の可愛らしく観客を引き込む演技力は、筆舌に尽くしがたいものがあります。ちょっと小太りで、第一印象は必ずしもよくない乳歯の抜けたばかりのこの女の子の演技がなければ、このThe FallもThe Cellと同様、凡作になっていた可能性もあります。Little miss sunshineのAbigail Breslinをも超える存在感。彼女の演技に、不覚にも(というか泣いてばっかりの私)嗚咽・・・。

内容ですが、「無声映画が撮影されるようになったアメリカのとある病院で、映画のスタントで下半身が不自由になった青年と片腕を骨折した少女が出会う。青年は何の気なしに、自分の想像で作り上げたお話を少女に語り始めるが・・・。」という出だしで、少女の中で作り上げられた想像の映像が繰り広げられます。その映像の美しさは、ポスターを見ていただけるとわかると思いますが、サルバドール・ダリの影響をかなり受けています。アートが好きで、子供が好きで、人生に絶望しかかっている(?)人にはおすすめです。The Cellとは、アートと言う点では共通していますが、ジャンルが全く異なります。The Cellの先入観で見ないことをおすすめします。

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dobuboba