サヨナライツカのレビュー・感想・評価
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共感できるけど映画としては
女友達はみんなハマってた。
私も女友達のお付き合いで1月に観た。
誰もが一度は経験する不倫で共感する、ビジネスとしては成功かも!
ミポリンは美しい。
でも演技がダサいのか、演出がダサいのか…シラケる。
この手の映画は、香港映画のほうがいいなぁ。
CM効果により感動半減
CMでの効果や、中山美穂さんという大女優出演、中島美嘉の歌、この条件から、期待は大きかったが、最後まで見た結果、意外と感動が薄かった。
先入観が無かったら、少しは評価も上がったけれど、個人的にハッピーエンドじゃないとすっきりしないのと、きれいな女性が、最後メイクで上手に老け顔になっているのが、個人的な価値観で評価ダウンになったのかも。
会いたいな
「誰にでも忘れられない人がいる」っていいね。私も、愛したこと思い出すんだろな。こんなに泣かされた映画ははじめてかも。
でも映画のストーリーで泣いているのか、自分の経験を思い出して泣いているのか分からなくなったかな。
イツカ、この気持ちも消えちゃうのかな。
珍しくすっかりハマっちゃいました!
映画って、制作する立場(監督や脚本家)からすると、初期設定が一番重要なんですよね。その設定項目のひとつが、原作にとことん忠実に描くか、それともどこかを削る、あるいは足して原作に手を加えるかの決断です。この初期設定を間違えると制作途中でも至る所で迷いが生じ、結局中途半端な作品に終わってしまいます。原作に手を加える理由は、原作に忠実にしたくても映像では技術的に、あるいは出来ても制作費の限界で描けない場合と、そもそも映像では伝えられない、もしくは変えた方が原作を超越した作品に仕上げられるといったことが考えられます。『サヨナライツカ』の原作をお読みになるとお分かりの通り、映画と原作はストーリーの流れでは概ね似てはいますが、登場人物の心理背景を支える重要な要素が異なっていますから、私はこの作品も映画と原作は似て非なるものであると考えています。
例えば、突然部屋に入り込みスカートを手繰りあげて沓子が豊を誘惑するあの最も妖艶なシーンも、また、豊にアプローチした本当の理由や背景も違ってますし、中軸からの重要な意味を与える光子と沓子の面会シーンは原作にはありません。また、ラストに誘う沓子の本心をしたためた手紙も映画にはありませんし、映画では最後まで意味ありのホームランボールも空港カウンターの移設成功話や同僚を殴る喧嘩のシーンもありません。まして、沓子が豊に惹かれた理由になっている豊の夢についても原作では触れられていません。なので、よく原作を読んだ後に映画を観るとあまりに違ってがっかりするということが、この作品にも十分起こり得ると思われます。しかし、単純にどちらが良い悪いという話ではなく、作者、そして映画の制作者がそれぞれの媒体の特質とまたその限界を知って何を一番表現したいのかという感性の違いがあるのであって、あとは読んだ人、映画を観た人の受け取り方に任せられればそれで良いと思います。つまり、それぞれが別個の芸術作品と私は受け取っています。
さて、その観点を持ってこの映画を観ますと、もちろん、私は制作に関わった訳ではありませんし、直接、関係者から聞いた訳でもないので憶測の粋を出ませんが、原作と似て非なるものになった理由として・・・
1.ラストに登場する沓子からの手紙はこの物語を完結させるために重要だが映像では長過ぎて使えない。その理由から全体のストーリーを映画用に描きやすいように変えた。
2.制作側が中山美穂に対する思い入れが非常に強くて、彼女の魅力を最優先したかった、あるいはしなくてはならない背景があった。結果的に原作のストーリーによる繊細な心模様の移ろいを忠実に描かずに、主人公を如何に魅力的に映像表現するかを優先した。
3.もともと原作を忠実に描くには無理があり、映画には長過ぎた。
といったことが考えれますが、単純に制作費用が十分になかったのかも知れません。現在、日本の映画業界はシネコンのおかげで多少の復興を感じさせてはいても、映画館での集客はまだまだ足りなくて、外国に比べれば制作費はすずめの涙です。そう考えると、韓国制作だからこそ世に送り出せた背景に複雑な思いを感じながらも、この作品が完成するまでの紆余曲折を支えたスタッフに私は敬意を表しますし、そこに多少違和感を感じる部分があったとしても、この作品は映画として十分立派な出来映えと思えるのです。
私の場合、映画を最初に観て、それから原作を2回読み、そしてまた映画を観るという過程を辿ったので、今では映画も原作も似て非なるものとしながらも、それぞれの魅力にハマッています。
ちなみに、当たり前のことですが、ストーリー仕立ての自然さ、細やかな登場人物の心境の変化や人柄、そしてこの作品のファンデメンタルなテーマである「人は死ぬ時に愛されるたことを思い出すか愛したことを思い出すか」という恋愛観、いや人生観の答えに辿り着くまでの計算尽くされた読者への問いかけや作者のメッセージは、明らかに原作に軍配が上がります。この辺は辻 仁成さん、さすがです。個人的には恋愛のバイブル的な深い教訓を与えてくれる不朽の名作と呼びたい位です。
そして、映画は、日本人監督ではあり得ない大胆なカメラワークや表現方法に若干違和感はあるものの、それがこの映画の中のいくつかのハイライトシーンを際立たせているとも言えます。初回はストーリー展開と俳優の魅力に引き込まれて気がつかなかった登場人物のひとつひとつの台詞や目の動きを含めた表情や仕草、それと何気ないシーンやカットにも、2回目では、イ・ジェハン監督がこだわり抜いた数々の細やかな仕掛けを発見し、そのこだわりの妙がこの映画全体に少なからず影響を与えていると感心しました。
この作品のような恋愛の実体験のない方には、登場人物の生き方、考え方が理解出来なかったり、濃厚なラブシーンも抵抗があるかも知れません。私はそれはそれで幸せだと思います。計らずも、私には豊と似たような体験があり、豊同様、その人を愛したことに一生喜びと感謝を覚えながらも、一生それを背負って行かなくてはならない辛さがあります。けれど、ひとつだけ『サヨナライツカ』と違うのは、私はまだ彼女が生きている間に「愛してる!」と言えたことです。
恋って切ない
人は死ぬとき愛したことを思い出しますか?それとも愛されたことを思い出しますか?
この言葉がこの映画の大きなテーマとなり、見るヒトの心に問いかける。
たった3ヶ月だったが、決して結ばれない2人が激しい恋に落ち、やがてかけがえのない存在と知る。
逆にそういった障害があったほうが、愛が燃えることもあるんですが…。
25年も経ったのにお互いの気持ちが変わらないって凄いと思った。
あの時の中山美穂の演技がとても切なく、男だったら間違いなく抱きしめたくなる。(笑)
自分の夢の為なのか沓子と別れた豊だったが、夢をつかんだ頃、沓子のいない人生に虚しさを感じ、それが自分には妙に伝わって、あの時なんで別れたんだろうって後悔したんじゃないかな?
自分の気持ちに気付くのが遅すぎて男は後から後悔したりするんです。(悲)
でももし、お互いがそんなヒトに出会えたらそれだけで幸せなことですね。(願)
燃えるような恋から
辻一成の作品を奥さんの中山美穂が演じる。韓国の監督がバリで撮影。私の大好きな西島秀俊も主演、それが私の観たい理由でした。許されない、激しい愛が終わったと思っていた。時を経て互いに心に残っていた事、それも哀しい形で終わるが、思い続けるうらやましさを感じた。サヨナライツカによせた妻の愛の形も理解できる。
男ってバカだね
豊と沓子の激しくも悲しい愛を描いた作品としては、浅薄な印象が否めませんが、沓子と光子、それぞれの愛の形を描いた物語として見ると、なかなか深いものがあります。
中山美穂より石田ゆり子の方がタイプだから、というわけではありませんが、自分的には光子の愛の形に一番心を打たれました。
自分自身が「愛すること」を大切に、静かで力強い光子の愛。その強さゆえに批判も多いようですが、ほとんどスポットが当たらない豊との25年間の生活を通じて、彼の「夢」を支えたのは他ならぬ光子の愛であったはず。
片や、情熱的で、行動的で、泣いたり、けなげさを見せたりと万華鏡のように表情を変えて、それはもう男心を揺さぶって止まない沓子の愛。密かに待ち続けた豊との再会を経て「愛されたこと」を胸に抱きながら、きっと幸せな最期を迎えたことでしょう。
二人の愛の深さに優劣はつけられませんが、ある意味、どちらも女の情念の深さを思い知らされます。
それに比べて、豊を通じて描かれているのは「不倫の恋に溺れる男」ですね。
いや、確かに男は沓子のような女に弱いし、同じ男として気持ちはよくわかる。わかるだけに、ちょっとイタかった。
空港で詩集と写真を豊に手渡した光子のメッセージは「愛は儚いものだから、私は求めません。あなたを愛したことで私は十分幸せだから」だったと思うのですが、果たして「老いらくの恋」状態の彼に伝わったかどうか・・「何だよ、知ってたのかよ・・やっべーな」位か?
また、再開シーンでの「NYでも君を探したんだぞ!」なんてセリフは、いい歳してあまりにも光子の存在に対し失礼じゃないですか!
ラストシーンでリフレインされる「愛してる」も、欲しいものを手に入れ損なった子供のちっぽけな感傷としか思えません。
飛行機を飛ばす夢が、いつか社長の椅子に置き換わり、それが成就すると、今度はかつて失ったものをもう一度手に入れようとする欲深い男(だからこそ社長にまでなれたんでしょうけどね)・・「好青年」というのも皮肉ですね。
そんなヒマがあったらしっかり光子の愛に報いなさい、と言いたい。
そうすれば息子も見直してくれますよ(笑)。
人間の煩悩
どうしてもどうしても好きで追いかけてしまう。
そんな気持ちはいくつになっても変わらないのかなあ、と、
いくつになっても美しいミポリンを見ながら思いました。
あんな恋がしたいか?と聞かれると、少々疲れそうだなあ、
とは思いますが。凡人には無理ですな。まさに映画や小説だからこそ、
楽しめるものなのかなあと思います。
私はいろんな意味で楽しめました♪
私だったら沓子のように生きたいです
こういった類の恋愛のお話が書ける作者の辻さんは本物の愛を知っている人なのでしょう。
愛とは人間の永遠のテーマであり、生きる意味にもなり得る特別な力を持った感情です。
本物の愛に触れたことのある人でなければ、この作品の良さは伝わりづらいかと思います。
この映画をただの不倫劇だと思った人、登場人物の誰にも共感できなかった人、主人公が可哀想だと思った人は、まだ愛するということを知らないのです。
妻=(イコール)1番愛している人、ではないと思います。
結婚とは、社会的な拘束力のある契約に過ぎません。
薄っぺらい紙に永遠を約束して安心したいだけなのではないでしょうか。
愛は誰にでも平等です。例えば、沓子と豊のような立場にあっても。自分以外の人を心から想う、その気持ちはどんなときでもどんな人にも平等であり、愛し愛することは「結婚」とゆう方法で制限したり縛りつけることができる感情ではないと思います。
それゆえに、愛は時として誰かを傷つけたり、憎しみに変わるものなのだと思います。
沓子、豊、光子。
3人の人生は幸せだったのか。
一見、誰も幸せになったようには映りません。
しかし、どの生き方も自分が選んだ道であり、愛しているからこそ成し得たのではないかと思います。
なにが自分にとって幸せかなんて自分で決めるものなのだと、この作品に教えられました。
自分が信じる愛を貫いた沓子の姿はとても美しい。
私だったら沓子のように生きたいです。
ダラダラと長い。。。
不倫のお話ですよね。
基本的に不倫は好きじゃないので、こういうお話は
好き勝手なことしておいて、その行為に対して正当な理由付けしてんじゃないよ!って
思うくらいでしょうか?
そもそも、確かにミポリンは年のワリにはやっぱり綺麗でしたけど…
(原作は知らないけど)目の前にいると息が詰まるほど妖艶な女性って設定の人には見えなかったし…
(第一、そんな良い女があんな男にのめり込むのか?)
豊役の西島さんも女性の人気を独占するって程素敵な人?って感じで…
全く話に乗れなかった。
もし、当初の計画通り行定監督でやってたらどうだったんだろう?って
思いがどうしても拭えないですし…
25年後の話っていうのも必要なんだろうけど…
何だかダラダラクドイ気がして、いい加減早く終わらないかなと
思って見てました。
そう…やはり同じ人で演じる30歳くらいと25年後の姿って
かなり違和感が有りました。
女性はあんまり変化無しだし…
石田さんは若い頃のメイクがまゆ毛が短くて変だったし
男性も…特に加藤雅也が笑わせるところなの?ってくらいに変な老け方でしたよね。
それは契約上、老けるメイクは困る的な何かがあるのでしょうか?
こういうダラダラ映画って韓国の映画に有りがちな作りなのでしょうか?
消しゴムでは男優さんが良かったので泣きましたが
これは…ナシですね。
愛と子孫繁栄
沓子は女で、光子は妻(母)で、豊は男→夫(父)→男、という感じでしょうか。愛も子孫繁栄も、女性の本能に基づいてはいるわけですが、光子は怖いですね。涙はこぼれませんでしたが、ずしりとした感動が残る映画でした。
欲の出し方捉え方。
この辻仁成という作家さんが好きか嫌いかは別として^^;
なんだかいーっつも同じような展開だよなぁと感じる。
よっぽど三角関係とか、お好きなヒトなんだと思うのだが。
しかしこれだけ女心を鷲掴みにする話を書けるというのは
(皆さん物音も立てずに真剣そのもの!シーンとした劇場)
凄いなぁと思う。結局はお前が悪いんだろ!的な男性欲を
いーえ怖いのは女性の方なんですよ?と畳みかける凄さ。
だって恋愛には良いも悪いもないし、上手いも下手もない。
いつ誰を好きになってしまうかはどうしようもないことだし、
絶対。とか、永遠。とか、あり得ないから固執したがるのだ。
冒頭の詩のように、サヨナライツカという考え方を持てれば、
「あーそういうものなんだよね、確かに恋愛ってやつはさ。」
と思えるが、皆がそれだけ冷めていれば修羅場などない。
私には思ったほど嫌悪する内容でもなかったが、
自身にそういう経験がないせいか(あったらけっこう怖い^^;)
どの誰にも共感できる部分が見当たらず、しかしこんな風に
自分の想いだけで肉欲的に相手を攻める方法もあるのかと、
なんだかおかしな部分で感心してしまった(爆)
久しぶりに見る中山美穂は相変らずキレイで(かなり細いが)
彼女を撮る!?という勢いは感じられた。ただ魔性~という
感じでもないし、尽くす段に至っては案外普通の女になった。
どちらかというと石田ゆり子の方が私は怖かったんだけど^^;
自身がそんな経験のある家庭に育ったからか、妙に冷めて
描かれているのが不気味で、ラストはけっこう凍りつく感じ。
いやまぁ、自分がその立場なら辛いのは分かるんだけど…
オンナってこういう一面もあるのよ。うふふvってことなのか。
さて、西島くん…。
彼は大沢たかおの代役?的立場だったみたいだが、
モテモテ男とか好青年とか、どこか微妙に違う気がして(汗)
確かに巧い俳優なんだけど、どちらかというとマニアックな
クセのある役作りをするタイプだと、私は勝手に思っている。
なので…^^;ホント、お疲れさまでした。
そういえば最近、愛憎まみれの役どころが多いですね!?
(迷った時の選択方法。うーん。映画なら直感なんですが^^;)
中山美穂さん、凄すぎ
中山美穂さんの妖艶で迫力ある演技に感動しました。
ここまで存在感を示せる女優さんって日本では他に思いつきみせん。
ただ監督の美穂さんへの熱い想いも同時に感じて、正直嫉妬したのも事実です。
これは感覚的に楽しむべき作品。 アラの多い脚本でも、きちんと泣きの映画にさせてしまうところが、イ・ジェハン監督の演出の凄いところです。
タイ・バンコクに在住する好青年と呼ばれる豊が謎の美女・沓子と出会い、25年後に再会するまでを描く作品。
タイトルは、妻となる光子が出版する詩集のタイトルから来ています。
これは感覚的に楽しむべき作品。かなり突っ込みどころが多いので、筋を中心にストーリーの論理的な面が気になる人にはお勧めできません。
アラの多い脚本でも、きちんと泣きの映画にさせてしまうところが、イ・ジェハン監督の演出の凄いところです。
そしてイ・ジェハン監督が熱烈なファンだという中山美穂を年齢を感じさせない魅力で小悪魔のような女性として沓子を描いています。
婚約している主人公の豊が一瞬にして、火宅の恋に落ちてしまうのも宜なるかなといった風情がたっぷり。けれども豊は罪の意識か、最後まで「愛している」って沓子には言えませんでした。その苦悩に満ちた姿を西島秀俊が好演しています。
ただ小地蔵が、一番印象に残ったシーンが、光子と沓子の直接対決シーン。これはいきなりだったためとても印象に残りました。
婚約者の不倫を知った婚約者の光子が、突然バンコクにいる沓子のところまで押しかけるというもの。なにも知らないように冷静に振る舞う光子の立ち振る舞いが逆に恐かったです。そして寝室に立ち入ろうとしたときやんわりと遮るところに沓子の女の意地が見え隠れしていました。その分、最後に放つ光子の台詞が強烈でした。
光子を演じた石田ゆり子もなかなかの名演だったと思います。結局光子は25年間も、このことを隠し続け、夫の豊を支え続けるわけです。
言いたいことをくぐっとかみ殺して、良妻賢母を演じ続けた光子の表情がよく出ていたと思います。そんな光子が綴った詩集『サヨナライツカ』は豊にとってとっても意味深な内容だったわけです。
さらに、舞台となるバンコクの風景。特に舞台となるオリエンタルホテルの描写が大変美しく、いつまでも記憶に残り得る映像美となること請け合いです。
ただ映画『プール』を見た人は、ロケ現場が重複しているので、ラストシーンでは、♪だんだん長くなぁってきていく~ 壁にのびる影♪という『プール』のテーマ曲が聞こえてくるかもしれませんよ(^^ゞ
きっと見る人で評価ががらりと変わる作品となることでしょう。
突っ込みどころとして、沓子が豊と一線を越えてしまうのが、余りに急なこと。ほぼ2度目の出会いで、宿泊先に沓子が押しかけていきエッチしてしまうのです。そのノリは、在りし日の日活ロマンポルノ『昼下がりの情事』かと思うほどでした。
またVIPルームで暮らす沓子の生活実感がなくて、まるでおとぎ話の主人公なのですね。その辺の登場人物の描き込みという点で、弱い作品です。豊にしても航空機ビジネスでトップに立つという夢に向かって、出世していくわけです。豊のビジネス面では、中盤以降はかなり雑になっていきます。沓子が豊に惚れる重要な要素として豊の夢に惚れたことになっているだけに、もう少し触れて欲しいと思いました。
さらに、後半の25年後のパートに入って、豊が沓子を見つけ出せなかったということになっています。でも沓子は自分が暮らしていたバンコクのホテルのVIP係となり、
豊が来ることをずっと待っていたのなら、すぐ見つかっていたはずです。
まぁそういう突っ込みを気にする人は、見ない方がいいかもしれません。イ・ジェハン監督の凄いところは、そんな人でも泣かせてしまうところです。ラストでお得意の悲恋色が強くなると、『私の中の消しゴム』のように涙腺を直撃してしまうんですよ。この監督さんは。(中身は劇場で!)
なお本作は元々2002年11月にフジテレビ製作、全国東宝系にて映画が公開される予定でした。行定勲の監督、坂本龍一の音楽、ワダエミの衣装、中山美穂と大沢たかおの主演というスタッフ・キャストだったそうです。
ところが、クランクイン直前になり監督の行定が降板し、一度は白紙状態となっていたけれど5年ぶりに復活できたというのは、裏方のプロデューサーがかなり粘った結果でしょうね。『今度は愛妻家』がちょうど公開されています。その行定監督よりは、イ・ジェハン監督の方が本作にはあっていると思います。
●本作の伝えたいことと小地蔵のひとこと
本作で語られる「愛」というものは、無常で儚いということ。いつか消えてしまうのだから、囚われてはいけないという貪愛としての「愛」が示されるのですね。
詩集『サヨナライツカ』は語ります。「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出す人と愛したことを思い出す人がいる。」と。
ひとりは、ずっと人を愛して、ひとりはずっと人から愛される。このどっちかなんでしょうかねぇ。う~ん(^^ゞ、こういう発想は女性の人なら分かりやすいものなのでょうか。
激しく求める豊が沓子にひとことも、「愛している」とは口することができませんでした。そのためそのひとことを伝えたくて、沓子は「愛する人」となり、豊は「愛される人」となったのです。
でも小地蔵は、賽の河原にやってくる方を見ていて思うのです。愛というのは、どれだけ与えたか、奪ったかしかないのだと。
二人の愛は、結局光子から奪い続けた愛なのです。そして貪愛だからこそ儚くなるのです。
質実の愛は不滅です。無私の気持ちで与え続けたことは、魂のなかに刻印されて消滅しません。光子の凄いところは、25年間もふたりを無言で許し続けてきたことでした。
空港で沓子で別れを告げたあと入れ替わるように登場した豊が、すがるように光子に抱きつくシーンでは、縒りが戻ったと言うよりも、心から許しを求めたものでしょう。
母親のように豊を抱きしめる光子。人に許しを与えることは、与える愛を実践している姿を見ているようで、心が洗われます。
本当の消えない愛というものは、与えていく中に息づくものでしょう。
切なくやるせない映画
ともかく、切なくてやるせない映画でした。
きっと、この映画を恋愛物という考えだけで観に行かれた女性は、「なんという男と女なんでしょう・・・婚約者もいるのに!」と軽蔑な想いで、映画の始まりを感じ取られるでしょうね。
ですが、男と女が互いに好きになり、愛し合ってしまう感情というものは、口で説明できるものではないと言うことが、この映画を観てよくわかります。
そして、一度は別れたものの、やはりお互いのことを忘れることもできず、想い続けると言う感情は、もし、今不倫をしていてお互いに愛おしく想っている男女になら、わかってもらえる映画だと思います。
これ以上を詳しく書くとネタバレと言うことにもなるので書けませんが、この25年間の空白というものは、愛し続ける人にとってはとても辛いと言う事が
、自分自身に置き換えてみると、すごく切なくなり涙を流してました。
R15指定ですが、過激さからいえば、毎度お騒がせ~のほうが上かな
中山美穂といえば、過激発言とセミヌードが楽しみな「毎度お騒がせします」での「かわいい元気な女の子」でしたが、
すっかり、「いい女」、になってしまいました。
航空会社のエリートサラリーマンの結婚前の火遊びってやつですが、それが本気になってしまう。日本に帰り結婚して出世コースを歩んでいく。
25年後、再び、バンコクを訪れた男は彼女と再会するんですな。
25年も待っていたなんでこの女性。出だしのイメージからするとそんな女性には見えなかったのに。
とてもよい映画でした。一位を「今度は愛妻家」とどちらにするか、結構迷います。
薬師丸ひろ子と中山美穂、これは、中山美穂 で決まりなところです。
が、よく考えて、これは二位です。愛妻家は泣きましたが、これは泣きませんでしたから
むしろ、うん、こんなのあるかもね っていう、共感というかなんというか・・・
「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、それとも愛したことを思い出すのか」これがキーワードとして出来てきます。
おじさんも、愛したことを思い出すですね。あんまり、愛されてないし・・・
R15指定ですが、過激さからいえば、毎度お騒がせ~のほうが上かな
「ゼロの焦点」でも思ったんですが、西島秀俊って 大根だと思うんですが?
イ・ジェハン監督から中山美穂さんへのLove letter
2002年11月
中山美穂、大沢たかお。
監督、行定勲で映画化発表されるも
中山美穂・辻仁成の結婚もあり頓挫。
今回、それから約10年ぶりに
『私の頭の中の消しゴム』(04)
イ・ジェハン監督の手によって完成の陽の目をみました。
原作は随分前に既読済み。
鑑賞前は記憶になく、鑑賞後に
読後にすぐ浮かんだ感想を思い出しました。
“こんな男女像を書いてるから南果歩さん(現渡辺謙夫人)と離婚しちゃうんだよ”
と、少し話がそれましたが、
今作鑑賞前にDVDで『私の頭の中の消しゴム』確認&号泣。
どんな作品を作る監督さんか確かめておきました。
劇場は、10代後半から20代前半のカップルを中心に
大きい劇場があてがわれ半分ほどの入り。静かに上映開始を待ちました。
☆彡 ☆彡
これ韓国映画だよなぁ
私は好きだけど邦画を期待した人
怒っちゃう人いるだろうなぁ・・・
監督、絶対中山美穂さん世代だよね
『今度は愛妻家』(現在公開中)の
行定監督から薬師丸ひろ子さんへ抱いた
ファン心とリスペクトと似たものがあったんじゃないかなぁ
感涙でにじむエンドロールをみながら、
ED中島美嘉さんの歌詞・曲のよさに、
感動を倍増させながら、次から次へと
感想が湯水のように湧いて来て大変でした。
オープニング、意外なところで鳥肌立てていました。
配給会社のタイトルコールに“CJ Entertainment”のロゴ。
韓国映画好きの私にとって、シネマート六本木以外の映画館、しかも近場の
シネコンでこのタイトルロゴを見る。それだけで感慨深いものがありました。
◇ ◇
では、感想を順番に整理します。
①韓国映画だよなぁ
終盤のストーリーの進行速度。
使う音楽のレパートリー。終わりそうで
なかなか終わらず、サプライズの感動を用意する技法。
今作も、これがあてはまります。
わたし、ピアノが中心だったのに、
クライマックスでいきなり、それ以外の
楽器に変わり、ボリュームも大きくなる
独特の技法に、一気に落涙してしまいました。
でも、困ったのもふたつ。あれっ?がひとつ
1)空港で、中山さん、西島さんを撮るシーン。
レールの上を動かすカメラのスピードが速すぎて、
車酔いしたような感じで気持ち悪くなりかけました。
2)編集、一箇所。失敗したのかな?
シーン中途半端にブツッと切れて、場面展開しています
3)25年前の東京の街並みを映す場面。
25年前の東京には、恐らくまだないはずのものが映りこんでます
なんて、細かいこと書きましたが、超感動しました。
ただ『私の頭の中の消しゴム』のファミリーマートサプライズよりは弱かったですが(苦笑)
②イ・ジェハン監督、絶対中山美穂さん世代だよね
現在、39歳。私の年齢を考えても、ビンゴの年齢でしょう。
『Love letter』岩井俊二監督。中山美穂主演。
この作品、韓国で公開され、撮影地の小樽に韓国人観光客が
殺到するほどの大ブームを巻き起こしました。韓国で公開された
中山美穂さんの作品は、これ1作だけなのですが、日本だけでなく
韓国でも彼女の作品を、待ちわびている映画ファンは相当数にのぼるでしょう。
『ソフィーの復讐』(現在公開中)
同じく“CJ Entertainment”が配給している中国・韓国合作映画ですが、
こちら、中国・韓国、双方のマーケットを意識するあまり、どっちつかずになっているんです。
しかし、今作、中山美穂さんのキャスティングが決まった時点で、
韓国人スターが出演していなくても、かなりの数の動員が見込めます。
だから、①の話ではありませんが、あまり日本を意識せず韓国テイストを出したのでしょう。
話が、それましたが、今作、冒頭、扉を開けて
バーに入ってくるシーンから、中山美穂さん、メチャクチャ綺麗に映されているんです。
自然採光なのか、照明なのかはわかりませんが、まるで後光がさしているかのようです。
他にも、綺麗だけでなく、かわいさ、妖艶さ。
これまでにない姿が、リスペクトしてないと、
ここまでえ綺麗に撮れないだろうと思えるほど、芸術的に撮られています。
イ・ジェハン監督
『Love letter』セリフを諳んじられるくらい
何度も繰り返し鑑賞。中山美穂さん大好きだったそうです。
まぁ、そうじゃなきゃ、あそこまで綺麗には撮れませんよね。
どうせなら、薬師丸ひろ子さんみたいに、コンサートもしてもらいたかったです(苦笑)
☆彡 ☆彡
『外事警察』で初めて見せてくれた
Sっ気のある石田ゆり子さんを再び味わえます。
『愛のむきだし』でキネマ旬報新人賞を受賞した
AAAの西島くんも、少しだけ出てきます。思わず身を乗り出してしまいました(苦笑)
6年前上映したら、もっとヒットしたんじゃないかな
ソン・イェジン、チョン・ウソン、ペアヴァージョンも観たいな
そんな思いも頭をよぎりました。
ストーリーには賛否両論分かれそうですが、
私は、豊と沓子の思いに心が震えましたので★★★★☆をつけさせていただきます(笑顔)
雲の上の世界感かな?
12年ぶりの主演、中山美穂.....原作は夫で芥川賞作家の辻仁成さんの小説.....「あなたは、死ぬ間際に誰かに愛されたことを思い出しますか?それとも愛したことを思い出しますか?」......期待に夢広がる!
テーマ性は良い映画だと思うが、あまりにも設定が高貴過ぎて、あまり共感が持てない.....。
高青年を気取るエリートサラリーマン西島秀俊が演ずる「豊」(零の焦点とキャラがダブってしまうのが残念!).....誰もが敬う美人で金持ち令嬢との結婚を目前に控え順風満帆....そんな中、赴任先のバンコクでこれまたさらに大金持ちの沓子と出会い深ーい恋に落ちる......エリートサラリーマンという設定だが、あまり仕事を精力的にこなしているシーンがなく、日夜、沓子のことばかり考えているようで....欠勤も繰り返す....でも、一つ大きな仕事を成し遂げるごとに出世、出世.....一販売課社員が最終的には社長までになってしまう.....いい時代というか?こんなことある????......社長室では、窓の外を見つめて沓子のことばかり考えている....現代社会で苦しんでいる庶民には、ついていけなかも.....夢見るドラマがお好きな方にはお薦めかと思うが....。
音楽は、最高に良かったですね!
予想以上!
あまり期待せずに行きましたが、とにかく、泣けました!!
文学的、叙情的な作品なので、良い、まぁまぁ、の判定がわかれる作品だと思います。
人の愛し方、微妙な心の動きがわかる人、想像できる人には心の底にじ~~んとくる作品だと思います。
私は、最後涙がとまらず、終わってからもエンドロール中に号泣してしまいました。
映像もきれいでしたが、台詞のひとつひとつが心に残る感動的な作品だと思いました。
全79件中、41~60件目を表示