スター・ウォーズ クローン・ウォーズ : 映画評論・批評
2008年8月19日更新
2008年8月23日よりサロンパス・ルーブル丸の内ほかにてロードショー
個人的な「スター・ウォーズ」のツボの再確認を迫る作品
シリーズ全6作が完結し、帝国軍の勃興から衰亡までが明らかになり、スカイウォーカー家2代の物語も判明した今、それでも「スター・ウォーズ」を見るという行為は、いったい何を意味するのか。自分は「スター・ウォーズ」に何を求めているのか。
しかしそんな問いへの答は、本作があっさり与えてくれる。本作を見て「えー、あれがないのー?」と思ってしまったとき、その「あれ」こそが自分が心の奥深くで「スター・ウォーズ」に求めていたものだ。その答は、おのおのが胸に秘め、今後は「スター・ウォーズ」ではない場所でそれを追い求めていくことになるだろう。
とはいえ、そんなこととは関係なく、思わぬところで小ネタにヤラレてしまうのは、新3部作と同じ。この点については、アニメと実写という形式の違いに意味はない。アナキンが飛行船でタトゥイーンに戻ったとき、上空から砂の大地を見下ろせば、遙かな地表にはゆっくり歩むバンサらしき生物の群れが。それを目にしたときに思わず感じる「ああ、タトゥイーンに帰ってきたのかぁ」という感慨は、いったいいつ自分の身に備わったものなのか。そんな個人的な「スター・ウォーズ」のツボの再確認を迫る作品でもある。
(平沢薫)