劇場公開日 2009年4月25日

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「ちょっと残念な無国籍映画。」レイン・フォール 雨の牙 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ちょっと残念な無国籍映画。

2009年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アメリカ人小説家のベストセラーを、オーストラリア人が監督し、日本人俳優とアメリカ人俳優が出演して、日本を舞台に撮影した作品。日本映画でもなく、かと言ってハリウッド映画でもない不思議な雰囲気の映画です。はっきりと日本を舞台にしているのですが、無国籍映画といっても、過言ではないかもしれません。

その“無国籍映画”となった事が、この映画の焦点がボケて、ちょっとわかり難くなった遠因かも知れません。雰囲気として、原作が面白そうなのは判るのですが、それを映像化したこの作品は、脚本が問題なのか、演出が問題なのか、ちょっと退屈です。(始まって、10分くらいで出て行ってしまったカップルがいました。)折角、いい原作なのに、勿体無いです。

CIA局長ウィリアム・ホルツァー役のゲイリー・オールドマンですが、キレてますねぇ。キレまくっています。あのキレ具合が良いんでしょうね。

他方、日本の俳優陣。椎名桔平も長谷川京子も、ちょっとイマイチ。主人公のはずなのに、椎名桔平に存在感を感じないんですよね。きちんと演技しているんですが、残念。でも、長谷川京子の方がイマイチ感が強いです。やっぱり彼女の演技力を求めてはいけないんですね。

この手の映画の場合、本当は柄本明の様な脇役陣が存在感を示したりするんですが、あまり上手くシナリオに盛り込めなかったのか、その存在感を十分示す事が出来ませんでした。強いて言えば、良かったのはCIA局員優子を演じた清水美沙が、ゲイリー・オールドマンとやり合ったと言う所くらいですかね。それ以外は、あまり特筆するところはありません。

ここからは、ちょっとネタバレ。殆ど最後の、ニューヨークでのレインとみどりの再会(?)シーンですが、ああ言う演出でよかったんですかね? あのままレインが素直に姿を消していたほうが良かったのでは? それと、結局、USBメモリの中には何が入っていたんでしょうか? あれだけ騒いでおきながら(って言うか、それがこの事件の発端ですが)、何も明らかにされませんでした。

とか酷評していますが、駄作と言うところまでの低評価でもありません。レインが、この“仕事”に雇われた経緯とか、面白そうな要素は十分に入っています。元々小説ですからね。小説だったら、非常に面白い件になるところですが、映画だと時間に制限があるので、描ききれなかったですね。そう言う、ちょっと判りにくい、無国籍映画と言うことで良いと思います。

勝手な評論家