「良くも悪くも西島隆弘」愛のむきだし Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くも西島隆弘
↓観た直後に書いた。しばらく時間たった今の方がこの映画が好き。西島隆弘が好き。好きどころじゃない。
キリスト教とカルト宗教の間で真の愛を求めてもがく2人の壮大なラブストーリー。
プラトンの洞窟の比喩が出てきた。
【登場人物】
ユウ(AAA西島隆弘)
ヨーコ(満島ひかり)
コイケ(安藤サクラ)
ユウの父(渡部篤郎)
ユウの母(渡辺真起子)
3秒くらい出てくるチンピラ(綾野剛)
ヨーコの従姉妹(松岡茉優)
しかしなんで主演を西島隆弘に決めたんだろ。
だってこれまで特に何かの映画に出てるわけでもないし、そもそも俳優じゃないし。。。
所詮AAAだしって個人的に完全にあなどってたけど、意外と悪くなかったどころか、かなりの好演だった。
ユウは、地味な高校生だったり、父親に虐待されたり、 女装したり、刀を持って闘ったり、女子に露骨に誘惑されて勃起しまくったり、心神喪失したり、声を枯らして愛を叫んだり、とにかく忙しくて難しい役なのにね。
西島くんgsこれからも映画に出るようになったとしたら他のメンバーとの格差がE-girls並みになるな。
タイトルの「愛のむきだし」が一番ピンときたのは渡辺真起子だった。
中盤、渡部篤郎と再会するシーンまでは、これは渡辺真起子の映画なんじゃないか?と思うくらい全てがむきだしだった。
ついこの間「トルソ」を観たばっかりだったから、そこからのテンションの差には驚くばかり。
ストーリーは、あまりに壮大なラブストーリー。
敬虔なクリスチャンのユウとヨーコがある事件を機に出会うが、ユウの片想いのままヨーコは怪しいカルト教団に連れ去られて洗脳されてしまい、ヨーコを助け出そうとするもうまくいかず、そのショックから今度はユウが心神喪失で精神病院に入院してしまい・・・
目まぐるしい展開だった。
どんだけの要素とテーマを一本の映画に盛り込んできたんだよっていう。
私が今まで観た中で一番長い「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」の204分を大幅に上回る237分、ほぼ4時間だからねこの映画。
前半の2時間はなんだったんだろう...っていうくらい後半が濃かった。
溜めて溜めて溜めて、ガッとスイッチ入れてそこから一気にガーーーーーッと追い込んで終わった感じ。
でも前置きが長い分、感情移入不足による置いてけぼり感はなかった。
中盤の盗撮特訓のくだりは必要?と思ったけど、仲間たちが最後ユウのために必死になったのはあの特訓で絆を深めておいたからだったんだろう。
無意味なことを一緒にやった友達こそ、後々かけがえのない存在になっていくんだ。
そんなこんなで。
4時間っていうのがいかんせん長すぎて「いつか観よう、でも今日じゃない」状態が3ヶ月くらい続いていたので、観終わったというこの達成感ね。
何回かに分けて観たけど、それでも諦めず最後まで頑張って観ようと思わせる園子温はやっぱり偉大というか尊敬に値するというか。。
園子温といえば、以前ワタリウム美術館で映画「ラブ&ピース」の原作絵本の展示やってて、やたら感銘を受けたのを覚えてる。
「人生は電気代じゃない」っていう、ラブ&ピースと全く関係ない書が一番印象的でした。
ちゃんちゃん。