R246 STORYのレビュー・感想・評価
全2件を表示
じゃぁ、のちほど〜
映画「R246 STORY-弁当夫婦」(ユースケ・サンタマリア監督)から。
原宿・渋谷といった繁華街を沿道に持つ「国道246号線」を題材に、
6人の著名人がメガホンを取ったオムニバス・ムービーのひとつ。
始まって5分くらい台詞なしで黙々と料理を作る、女優・永作博美さんは、
料理が上手なんだな・・と惹き付けられる。
その彼女の口から、何度となく発せられた「じゃぁ、のちほど〜」は、
文字にすると「じゃ、後ほど」であるが、
なぜか気だるそうな、いや事務的な会話のリズムまで耳に残っている。
ひとつの物語が20分ほどの長さなので「弁当夫婦」のタイトルに
てっきり、倦怠期を迎えた夫婦だと思っていたら、まだ同棲中だった。(笑)
場面や登場人物の設定が、理解できないまま、物語後半を迎えて、
やっと、そうか、そういうことだったのか、と全体像がわかってくる。
そんな時、彼女の口癖が、再び思い浮かんだ。
「じゃぁ、のちほど〜」
まさか、わからない部分は、後ほどわかるようにしてあります・・という
キーワードではあるはずがないのに、妙にハマった気がする。
今度は、ユースケ・サンタマリア監督のもう少し長い映画を観てみたい。
盛りだくさん!愛情たっぷり。新たな才能発見!!
全部観ると2時間半を超えるということもあり、かなり盛りだくさんな映画。ルート246という道をテーマに、6人の著名人が監督した個性的でチャレンジングなショートムービーだ。どれもそれなりにレベルに達していると思うし、意外性やアイデアに溢れていて面白い!
個人的に特に印象に残った作品は、m-floのVERVALが撮った「DEAD NOISE」という日本のHIPHOP界のキーマンへのインタビューを紡いだドキュメンタリーだが、中村獅堂監督で河原雅彦脚本による「JIROル」という清水の次郎長や森の石松が現代にタイムスリップするヘンテコながらちょっとイイ話、それと、ユースケの「弁当夫婦」という同棲中のカップルの話、浅野忠信監督のブっとんだ作品、リップスライムのILMARIが監督した、彼らの音楽に通じるような、ゆるさが心地よい遊び心たっぷりの物語。須藤元気の作家としての才能と文学の匂いを感じさせる作品、とそれぞれに何かひっかかるものがあり、“愛らしさ”みたいなものを感じてしまった。たぶん、6人の監督がクリエイターとして、愛情こめて創ったからだろう。その匂いが良い!!
全2件を表示