ナイト ミュージアム2 : 映画評論・批評
2009年8月11日更新
2009年8月12日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー
サイドネタのギャグとアイデアだけでも、結構楽しめるパート2
博物館の展示物が生き返って動き出すのは相変わらず楽しい。歴史書や展示からは伝わらないキャラたちの本音をパロディに仕立てた部分も、歴史好きがいつも想像している通りのギャグになっているから、大いに笑える。
ただし、続編作りはつくづく難しいと実感したのも事実。前作に続いて登場したルーズベルトやミニチュアのカウボーイたちはただ出ているだけで、ドラマも活躍の場も与えられていない。パワー・アップしようと広大なスミソニアンに舞台を移したのも仇になった。広すぎる舞台と多すぎるキャラクターで、まとまりがなくなってしまったのだ。
古代エジプトから甦ったカームンラーの野望をくじくというドラマはどうでもよくなって、ベン・スティラーがスミソニアンの中を駆け回るのがメイン・イベントに見えてくる。困ったことに、ドラマよりそっちの方が楽しくて、エドワード・ホッパーの絵やアルフレッド・アイゼンスタットの写真が動き出すシーンにワクワク&うっとり。アイゼンスタットの写真の中にベンが引っ張り込まれ、1945年にタイムスリップするのも、エンドクレジットにそのシークエンスの続きが出てくるセンスも最高。このタイムスリップを生かしてパート3が作れるのではと思ったほどだ。
というわけで、ドラマは今ひとつだけど、サイドネタのギャグとアイデアだけでも、結構楽しめるパート2でした。
(森山京子)