劇場公開日 2009年5月23日

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「春が2階から落ちてきた。」重力ピエロ shinさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0春が2階から落ちてきた。

2019年8月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

伊坂幸太郎の映画化作品。
2人の兄弟、その家族の苦悩を描いた作品だと感じた。
キーワードは「放火、グラフィティアートDNA、レイプ」そして「家族」。
映画としては先が読めてしまって、残念に思えた。
好きだな、と思ったシーンは、春が金賞を取った際、春の絵の才能は父親譲りのものだと他の受賞者の母親から暗に揶揄され、春はそれに怒って、暴力を振るってしまうシーン。春の母親が止めに入って、そのまま謝っていれば、おそらく、他の受賞者の母親は、「父親の凶暴性も遺伝するんですね」ぐらいの皮肉を言っていただろう。そこで機転を効かして、春の母親が「やめなさい」と他の受賞者の母親のお尻を絵で叩く。春の凶暴性は私に似ているということを示していて、一般的にいえば批判されるんだろうけど、息子を庇う強い母親が表現されていてスカッとした。
あとは、最後の血は繋がっていないけど、嘘をつく癖は似ている、いけないことをしたこと事実がバレて、父親としては悲しいシーンだろうが、あらためて、育ての父を実感できる温かい場面だ。

shin