ブーリン家の姉妹のレビュー・感想・評価
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どろどろしてて、重くて、暗くて、哀しい話だけど、面白く深い!
ものすごく暗い映画です。哀しくも美しい姉妹のお話。
さらには弟も絡んでくる。
深い。
裏に裏をかいていて、すごく深いストーリー。
しかもこれが史実だっていうのだから、またすごい。
壮絶な2時間でした。少し重いから覚悟して観るべし!(笑)
この辺りの歴史背景をよく勉強してまた観てみたいと思いました。
世界史を学んでいた人はぜひ、観てください。
最後に。
何も知識もなく、映画を観に行って、作中のメアリー・ブーリンは、歴史の教科書でブラッディー・メアリーかと思っていましたが、
調べてみたら、ヘンリー8世の最初の奥さんの娘のメアリーがブラッディ・メアリーなんですね。
この映画のメアリーはブラッディー・メアリーとは別人ですね。
恐るべし、最強姉妹。
あのエリザベス1世のお母さんの話…これがまた^^;
ぜんぜん知らなかった無知状態から観たものですから、
かなーり面白くて、怖くて、勉強になりました!!!
ナタPとスカヨハ競演で騒がれた本作でしたが、確かに
観応えがあったし、彼女らの本性というか気質というか、
監督が上手い具合に引き出した感がありましたね。
頭が良くて高潔な姉と、ひたすら穏やかで温厚な妹。
当然、最初から姉が王の気を惹くと思った皆の目論みが
見事に外れてからの展開が、妹の知られざる存在感を
私たちに知らしめてくれることに。。。
しかし、、、あんな時代に^^;あんな家系に^^;
産まれなくて本当に良かった(汗)と誰もが思いますよ。
特に女性には…堪らないですね、あの扱いは。
まぁ今でも…この日本でも、その風潮は変わってません。
御世継問題は、皇族のみならず、あらゆるシーンで、
まだまだ私たちに根づいている部分が多いと思われます。
今じゃ♀が強いと叫ばれているこの世の中でも、、
それは家の中(爆)表舞台では活躍の場を男性に奪われ、
ちょっと出過ぎりゃ叩かれ、出なければ蹴り落とされ、
世が世なら、どうして私を♂に産んでくれなかったか!!
と…淀君のように鼻息を荒くしている婦女子も多いかと。
あ、それましたね。話が^^;
それにしてもナタPとスカヨハの演技は素晴らしかった。
知性があっても、女としての色気に欠けているナタPと、
頭がどうのよりも(爆)その女っぷりで泳いできたスカヨハ。
今作ではやたらとナタP演じる姉を「小悪魔」と呼びますが、
いえいえ!真の小悪魔とはスカヨハの方だと思いますね。
計算づくで男に近づく必要のない女こそ、小悪魔でしょう。
気付いたらモテてるやん!というのが小悪魔さんですから。
どんなに頑張っても王の気を惹くことが出来なかった姉が、
正反対の行動に出て、王を奪還することに成功したものの、
その後の波乱含みの生活は、決して愛に満ちていなかった。
「よくぞエリザベスを産んでくれました!!」
…と、今では口を揃えて言えるものの、当時は誰もが
彼女の行動を「魔女」「悪魔」としか思えなかったでしょう。
恋愛においては、まるで不遇の女性というのが哀れでした。
そして妹。。
この人は、歴史の中でも「陰」の存在だったのでしょうか。
ともすれば、この人が産んだ「男の子」こそが、
エリザベスに代わる一代を築いたかもしれないという…
ものすごい歴史の歯車を見た気がしたんですけど、その後、
運命はエリザベスに味方し、彼女は黄金時代を築きました。
いや~、運命って、本当に分からないもんなんですね。
勉強になりました。歴史モノとしてもドラマとしても面白い。
(叶姉妹もビックリ!王の威厳など霞んで見えましたねぇ、、)
私の賢い夫はどこへ行ってしまったの?
映画「ブーリン家の姉妹」
(ジャスティン・チャドウィック監督)から。
主人公のブーリン姉妹でも、王ヘンリー8世でもない、
脇役ともいえる、王妃の台詞である。
世継ぎを産むための愛人とは言いながらも、
若い女に夢中になっていく王(夫)に対して、不信感を持つ。
最後には「離婚」までさせられてしまうのだが、
その時、王(夫)に向かって語った台詞が、
「私の賢い夫はどこへ行ってしまったの?」だった。
「目を覚ましなさい」とまでは言わなかったけれど、
いつの世も、男は若い女が好きなんだから・・と
皮肉を込めた表現だった気がする。
この言葉が心に引っかからなかった王(夫)は、
破滅の道をひた走ることになるのだが・・。
肝に銘じておこう、私も男だから。(汗)
二人の女優が美しい!
とにかく二人の女優が美しく、演技が素晴らしかった。歴史ものというとたまに退屈すぎてつまらなかったりしますが、常に緊張感があり、エリザベス一世の映画とともにみると昔のイギリスの歴史に詳しくなりいいと思います
イギリスの歴史を変えた二人の姉妹の物語
ブーリン家の二人の姉妹、アンとメアリー、二人は、英国史を大きく変えた。
実は、この映画を見る前に、「歴史サイト」「系図サイト」を巡った。そこでわかったのは、アンは、エリザベスを生むことによって、イギリスの現在に至るまでの基礎を築く「役割」を果たしたということです。
又、メアリーは、王を愛しながらも、背かれ、かえってそういう「仕打ち」を受けたことによって、後世に繋がる子孫を残すことができた、ということです。メアリーの子孫には、第二次世界大戦の時の首相、チャーチル首相、そして、ダイアナ妃・セーラ妃が含まれ、そういう「意味」では、英国史に大変な「寄与」をしたと言えるでしょう。
そういったことを踏まえて、この映画を見たら、一つ一つのシーン、非常に重要な「意味」があることがわかります。
この映画は、英国史の「重要な局面」の映画と言えるでしょう。
ブーリン一家の哀しすぎる実話っ(>_<)
映画を観る前は、姉妹のキャスティングが逆なのでは???
・・・なぁ~んて、疑心暗鬼していた私が愚かでした^^
純情で優しい妹メアリーにスカーレット・ヨハンソン。
したたかで、ちょっと気の強い姉アンにナタリー・ポートマン。
この2大豪華キャストに加え、弟ジョージは「ラスベガスをぶっつぶせ」のジム・スタージェス・・・
そして、なんといってもエリック・バナ。
このスキャンダル勃発の超本人がこの人!ヘンリー8世!
ホントにあなたは困った国王ですねぇ(>_<)
私は歴史ものにてんで弱く、細かい話は知りませんが、この「ブーリン家の姉妹」はこんな私でも解り易く、間延びすることもなく最後まで緊張感を持ったまま観れました^^♪
自分が国王の側近でいたいがために、叔父の陰謀と政略の標的にされたブーリン姉妹。
そして、姉妹の弟ジョージまでが、運命を変えられてしまい、ブーリン一家が悲運な運命を辿ることになったと思うと、叔父と浮気者のヘンリー8世に腹立たしさを感じざるを得ません(涙)
男というものはいつだって・・・
アンが産んだ女児がやがて「エリザベス1世」になる訳で。
その続編がケイト・ブランシェット扮する「エリザベス」「エリザベス・ゴールデンエイジ」につながっていくんですなぁ~^^
現在イギリスのチャールズ皇太子も、いつの日かこんなスキャンダラスな映画として、製作されるのでしょ~か^^;
その頃まで、生きていたい私です(笑)
10月27日イオンシネマ高崎にて観賞
ミスキャスト?いえいえそんなこと無いです。
イギリス版大奥に2大女優競演!?
野心家の姉アン・ブーリンにナタリー・ポートマン、
清純で心優しい妹メアリーにスカーレット・ヨハンソン。
あの可愛らしいナタリーが野心家ぁ?それってどうなの?
って 思ったけど・・・あらあら、結構ハマっているではないですか。
歴史上悪名高いヘンリー8世の王妃となったアン・ブーリンと
その妹を中心とした歴史愛憎劇。
姉妹の確執やら父や叔父の策略やら・・・・
一体どこまで本当のことなのかは分かりませんが
アン・ブーリンのために前の王妃がその座を追われて
英国国教会が創設されたことは事実。
歴史の教科書には なーんかエラそうなポーズして
ふんぞり返った悪い王様のイメージしかなかったヘンリー8世が
全て惚れた女の言うなりになってしまうあたり 単純だけど
なんかちょっとかわいく思えたりして。
その点 女ってシタタカね~。コワイです。
子供が欲しいばっかりに、弟と・・・なんて怖すぎるっ!!
でも 実の娘も出世や一族繁栄の道具としか考えていない父ちゃん達に
時代背景を考えても ちょっと腹が立った。
洋画の時代物って あまり得意では無いのですが
歴史の流れというよりも その裏の人々の策略や葛藤やら愛憎・・・
特に姉妹の確執にスポットを当てて描いているので
とても入り込みやすく 惹き付けられてました。
どっかで見たなぁ・・・と思ったら「フォー・ウェディングス」に出ていた
クリスティン・スコット・トーマスや、「アクロス・ザ・ユニバース」に
主演しているジム・スタージェスが脇を固めていて、いいお芝居してます。
エリザベス誕生秘話、お母さんのお話し
何故、イギリスは女王陛下なの?
何故、イギリスって、カトリックじゃないの?とか
昔から疑問に思っていましたが、
学校の御勉強じゃ、そんなこと教えてくれません。
でも、こんなことを教えてくれる先生と出会えたら
もっともっと歴史が好きになったのに、
そんな風に思いました。
さて、時は16世紀中頃、
ヘンリー8世の時代です。
この国王、とても女が好きだったのですよ、ね。
だいたい権力と富を得ると、
あとは女に走るっていうのが、
男のパターンのようです、ね。
この国王の弱みに付け込んで
権力に忍び寄ろうとする
したたかな野郎たちもいるわけで、
ブーリン家の者たちも、結局はそんな野郎一族
だったわけです。
そして、二人の姉妹を結果的に差し出したわけです。
妹のメアリー(ヨハンソン)に奪われたヘンリーの関心を
取り戻そうとアン(ナタリー・ポートマン)は
フランスへ武者修行。
効果はてきめん、すっかり洗礼されて戻ってきます。
このへんは、本当に頭の良い人間だったんでしょうね。
教育的な環境が与えられれば、すっかり習熟して
魅惑的な女性へヘンシ~ン!
でも、男の子を生めないばっかりに、
色きちジジぃのヘンリーの関心は直ぐに
他の女へ向います。
まぁ、きっと男の子を産んだとしても
運命は変わらなかったのでしょうが。
だとしても、アンの力で
イギリスを変えたわけですから
彼女の力は偉大です。
どれほど魅力的だったかがわかるというものです。
ちょっと長くなりすぎたので
興味を持った方は
ぜひ、劇場でご覧下さい、って
これは、映画館のまわしものではなく、
ぜひ、自分の目でイギリスの歴史を
気楽に勉強してくださいと意味ですから、
お間違いの無いように!
大英帝国の幕開け。
「ブーリン家の姉妹」を観てきました。原題「THE OTHER BOLEYN GIRL」。
イギリスの歴史モノ、大好きだー。
どちらも国王の寵愛を受けながら、まったく異なる道を歩むことになる美しい姉妹の劇的な人生のお話。
後にエリザベス1世となる王女を産んだ、アン・ブーリンの悲劇。
16世紀、イングランド国王ヘンリー8世(エリック・バナ)には男子の世継ぎがなかった。
いら立つヘンリーが愛人を求めていることを知った、野心家のブーリン卿(マーク・ライアンス)は
聡明な長女のアン(ナタリー・ポートマン)を愛人候補に仕立てる。
だが王が目に留めたのは、結婚したばかりの気だての良い次女メアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。
このヘンリー8世ってのがとんでもなくひどい男でさ。
正妻になかなか男の子が生まれなくて(女の子は1人いた)、世継ぎのことを考えると、やっぱりどうしても男の子が必要なわけね。
そこで宮廷勤めをしていた叔父さんにそそのかされて、ブーリン家の長女アンは
王の愛人になろうとするんだけど、アンのせいで王が落馬してしまい、
それを介護していた次女のメアリーに王は一目ぼれ。
ここから仲のよかった姉妹の愛憎が始まるのだ。
結局メアリーは宮廷に上がって、王の子供(しかも男の子)を産む。
それが憎たらしいアンは、なんとか王の目を自分だけに向けようと画策する。
ついには子供を産んだばかりのメアリーを宮廷から追放。
「エリザベス・ゴールデンエイジ」を観たときは、ヘンリー8世ってなんて女たらしでひどい奴!!!って思ったけど、今回この映画を観て、「なんだ、アン・ブーリンもけっこうしたたかじゃん」って思った。
自分と王を結婚させるために、何の罪もない王の正妻を裁判にかけちゃったりするし。
さらにはローマ法王と決別して、国教まで変えさせちゃうし。
なんとか正妻の座に治まったものの、アンが産んだのは女の子。あげく、第2子を流産してしまう。
そしてその流産の事実を王に伝えられないまま、アンは人間の道徳に背く行為に走ってしまう。
これがもう、すごい。その話は知ってはいたけど、そうまでして男の子を産みたいのかと・・・。
なんか、日本の皇室を思い出しながら観てしまいました・・・。
でも結果的には自分が生んだ王女(=エリザベス1世)が黄金時代を築くなんて、皮肉。
結局アンは、「反逆、姦通、近親相姦および魔術」という罪で斬首されてしまう。
斬首だよ。ギロチンじゃないんだよ。斧でクビをズパッと。ひー。
最後、いろいろあったけどやっぱり姉は姉と、王にアンの命を懇願するメアリー。
かわいそうだった。守られたのはアンではなくて、メアリーだったのだから。
私、ロンドン塔のアン・ブーリン処刑現場を見に行ったことがあります。
外なのに薄暗くて、あんまり長居はできなかった記憶が(1人で見に行ってたし)。
なんかしっくりこなかったのが、ナタリー・ポートマンが姉だということ。
いつまでも私の中では子役のイメージなんだよね。
あと、スカーレット・ヨハンソンって、あんまりきれいだと思えないんですけど・・・。
私生活でいろいろ言われてたからかなぁ?眉毛もないし(爆)。
途中やや中だるみで、眠りに落ちそうになりました。
でも話的には、好き。終わり方も好き。
この話が「エリザベス」シリーズにつながっていくのだな、と。
やっぱり、イギリスっていいわ。うん。
なんて、ドラマチック!
エリザベス1世の母とその妹の話。史実に基づいているのでしょうが、あまりにもドラマチック!展開が早く、中味が濃く、とても見応えのある2時間弱でした。
ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの共演というのも豪華で、楽しめました。エリック・バナの王は、役柄とはいえなんだかねえ・・・。
イギリスの歴史がよく分かりました。この映画の後に「エリザベス」と「ゴールデンエイジ」を続けて見ると、さらによく分かりそう。
歴史好きはもちろん、そうでない人にもお薦めです!
英国版大奥!?
500年前、王様が自由に離再婚をしたかったから
国の宗教が変わってしまった英国。
エリザベス2世陛下の4人の子供たちのうち、3人まで
もが離婚を経験しているという、英王室の現状を見るに
つけ、ヘンリー8世の功罪の大きさを思い知らされます。
そういえば、チャールズ皇太子は故ダイアナ妃と結婚を
する前、ダイアナ妃の姉のセーラさんと交際していたと
聞きますが、まさに「The Other "Spencer" Girl」ですね。
1000日のアン
イギリスが国教の宗旨を変える原因となった、
あまりにも有名な国王のわがままに乗じて、
娘達を手札に、閨閥で名誉と栄華を得ようと
企てる貴族一家。
姉妹の葛藤もさることながら、3姉弟の母親である
レディ・エリザベス・ブーリンが、随所で反論を試み
ながらも、権力と欲の奔流に呑み込まれる子供達を
救えずに苦悩する姿が胸に迫りました。
意外にも今日的?脚本家に注目
ドロドロとした宮廷物を予想していたら、二人の女性に焦点を絞った意外にも現代的な女性物語だった。ただし監督は正統的な歴史物と思っているようで、取り合わせはやや悪い。原作は読んでいないがけっこうな分量なのでピーター・モーガンはかなり整理してと思われる。アンのフランス時代の様子などはもう少し知りたい、逆にラスト近くはやや展開が早く感じるがアンの運命は誰もが知っていることなのでこの方がいいのかもしれない。
見る前はナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンは逆ではないかと思ったが、他人を意のままに操るアンを演じるのがポートマンで正解だった。一度はヘンリーに嫌われたのに、自分の価値を高めヘンリーの方から欲しいと思わせる姿は圧倒。その一方で王妃になることで庶民からの人望を失うその様はダークサイドに堕ちるアナキンのようだ。このアンなら確かにケイト・ブランシェットやヘレン・ミレンが演じるエリザベスを産みそうだ。しかしヘンリーにブーリン家の人間とキャサリン以外にまともな人間がいない。
二人の違いを出すために苦労したと言うサンディ・パウエルの衣装にも注目
歴史なんて、色恋沙汰次第…。
“ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン夢の共演!”イイですね~、今が旬の美女2人が共演。吾輩的にはとっても嬉しい!でも姉妹役ですか~、全然似てないよね(^^;!?
まあ、見事にドロドロとした世界が描かれていますな。知性も誇りもない、『ガキを作ったモンの勝ち!』と言わんばかりの策略、謀略、裏切り、愛憎…。一見華やかに、そして高貴に見える中世イングランドの王宮も、ひとたび裏へ回ってみると、そこはまるで“魑魅魍魎の巣窟”の様相を呈した、“トンでも世界”なワケです。『勝つためには手段を選ばず』『驕れる者は久しからず』そして、その結果次々と断頭台の露と消えて行く敗者たち…。そう、この頃は正に『死を以って』罪をつぐなわされたのです。いやあ、本当に恐ろしい。もし、今の時代にこの時代の治世を当てはめたら、どうでしょう。殆どの人間が“斬首刑”に処せられちゃうんじゃないでしょうか?それ考えると、物凄く恐ろしいですよ、この話。そう『そんなことくらいで、処刑って…』てな感じですから。でも、当時は大真面目の超真剣だったわけですよね、国王の“たかが”色恋沙汰の一つが、国を、いや世界を、歴史を変えちゃうんですから…。いや、ホントに恐い話ですよ。
本作で、アンが出産する娘こそ、後の“エリザベス1世”その人です。ですからこの映画のラストが、あのケイト・ブランシェットが主演した「エリザベス」の冒頭シーンへとつながるのです。その辺も踏まえてご覧になると、この映画が描く、歴史の背景が見えてきて、面白みが倍増すると思われます。時間がある方は、是非「エリザベス」もご覧になって!
冒頭で“夢の共演”と書きましたが、本作でのナタリーとスカーレットの美しさは、中世のコスチュームとも相まって際立ち、正に輝かんばかりです。特に映画の前半部分の2人は、どちらも甲乙付けがたく、“圧倒的な美”でスクリーンから我々を魅了してくれます。吾輩、正直骨抜きにされてしまいました。ところが後半は一転、国王の寵愛を我が身にとどめん為に、狂わんばかりに振舞うアンを、ナタリーは鬼気迫る表情で演じています、そしてそれを受けるスカーレットも、姉を救わんと奔走する、健気ではあるが芯の通った妹・メアリーを熱演しています。2人とも美しさだけではなく、非常に質の高い演技の競演を見せてくれます。いやあ、スンバらしいです!
で、もおどこまで行ってもこの映画では、“男”はダメです!誰がどう見たって悪いのはヘンリー8世ですし、姉妹の父・ブーリン卿と叔父のノーフォーク公爵には、吾輩観ていて殺意さえ抱いてしまいました。でも当時としては、これが当たり前のことだったんですね。そう考えると歴史って、儚いもんだなあって思えてしまいます。映画の冒頭で、姉妹の幼い頃が描かれているのですが、仲良く遊ぶそのシーンが、後のシーンとの対比であまりにも残酷に思えてなりませんでした。
ところで、映画ではメアリーが妹となっていますが、歴史上、彼女の資料は殆んど残っておらず、実際にはアンの方が妹(アンですら、正確な生年は不詳なんだそうです)だったという説もあるそうです。ですから、この映画も“100%史実”ということではございません。しかし、『なぜイングランドが、ローマ・カトリック教会と訣別し、独自の道を歩み出した(イギリス国教会の設立)のか?』といった歴史の裏側的な物語を垣間見ることが出来ますので、歴史好きな方には堪らない1本だと思います。
このほか、アンとメアリーの男の兄弟、ジョージ役として「ラスベガスをぶっつぶせ」でプチ・ブレーク(?)を果たした、ジム・スタージェス 君が出演しています(可哀想な役なんだ、コレが…)。でも3人並ぶと、益々兄弟姉妹には見えね~!!“ユダヤ人とニューヨーカーとロンドンっ子の兄弟姉妹に、オーストラリアンな国王!”エエんかな~?こんなキャスティング…(^^;。
世界史の教科書には書かれていない英国王室ドロドロ肉欲物語
9/19表参道ヒルズにて試写会にて。いい映画でした。脚本も素晴らしく、監督の手腕の下、2時間の大作ですがあっという間に感じられます。世界史の教科書でヘンリー8世の名前を見た記憶があります。どんな人物かは忘れていましたが、「偉大な英国国王」だと記憶していました・・・が、映画の中では大違い!ヘンリー8世は部下の嫁さんだろうと、幼い姉妹だろうと、その母親だろうと、誰彼構わず「愛だ!」と勘違いしてSEXを迫り、抱かれた女はすぐに捨てられるか、ギロチンに送られるといった有様。世界史の教科書には「腐敗したローマ・カトリックから離脱、英国国教会を制定した偉大なる国王」と記載されていますが、実は中年の妻・キャサリン王女と別れて、若いネエチャンとSEXしたいだけのエロ親父でしかありません。その上、子供が生まれても、すぐに他のネエチャンに目移りし、妻子ともども追放してしまうというとんでもない野郎です。(調べてみると、ヘンリー8世は5回くらい結婚し、結構相手はギロチンか早死に、幸せになれた方は皆無のようです・・・。)
ともあれ、映画自体は素晴らしい!ナタリー・ポートマンもスカーレット・ヨハンソンも好演、魅力的な演技に観客は吸い込まれます。重厚かつ良質な映画をこの秋に観たいという方に、ぜひオススメしたい作品です・・・。
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